言霊

俺の彼女はいわゆるツンデレだ

俺の彼女はいわゆるツンデレだ。
人前では絶対に甘えた態度を見せようとしない。
だから、一部の奴らは本当は付き合っていないんじゃないかと疑っているらしい。
馬鹿な奴らだ。二人っきりになると彼女は俺のことを「ゆうぴょん」と呼ぶし、俺も「はるぴょん」と呼ぶ。
「恥ずかしいから絶対他の人に言わないでね、ゆうぴょん」と言われているが、ここまで疑われるといいかげん周りに言いふらしたくもなる。しかし、いざ言おうと思うと恥ずかしがるはるぴょんのカワイイ顔を思い出して何も言えなくなってしまうのだ。
普段が素っ気ないぶん、二人っきりのときに「ゆうぴょん」と呼ばれるのは格別だ。なんでも言うことを聞いてやろうという気持ちになる。
「ごはんつくって、ゆうぴょん」
「これ買って、ゆうぴょん」
「あれちょうだい、ゆうぴょん」
「あいつ嫌いだからなんとかして、ゆうぴょん」
「お金ちょうだい、ゆうぴょん」
ゆうぴょん、なんて絶対に人前では言わないくせに。かわいいやつだなあ。

俺の彼女はいわゆるツンデレだ。



++超能力者++
白樺はるか
ESP:自分しか知らないあだ名をつけることで、対象を操る

言霊

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1分で読めます。「話の中に必ず超能力者がひとりは出てくる」というしばりで掌編の連作を執筆中。 超能力者の名前と能力が必ず最後に記載されてますので、答え合わせ感覚で読んでいただければ幸いです。

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更新日
登録日
2014-09-18

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