世界は語らず君は語る

ネタバレになるため深く書きません。ただ言えることは能力なんてものはなくただの平凡なお話です。
面白くできたらいいなぁって思いながらゆっくりと作っていきます。
人間が苦手な女の子と
人間が得意な男の子が出会う。
そんなお話です。

必ずしも人間は一人で生きれないわけではない。っというかなぜ群れながら生きなければいけないのだろうか。別に協力しなくてもどうにかなるんじゃないのだろうかと考える私は少数の人間のようだ。
 ただ、考えれば考えるほど私は悩まさせられる。
 簡単に言おう。学校での集団行動だとか。学校での班行動だとか。
 いや、この二つはまぁ、納得してやろう。ってかしないと私が友達のいないぼっちのようではないか。……否定は一切しないが。
 ……話がそれたな。この二つがなぜ納得できるのか。まぁ、学校側の言いたいことが分からんでもないからだ。強調性だの社会に出る勉強だの。言いたいことは分かるし文句を言うつもりはない。
 しかしだ、班行動とかわ理解できる。ただ、なぜ隣の席の奴と何かをさせたり、クラスの奴と二人で行動させたり……。
 まったくもって意味が分からん。そりゃ、私も人間だし。でかい荷物だとか重い物を持つときとかは助けはいると思うよ。学生の時は。でも、なぜしょうもないことの為に二人一組にさせられるのかが分からないし、意味不明なのだ。
 地域の活動を調べろ? んなもん家でネット使うなり図書館で調べるなりで一人でやれるだろ。なぜ組まなければいけないのか意味不明だ。
 大体、なんだ? 友達がいるのが偉いのだろうか。話せる奴は偉いのだろうか。お前らの話なぞ何も聞きたくないし憐れんでほしくもない。まったくもって迷惑な話だ。
 ……例の話をしていたら嫌なことばかり思い出すな。
 そう、結局のとこと結論は人間は支え合わずとも生きれると言いたいのだ。
 世間はコミュ症だとか不愉快な言葉で私たちのことを蔑むし侮辱するが、まったくもって違う。私たちは自分の意志でこう生きているのだ。
 他人と群れるのが偉いならばそうすればいい。だが、私はそうしない。
 だからこそ、この現状が私は気に入らない。
 今、こうして起きている自分の状況がとても気に入らない。

1.5

毎朝、毎朝。太陽は決まった時間に顔を見せてきやがる。頼んでもないのに律儀に。さらにはやかましくなるこの年季のはいったベル時計。何十年と世話になっているがこいつもまた律儀にうるさい音を鳴らしながら俺を起こそうと仕事をする。まぁ、太陽にしてもこのベル時計にしても俺を起こすという事をやらなければ職務放棄なのだが。……前言撤回、太陽は関係ないな。
 面倒な話。起きたからには動かないといけない。病気でもなければ、学生は学業の為に学校という名の牢獄に行かねばならん。叶うことなら今すぐにでも二度寝したい。しかし、そんな夢も儚く叶うはずのない妄想を頭の中だけで考えながら今着ている服を脱ぎ壁に吊ってある学生服に手を伸ばす。進学してはや、二か月。学校にも慣れてきて部活にも入り青春を謳歌し始める時期ではないだろうか? 俺は知らんが。
 そう、関係ない。普通、二か月もたてば友達の一人や二人はできるだろう。できなくても中学校時代の友達などという生物もいるはずだ。
 うん、いませんが、そんなものいませんが何か?
 大体、友達なんていなくても学校という名の牢獄は通常営業だ。いつもの時間に自分の指定された椅子に座り。本当に人生に役に立つのか不明な謎の言葉を聞き。過去に起きた出来事を今生きている俺がなぜか学び。昼飯の時間になれば適当にクラスの奴の顔を見ながら飯を食べて。
 まったくもって、どうすればいいんだろうね、こまっちゃうぜ。
 しかし、ここで一つだけ明らかにしないといけないことがあるのだが。
 簡単な話、俺は友達がいないわけで話す相手がいないわけではない。
 例を言うならば美術の時間で二人一組でお互いのスケッチをしろという課題に対してハブられるもとい一人ぼっちになることはない。クラスメイトにたいして最低限の挨拶はする。最低限の会話はする。
 友達がいないというだけで【あぁ、この人かわいそう】っと思われるのもかなりの屈辱だ。故に、話はする奴くらいはいる。
 まぁ、友達はいませんが。
 さて、考え事をしているといい時間になってきた。ギリギリまでねるタイプの方な俺は朝ごはんはろくに食べない。食べても栄養ゼリーだ。……うん、うまい。
 もう着慣れ始めた制服を着て薄い学生鞄を手に取り今日も同じような感じで一日が終わるんだろうなぁと思いながら部屋を出ていった。
 ……しかし、この時の俺は数時間後にあんなことが起きてこんなことになるなんて思いもしなかった。













なんてね。

なぜ、人は群れるのだ。邪魔で仕方がないといつも私は考える。絶対に一人の方が気楽だし。
 っと頭の中で考えながら私は愛用のヘッドホンを手に取り学生服に着替えては家にを出る。
 家族との会話なんてものはなく、自分の自室である二階の部屋から一階に降りては適当にキッチンにあるパンと紙パックの飲み物を取り出してから家を出る(ちなみに牛乳とアンパン
 別に仲が悪いわけじゃない。ただ、最近は家族と話すことになぜか抵抗感があるのだ。思春期特有の気持ちとは少し違う。家族が嫌いなわけでもなく、顔を合わせれば少しは会話もする。……まぁ、したくないからそそくさと家を出ているわけだが。
 うん、仲悪そうに見えるなぁ。私。
 さて、どうでもいい話はどうでもいい。疑問なのだが普通の学生はのんびり通学するのだろうか? それともギリギリまで寝るのだろうか?
 ちなみに私はどちらにも当てはまらない。人と会うのがとことん嫌いな私はなるべく学生たちと顔を合わせない時間帯。朝早くに家を出る。
 しかししかし、今日の私は世の学生諸君が通学する時間帯で家を出てしまった。付け足すなら少しギリギリな時間帯だ。なぜ? っと言われると一つしか言い訳ができないのだが。簡単な話目覚まし時計が鳴らなかった。いつもの愛用しているベル時計の電池切れによる大変悲惨な事件だった。
 では、なぜ私は起きれたのか? 簡単な話だ。目覚まし時計をもう一つセットしていたのだ。付け足すならば携帯電話のアラーム機能だが。いや、あれだな。中学のころから親に急の連絡用に持っておいてと渡されていたが一度も使ったことのない携帯電話が初めて役に立った。絶対に私には必要ないだろうといつも思っていたがここにきて私を救ってくれたのだ。
 ありがとう、携帯電話。
 もしも、アラームが鳴らずに寝ていたらと思うとぞっとする。遅刻確定。先生に怒られる。クラスメイトからの注目の的。……考えただけでも吐き気がする光景だな。生き地獄というのだろうか?
 自分で想像したことにたいして吐き気が出てきたのでここで考えを変えよう。
 そろそろ、人混みが増えてきたところだ。
 最初のころは随分と迷った通学路だがさすがにもう覚えた。覚えるために朝五時に起きたのは今でもいい思い出だ。二度としたくないがな。
「……桜も散ったなぁ」
 っと意味のない事をぼやいてみる。うん、意味がないな。
 入学してはや二か月。いまだに私は一人での学園生活をエンジョイしている。やったぜっ。
 友達なんかなぜ必要なのか考えたこともない。俺たちの友情はお前たちになん負けないっ……とよく少年漫画で聞くが。いや、負けるだろうと何度漫画に突っ込んだことか。
 ここでひとつ、疑問なのだが。少女漫画はなぜあんなにイジメ系の漫画が多いのだろうか。イジメよくないと教えるためか? しかしだ。しかしだぞ。小学校低学年の少女がそんな漫画を読めば何かしらのトラウマにならないか? ッ少なくとも、私はなる。絶対なる。
 前言撤回。もう一つ疑問があった。必ずしも今言うこととイジメ系の漫画だけではないということを前提に今から私は疑問を言う。
 少女漫画ってエロいのがよくあるなぁと思うのだよ。
 いやぁ、しかも生々しいのとかあるじゃん?下手な男児用のエロ本よりエロいのとかあるよね?あれはなぜだろう。普通の表紙だやったー。っとジャケット買いしていざ読んでみたら八割エロとかさ。あれはなんでなんだろう?
 少女に対する新たな挑戦だろうか。大変興味深いが今考えても始まらんか。
 はい、漫画話終了。
 変なこととに思考を向かせていたため人がたくさんいても気にしなくてよくなることが救いだな。
 まぁ、付け足すならば愛用のヘッドフォンが耳障りな音を消し去ってくれているのもあるな。あぁ、自然の音は素晴らしいな。
 愛用の音楽【自然の中に】は最高だ。森のざわめく音がこの汚れきった社会の雑音を見事に消してくれる。コンクリートジャングルの中だろうが私の心は大自然だ。
 あ、訂正で言うが汚れきった雑音というのは人が出す音のことだからな。別に機械関係の音とかは平気なのだよ、私は。
 いまいちピンと来ていない奴もいるかもしれないから簡単に説明したいのだが、どうもうまく説明できるか分からない。
 ……そうだな、人間と話すのが苦手という人間がいるだろう。……先に言うが私は話せないわけではないからな。……多分だが。まぁ、多少は話はできる。それなりのやり方を使えばだがな。
 で、私はそうではないのだよ。
 簡単に、簡潔に言うならば。
 私は人が出す【音】が苦手なのだ。……そう【音】だ。人間は生きていれば様々な音を出す。会話をする時の声。歩く音、体を動かす音。それにより擦れる衣服、呼吸する音。喜怒哀楽の音。
 具体的にどうなるんだ? と疑問に思うだろう。……まぁ、軽い吐き気が大半だが酷い時は当然のように吐くし呼吸が苦しくなる。
 そう、だからこそのこのヘッドフォンなのだよ。
 あぁ、なぜそうなったかについては今は話さないでおこう。あまりいい思い出でもないからな。
「ふぅ……何をやっているんだ、私は……」
 気持ちを切り替えよう。よほど学校に行きたくないんだなっと今さら考えてしまう。
「しかし、ずる休みはなぁ……。美学に反する……」
 こんなめんどくさいスキルを持っているのにも関わらす根は真面目な私なのだ。偉いだろう。
 どうでもいいことを考え思考を、気持ちを少しでも気楽にして時間を確認しては歩調を調整する。大丈夫だ、まだ走らなくても間に合う。……走ったら視線感じるなぁ。
 何気なく空を見上げてみた。うん、ムカつくくらいにいい天気だ。おひさまピカピカ、空は気持ちのいいくらいに青空だ。飲み込まれるようにぼーっと見上げる。はたから見たら変な奴だ。
 周りの学生が私を不審な目で見始めているが知らん。たまにはいいだろう。
 っと道の真ん中で突っ立ていたのが災いしてか――
――どんっと鈍い衝撃が私の背中を襲った。
 ……と書けば悲劇のヒロインみたいだがそうではなくただ、ふざけ合っていた男子学生が私にぶつかってきただけだ。
「いってぇ。……邪魔だっての」
 ただその一言を言いながら颯爽と去ってしまった。気にしないが。
 ただ、ぶつかった衝撃で鞄の中身をぶちまけてしまったため周りの視線が痛い。なにかひそひそと話してる感じもするし。
「……今日も災難だな……」
 軽くぼやきながら早くこの場を去りたいために少し乱暴に荷物を拾っていく。早くしないと早退しなければいけない状況になってしまうからだ。
 面倒事に見えるのか。巻き込まれたくないと言いたいかのように周りの人間たちは私を避けて歩く。世界で私だけが生きているかのような感覚だ。
 油断すると涙腺が緩みそうになるのでぐっと我慢しながら最後にペン入れを拾おうとすると――
 ひょいっと見知らぬ男性の手が私のペン入れを拾い上げ周りについた土汚れを払っている。
 ゆっくりと立ち上がり物好きな男もいるものだと思いながら立ち上がると短髪の少し目つきの悪そうな男子が
「――――」
 っと言った。
 この私に。こう言ったのだ。憐れんだ眼ではなくただ、機械的に。義務的に。
 ――大丈夫か? っと言ったのだ。……正式には言ったではなく唇がそう動いただけなのだが。

 いつものように家を出ては常温で放置していた栄養ゼリーを食しながら通学路をのんびりと歩く。太陽は今日も律儀に頑張りながら俺たちの生活を照らしてくれている。その太陽の暖かさで少し眠気を感じながらも少し早歩きで学校を目指す。
「寝癖直す時間なかったなぁ」
 俺だって男子高校生。おしゃれくらいは気にするお年頃だ。……まぁ、寝癖って言っても髪そんな長くないから寝癖という長さかは分からないが。
 はっきり言って少し前髪が跳ねているだけだがそれでもいつもと違う髪型に違和感を隠せない。
 意識してしまうとさらに気になってしまい変に前髪をいじりながら通学していく。俺はナルシストか。ガルマか。……いや、ネタが古いかな。

世界は語らず君は語る

世界は語らず君は語る

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-09-24

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