パラレルワールド~遥か遠くの彼方から~THE LAST STAGE
本編を執筆するにあたって、「パラレルワールド」を舞台とする、「小説修」の原作者には大変感謝しております。原作は、「黄昏computer部」に公開されている自作ゲームと連動させた小説を今回、ゲーム連動全く関係なし(原作者が気に入ればゲームのシナリオになるかも…!?)の二次創作として私が知恵を絞って執筆しました。今回は「パラレルワールド」の一つ前の次元「シリアルワールド」を舞台にして物語を発展させていこうと思います。
第一章「パラレルワールド」
*この物語は、原作とは全く関係ない二次創作物となります。予めご了承ください。*
【人物紹介】
阿達資音(あだちもとね)・・・小学5年生。
パラレル(ぱられる)・・・今回の物語の大黒柱となる存在。
シリアル(しりある)・・・今回のキー(鍵)となる中心人物。
……ここは、パラレルワールド(以下、Pと省略)。
小学5年生の純情な少年は熱心にキーボードを打っている。最近やり始めた「プログラミング」というやつだろうか。そんな少年の名前を阿達資音(以下、Mと省略)と言う。私自身思うのだが小学生にしては随分大人びたことをやっているなと良い意味で感心を示している。
母「モトネ、朝ごはんだよ」
M「(ドドドドド)うん、今行く」
Mは朝ごはんだと母に言われ、階段を足早に駆けて行く。まるで、一歩上の存在かのように…
母「モトネ、朝早くから何やってたの?」
M「プログラミングとパラレル考古学の研究だよ」
母「私の息子にしては、冴えている行動するわね」
M「それ、褒めているの?」
母「さぁ、どうでしょうね」
M君とM君の母がごく日常的な会話をしていた。
母「部屋、掃除しておくからモトネは学校に行きなさい」
M「はーい」
M君はそう告げ、学校に行った。
× × ×
学校から帰宅して、うがい手洗いした後M君はパソコンを起動させた。
M「(ピラリラリラ)何だろう、この不明なファイルは?」
M君がそう首を傾げ、画面を消そうとした。
……だが、画面が消えない。これは一般的に考えれば「フリーズ」または「バグ」と言い表すだろう。しかし、この状況の原因が「フリーズ」でも「バグ」でも無いことはM君には一目見て分かっていたのだった。だから、あえてパソコンに不要な手を加えなかったのだろう。M君は早急に措置を行うべく「原因不明解消」というファイルがあったので開き、利用規約には「シリアルへ転換」と書いてあり、M君にはバージョンを一回り古くして新バージョンを一旦アンインストールし、一定の時間が過ぎたらまたインストールしようと考え、「同意」にクリックした。
M「(パラレル、パラレル、シリアル、フュパーン)え、何だ、何だ」
M君は分からなかった。今のこの状況に…M君にも分からないのだから、神以外はパラレルワールドで知る者はそういないだろう。
M「私はパラレル。君にシリアルを救って、パラレルワールドを救ってほしい?何だ、これは」
M君は意味が分からなかった。M君はパソコンの否定ボタンを押すこともできぬまま、そのまま神秘の光に呑まれて、そのまま…
第二章「旧バージョン」
【設定の確認】
何だかのドラブルに巻き込まれたM君は、謎の送り人「パラレル」から「シリアルワールドを救ってほしい」という一通のメールが届き、否定の選択肢のないまま謎の神秘の光に呑まれてしまった。
異次元空間・パラレルワールドとは別の次元空間。
M「こ、ここはどこだ」
M君が見渡す限り、近代的な建物は立ち並んでいるものの、近代的な会話も技術も発達していない。いわば「発展途上国」、いや少しだけ違う。「発展途上異次元空間」。「プログラミング」と言う技術はあるが、自作ゲームなどは最先端の技術と称され、ごく一部の研究員しかできないのである。
メイド「あなたがアダチモトネ君?」
洋風メイドがそう尋ねると、M君は
M「はい、そうですけど」
メイド「なら、良かった。ではこれから宮殿にご案内します」
……と、序盤もなく一気に中盤へ突入してしまった、そんなイメージが今のこの状況にある。
異次元空間・宮殿
メイド「さぁ、着きましたよ」
M「は、はぁ…」
M君は随分お疲れのようだった。これも無理もないことだろう、理由は秒速200㎞の速さでここまで追いついたのだから。
メイド「では、宮殿の中心部にお進みください」
M「はい」
そう促され、M君は仕方なく中央部まで進むことにした。
メイド「着きました」
メイドがそう言うと、確かにそこにはM君より少し大きい、中学2年生くらいに見える。
メイド「お嬢様、お連れしました」
メイドが「お嬢様」と言うのだから大層な令嬢なのだろうと今確信した。
女性「私の名前は、シリアル・バーニング。シリアルワールド全域を支配している女王です」
M「はぁ」
M君は唖然という言葉がお似合いかのような顔をしていた。女性(以下、シリアルなのでSと省略)はスルーして会話を進めた。
S「アダチモトネくん、君にシリアルワールドを救ってほしいの」
Sはさらに話を拡大する。
S「今は、第二次ワールド大戦が起ころうとしているの。今はシリアルだけど、次があるとしたら…」
Sは言葉を濁してしまって、これ以上は聞き取れなかった。
M「僕は別次元から来た者です。それでもよろしいのならば」
M君は当然とも言えるセリフと忠告をSに言い聞かせるようにした。
S「天のお告げというものかしら。夢であなたに似た少年がいたわ、名前をアダチと言ったわ」
SはM君にそう言うと、「では、よろしくお願いします」と言われ、そのまま宮殿を後にした。
× × ×
シリアルワールド・シリアル通りのとある一角
M君は途方に暮れ、通りの一角、一角をずっとさまよっていたとき、ある表札に目が付いた。
M「Adachi研究所?何だ、これは」
M君は半信半疑でそれでも寝床を探しに、扉を叩いた。
M「あの、すみません」
M君がそう言うと、中から同年齢と思われる少年が答えた。
少年「はい」
M「すみません、一晩ご厄介になってもよろしいですか?」
普通なら他人にこんなことは言わない。しかし、何かこの少年とは縁がありそうだった。
少年「あっ」
M「あっ」
二人ともほぼ同時に声を荒げた。
それは、二人にはあまりにも驚きの隠せない事態だったからだ。
第三章「シリアルワールド・ログイン」
【現在の情報】
阿達少年とある少年との驚きを隠せない事実があるという場面。
いたって、シンプルな研究所
M「ぼ、僕と」
少年「顔が、そっくり」
M君と少年が顔を見合わせていると、時計が勢いよく鳴った。
少年「(チリリリリ)あっ、時計。早く止めなくちゃ」
M「……」
時計が鳴っていたので、M君はふと時計を見ると時間は午後9時をまわっていた。
M「もう、こんな遅い時刻」
時間をわざわざ時刻と言うのはさすが大人びたなとつくづく感心しつつも、9時であくびをかいているのはやっぱり年相応なのかなとまで思ってしまう。
少年「じゃ、まずは僕の自己紹介から。僕の名前は阿達勤。アダチ研究所・リーダーを務めています」
男性「リーダー、このシリアル考古学のプログラミングについて」
少年(以後、Tと省略)
T「これは、このアプリケーションを開いて」
男性「ありがとうございます」
T「いえいえ」
上司と部下みたいな感じのセリフをここでは逆を用いているようだ。簡単に言えば、子供が上司で大人が部下みたいな。
Tには負けられないと、M君もプログラミング技術を公表した。
M「実は、僕もプログラミングをやっていて」
そう言うなりTの顔がもの凄く変わった。なんか、輝いているスポーツ少年みたいな感じなオーラーがほんの一瞬、湧き出ていた。
それもほんの一瞬で、それ以降は「リーダー」感のある素晴らしい少年を目立たせるようなそんな面影がM君にも微々たるものだがそこにはあった。
M「僕は、パラレルワールドで小説修や原子記号のゲームなどをプログラミング化しているんだ」
T「いいじゃないか、君をアダチ研究所・副リーダーに任命しよう!」
M「OK、ツトム」
そう肩を取り合うと、さすがに急に疲れが溜まったのか、今日は就寝することにした。
翌日、シリアルワールドは大きな戦乱の真っただ中だった。正確に言えば昨日は中心地の侵略、今日は技術者の奴隷化を目的とした人身売買が行われている最中だった。TとM君は颯爽と逃げ去り、山の中へ隠れこんだ。
T「昨日も話した通り、シリアルワールドは侵略者・ゴーレスによって乗っ取られている。これではゴーレスワールドという悪の世の中になってしまうだろう。そこでだ、君の技術と僕の技術を駆使したプログラミング性能を発揮して立ち向かおうと思う。どうだね、モトネ」
M「いいじゃないか、僕も君の役に立てるなら喜んで!」
T「よし、決まりだな!」
そう言って、Tは作戦を説明した。
……まずは、昨日の会話
「シリアルワールドを救うために」の会議が研究所内で行われ、M君もそれに参加していた。
T「それでは、シリアルワールドを救出するために僕らは対抗しようと思う」
男性「しかし…」
T「戦闘は、本国の国防省の兵隊が行っている。僕たちは、義勇軍を立ち上げて戦おうと思う」
一斉「わぁぁ…!!!賛成!!頑張りましょう、リーダー」
T「おう!!」
……作戦説明
T「僕らは、シリアル考古学に従って武器を作る。君は原子修を使って、性能を発揮してくれ」
M「分かった」
【第二次 ワールド奪還・防衛対戦】
T「行くぜ」
M「OK」
TとM君はシリアル宮殿に向けて、出発すると共に、命を懸けた戦いがこれから幕を開けるのであった。
第四章「シリアル防衛・第二次奪還・防衛対戦Ⅰ」
【あらすじ】
命を懸けた戦いを心に誓う、TとM君。さて、物語はいよいよクライマックスへ!?
……シリアル宮殿
アダチ研究所からは徒歩1時間のそれほど遠くない位置にあるが、ここは都市部で向こうは農村と言ったそんな情景も打って変る。
S「よく来てくれました、モトネ」
M「こちらこそ、シリアルを防衛致します」
T「私も同じです」
S「心強いお方たち、頑張ってください」
そう会話をし、M君たちは早速準備に取り掛かった。
男性「ツトムリーダー、武器調達できました」
軍人「アダチ研究所の義勇軍の諸君、君らを国防軍任意防衛第三警戒班に異動する」
T「了解です」
軍人「ケーサンの班長はアダチツトム。お前がやれ」
T「了解しました。パラレル少佐」
少佐「うむ」
そうパラレル少佐が頷くと、Tたちは準備を再開した。
…パラレル少佐・パラレルワールドを統一した人だ。
そう、未来予知というか歴史を思い出すM君だったが、さすがM君、作業は怠っていないようだった。
━━━━1時間後
M「プログラム兵器が完成したぞ」
T「僕は、核兵器などの有毒な薬品には手を染めず、星全体に優しい兵器作りに重点を置いたよ」
さ、さすが。とM君は思ってしまった。それがM君だけではなく、後に偉大な科学者になるのだから。ツトムはパラレルワールド初期時代に死没を迎えるけれども、そのから時間が過ぎても彼の功績は今の科学者でも叶わぬほどに。
少佐「それでは、敵艦隊へと突入する」
T「了解」
それから、戦場へ向かったツトムは、数々の化学兵器でシリアルワールドを有利な立場へとしていったという。その間M君は、ひたすらP検の勉強をしていた。「少しでも、ツトムに追いつけるように」と。大丈夫、M君、君は素晴らしいプログラミングの技術だ。この技術を以てすればパラレルワールドでも通用する科学者となれるだろう。
軍人「モトネ、ツトムが追い込まれてる。貴官にも出動を命じる」
M「分かりました、中尉」
そうして、M君も戦場の真っただ中に入っていくことになる。
第五章「ラストステージ・第二次奪還・防衛対戦Ⅱ」
阿達資音、普通の小学5年生が戦場の真っただ中へと行くことに想像できるだろうか。パラレルワールドから300万光年先にある「地球」と言う惑星の「日本」と言う国には昔、「第二次世界大戦」が行われた。その被害者は30万人以上を上ったという。今、M君はそれとは少し違えど戦場にいるのは変わらない事実だ。「既成事実」ではない、真実で、真実で、真実なのだ。
……シリアルワールド・シリアル特別警戒特区
少佐「どんどん兵器を投入しろ」
兵隊「了解です、少佐」
中尉「お前らもやらんか」
兵隊「イエッサー」
T「俺らも行くぞ」
M「うん」
ここは、シリアルワールドの宮殿に近い場所の特別警戒特区に指定されている場所。一般市民は全員、死人を除いては……無事避難している。100%の確率ではない。情報とは日々変わっていくものだ。少なくとも、戦場にいる兵隊含めた全員がそう確信していたに違いない。
M「プログラミング発動、大量化学兵器!」
T「れぐれも環境には配慮しろ」
アダチツトム博士の名言「人間とは、自然と運命共同体となって生活している」その言葉は今でもパラレルワールド全域に知らない人はいないくらい、偉人の言葉とされてきた。
敵兵「FACK YOU!」
敵兵が挑発をしてくる。M君たちは全く動じず、ただ兵器で殺戮していくのみ。
……シリアルワールド・国防軍本部
少佐「これより、第二次奪還・防衛対戦を我々の勝利として閉幕する。諸君、大変ご苦労であった」
M「(パチパチパチ)少佐、万歳!」
全員「万歳!」
中尉「次は、シリアルワールドのシリアル様よりお言葉を頂きます」
S「皆様、大変お疲れ様でした。私より大変感謝しております。ここで重大発表です。私は病弱であり、子孫はいません。少佐、あなたをシリアルワールドの支配者とします。これからは私の代わりに大いに奮闘してください」
重大発表があった後、少佐は否定と肯定と返した。
少佐「私は支配者に相応しくありません。いずれは、シリアルのさらに頂点を目指す。本日付より、シリアルワールド改めパラレルワールドとします。しかし、まだ困難があるでしょう。ですから、まだ先はシリアル様に権限を任せます」
……宮殿
少佐「M君、ツトム君、ありがとう。ツトム君を国防軍少尉に任命する。M君はどうするかい?」
M「僕は時代を手助けする者ですから。遥か遠くから見守ります」
少佐「そうか、では達者でな」
M「はい」
そう言って、M君は宮殿を後にした。
……次元の狭間
M「ここから戻れるんだね、それではワープ」
次元を遡った。M君の今後の生き方はどうなるのだろうか。
最終章「再び、パラレルワールドへ」
次元ワープ……
……パラレルワールド・モトネの部屋
M「ここは?」
母「モトネ、ごはんよ」
M「うん」
これは、夢だったのだろうか。それが夢ではないことが後の考古学の書籍に載っていた。
「謎の少年、モトネ。シリアル救う」
そして、少佐は結婚し、現在の王女の親の親を生み、子孫繁栄させパラレルワールドはさらなる発展を見せた。
周りから見れば、ひと夏の冒険だったにすぎない。だが、自分自身は歴史を変えたという喜びに満ち溢れていた。
この少年は、この体験をゲーム作りに生かそうと、日々頑張っている。ツトムに追いつけるように教育用アプリまで作り貢献している。そんな、M君に僕は敬意を示したい。この少年にとって今回の体験は非常にいい思い出として残ってだろう。ううん、それ以上の一生の思い出になるだろう。
「これからも、人間は自然と運命共同体として生活していくんだ、僕はずっと君を見守っているよ。パラレルワールドのさらに先でシリアルワールドのずっと前で……。未来でも過去でも、僕は遥か遠くの彼方から君を応援するさ」
とツトムが言ったように思えた。
M「朝ごはんね、行くよ」
母「いい夢見たの?」
M「うん、その夢の中の人物を遥か遠くから見守るよ」
母「そう、フフフ」
ツトムもモトネも似たもの同士。
M「行ってきます」
母「行ってらっしゃい」
今日は、今年で一番暑い夏だった。
(THE END)~完~
パラレルワールド~遥か遠くの彼方から~THE LAST STAGE
今回は、いい作品ができました。後日別のサイトで公表させて頂きます。