彼の人に
美しい人よ
僕はあなたに 何を捧げよう
此の世に誇れるものを 何一つ持ち合わせていない 僕に比べて
あなたは その輝くばかりの美貌と 優れた芸術的才能と
澄みきった清流の水のように爽やかな聡明さに溢れ そして さらに
何ものにも代えがたい 人を思いやる純粋な愛の心をも 持っているんだもの
僕はただ そんなあなたを 美しい一輪の名花を愛でるかのように眺め
今日も感嘆のため息を洩らし あなたの言葉の一つ一つに 一喜一憂するだけ
あなたを 賛美する言葉をいくら書き並べようと それは 所詮無駄なこと
秋風に舞う枯葉のように 虚しく何処かに 飛んで行ってしまう
でもいいんだ そんなあなたの傍に居るだけで
僕はこんなに 幸せなんだもの
彼の人に