僕がかりに死ぬなら…

仮に 僕が死んだら…

20○○年の夏…
クラスのやつの一言が原因だった

僕は 座高がずば抜けて高く
体格もガッチリしてたせいで
黒板が見えなかったらしい

ただ それだけだった

なのに クラスのやつらは
僕を遠回しに大声でいじりはじめた
悪口を授業中に…
もちろん最初は 悪口で済んだが
それは 次第にエスカレートしていった

いじめに近いもの…といえば
わかりやすいと思う

彼らにとって それは単なる暇つぶしでしかない


だが…僕にとっては…



そのクラスのやつらは 前にも
違う子に 僕と同じようなことをして
その子は ついに不登校になってしまった

その子のいじりはじめた理由は
ただ、先生に当てられて答えを
間違えただけ…

そんなこと 学校なんだから
当たり前だが、何故かクラスのやつらは
大声をあげて、笑ったのだった

何も悪くない



僕はふと 考えてしまう

あの高さなら 確実に死ねる
あの刃物なら 刺されると痛いのだろうか

そして 僕が死んだらクラスのやつらは
後悔なんてするだろうか

見て見ぬ振りをしてたやつらは
反省するだろうか

友達と呼んでいる連中は
僕のために泣いてくれるだろうか

僕は死なないと
クラスのやつらは、わからないのか?

僕は…

僕がかりに死ぬなら…

僕にとっては… 青春ってなんだろう
楽しいかわからない

ただ 一人ぼっちより楽しいことはない

僕がかりに死ぬなら…

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-01-15

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