わたしは花

気をつけろ。その花にはトゲがある。


バラの香り。ラベンダーの香り。サクラの香り。わたしの部屋は花の香りに満ちている。芳香剤はいいにおい。
バラの香り。ラベンダーの香り。サクラの香り。そしてわたしの香り。
部屋の花の香りの中にはわたしの香りも含まれている。だってわたしは花だもの。女だし、若いし。昨日オジサンが言ってた、花盛りだねって。古くさいたとえ。でも若いって言われたらやっぱり嬉しい。年を五歳サバ読んだけど。まあいいや。そのくらいの年齢に見えたんだから。
わたしは若い。まだまだ若い。オバサンと呼ばれるにはちょっと早い。そうだ、そうに決まっている。
わたしは花。だからわたしはいいにおいがする。
髪用の香水。ボディ用の香水。手足用の香水。いつもつけている。服だって芳香柔軟剤を使っている。
みんなわたしを見つめる。みんな振り向く。だってわたしは花だもの。きっといいにおいがするんだわ。
だけど変。なんかくさい。耳の後ろを擦って鼻に当てる。ここだ。何このにおい。とりあえずボディ用の香水を吹きかける。うん、良くなった。今度は耳用の香水買わなくちゃ。
あれ?でもまだにおう。わたしは鼻が効くからな。どこだろ?そうか、隣の部屋だ。
わたしは芳香剤を三つ隣の部屋に放り投げ、リセッシュを降りまいた。
うん、これでいい。
くさいものにはフタをする。
くさいものには香りを足す。
これよね、これ。
でもそろそろ芳香剤がなくなりそう。それ以外に買いたいものはたくさんある。
でもオジサンの財布にはまだ結構お金入っているから大丈夫。カードもあるし。暗証番号自分の誕生日だもん、オジサンバカだね。
くさいものにはフタをする。
くさいものには香りを足す。
オジサンどんどんくさくなっていくからわたし、引っ越すね。この部屋でオジサンをフタしておくよ。大丈夫、芳香剤と消臭剤たっぷり買っておくから。
オジサン昨日ベットで言ってたじゃない、もう死んでもいいって。
だってオジサンがいけないんだよ。わたしが傷つく事言うから。
わたし、花なの。キレイな花なの。
だからトゲがあるの。
ゴメンね、オジサン。

おわり

わたしは花

読んだくださりありがとうございました。
今回はなんかまとまりがないですね。
申し訳ないッス。

わたしは花

過ぎれば薬も毒になります。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-09-24

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