百本のろうそく 第四本

ミスがありました。
すいません・・・。

 
 私、山田霊男(仮)、23歳サラリーマンです。
 初めてこのサイトに書き込みさせて頂きました。
 いきなり言うのもなんですが、かなりの入浴剤マニアです。
 私が初入浴剤体験したのは、小学3年生の時です。
 冷え性で大変だった私は、もうそこから入浴剤が大好きに成りまして!!入浴剤様様です!
 それから にきび・肩こりなど今日まで殆ど毎日入浴剤の力を借りてきました。
 このサイトはホントにいいサイトだと思います。
 より多くの人に見てもらって入浴剤の良さが広まるといいですね!
 応援しています!!!!
 

「コレでよしっと!」
霊男は、勢い良く《コメントを表示する》と書かれたボタンを押した。
個人が運営しているサイト‘入浴剤好きの為の入浴剤好きにおける入浴剤についてのサイト”
を見つけ、今日はじめて書き込みをしてみたのだ。
「・・・。コレってこの後どうすればいいんだ??」
霊男(仮)については、パソコンの使い方は会社で使うところ以外全くの初心者だという事だけ伝えておこう。
ついでに言うと、趣味が濃すぎて社内で浮くタイプだ。

「ほ~~。こんなヤツ(入浴剤)もあるんだなぁ~」
とりあえず、そのサイトを閲覧し始める。
「あ!これ(入浴剤)なつかしぃ~~あったあったこんなヤツ!!」
などと言いながら、変なところをクリックしてしまう。
「おわ!変なのでた!!ええ~っと こんなときどうすればいいんだっけか??」
画面を覗き込む。
よく見るとそれは、‘入浴剤好きの為の入浴剤好きにおける入浴剤についてのサイト”の関連サイトのようだった。

「コレも入浴剤だ!」
画面には、赤色で書かれた怪しげな《面白グッズ》と言う文字がうつし出されていたが、その下に書かれているお風呂グッズについての記事に霊男の目は釘付けになってしまう。
どうやら、通販サイトのようだ。たくさんの写真の下に、値段と家に届くまでの日にちが書いてある。
「なに何?なんの入浴剤かはあけてからのお楽しみ??おもしろい!」
霊男はさっそく注文した。


四日後。
宅配便で、注文した入浴剤が来た。
「料金はコンビニ払いにしてるから明日の通勤途中でもいいよな♪」
ウキウキしながら湯船に湯を張る。
「よし!!ご対面~~!!」
霊男は箱をあけ、入浴剤を取り出した。
真っ赤な色をした塊。臭いは、嗅いだ事はあるような気がするのだが、何の臭いなのか思い出せない。
「?・・・いれたらわかるかな?」
塊を湯に落とす。
シュワシュワと音がして、湯船が赤く染まっていく。
が、霊男は疑問に思った。思ったよりも色が濃くない。元の色があれだけ濃かったのに、と不思議に思いながらも、準備を始める。
なにせ、疲れている。今日も事務で走り回っていたのだし・・・。
「そういえば、パソコンつけっぱだった!」
ふと思い出したが、あがってからでいいや、といそいそと体を洗い始める。

「ふう~」
湯船につかった。
霊男の入った分だけの水が溢れて出て行く。

しばらくして、霊男は違和感をおぼえた。
湯船の色が、どんどん濃くなっている。赤い、赤い、まるで血みたいな・・・・・・。
そう思ったとき、霊男は分かった。
この臭いは、血だ。
「ひぃい!!」
気味悪く、出ようとするのだが体に力が入らない。
貧血になったときと似ている・・・。
「まさか・・・!」
濃くなっていく赤い色。
反対に、血がなくなっていくような感覚。
「まさかまさかまさか・・・!!」
ゆっくりと、視界が狭くなっていく。
自分の手が、細くなっていた。
「これは・・・お・・・れの・・・血・・・?」
そうつぶやくと、霊男は呼吸をしなくなった。

霊男は知らない。
つけっぱなしになった自分のパソコンの画面にうつされた、あのサイトで、
《最近オカルト界で噂になってる入浴剤があるらしいよ!血を吸い取るんだって!!気をつけて!》
という書き込みが散々に罵倒されていたのを。

浴槽には赤い塊と、人間のミイラが出来上がっていた。

百本のろうそく 第四本

百本のろうそく 第四本

怖そうで怖くなくてチョット怖いかも・・・? 第四段。 血の入浴剤は、お好きですか・・・・???

  • 小説
  • 掌編
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-01-16

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted