それでもやっぱり・・・・あなたのことが好きです

もう付き合い始めて2年・・・・・。
長いのかもしれないし短いのかもしれない。

出会いは友達からの紹介だった。

でもあなたのことを知れば知るほどどんどん
はまり込んでいった。

そして高校3年生のときに告白した。
「世界で1番あなたのことを愛してます」

そういった時のあなたの顔は一生忘れられない。
あんな風に嬉しそうで、でも涙が止まらない。

幸せいっぱいのあなたを目の前にして
「一生この人の隣を歩いて行こう」
そう思ったんだ。

付き合ってみたはいいけど
お互いに学校の部活が忙しくて
なかなか時間を取れなかった。

「なかなか会えなくてごめん」
この言葉はもう口癖になってた。

それでもあなたは
「好き」ってよく言ってくれてたよね。

そうしてるうちに半年が過ぎた。

あなたは本当に今考えると
あの時を充実したものに
しようって本気で考えてくれてたんだよね。

部活も引退し、勉強に打ち込んだ。

そんな中決まった推薦での大学の合格。

故郷の九州から関東への旅立ちが決まった
瞬間でもあった。

それでもあなたは自分のことのように喜んでくれてたよね。

そう、だから2年目はほとんどが遠距離恋愛・・・・。

最初は上手くいくかなって思えてたけど
すれ違いの数が少しずつ多くなってて

大学で部活をやってる俺も

高校で部活をやってるあなたも

自分のことで精一杯だったんだ。

春の花見も、夏の花火も、秋の紅葉も、
冬のクリスマスも

あなたと過ごしたかった。
「近くにいたらいいのに・・・」
何度思ったかわからない。

その中であなたからの浮気の
告白。

意地っ張りな俺は
「別に・・・・まあいいんじゃない?」

とか言ってうやむやにしてたっけ。

そのころから
メールする回数が徐々に
減った。

「どうせあいつも浮気してんだし」
そう思って何人の人を抱いたかな?

そうやって月日が流れて行って
あなたは大学受験を迎えた。

「関東の大学に行くから」
そういったとき正直うれしかった。

でも「そっか^^」とかしか言ってなかったな俺。

受験勉強の日々ただただ
「頑張れ」としか言ってあげられなかった。

受験日の前日会いに行って
「がんばれ!」
とかしか言ってあげれなかったな。

でもあなたは頑張って受かったね。
第2志望校だったけど、関東の大学に!

一人暮らしするって言ったとき、
「俺の大学の近くにしてよ」
とか笑いながら話した。

このときはまたメールもよくするようになってた。
これからあんなことになるなんて考えてもみなかった。

4月。

実家を出て生活をするってことに
慣れてないあなたは俺を頼ってたよね。

俺の部活のほうが新入生を
入れないといけない時期で
とてもあなたに時間を割けなかった。

「ごめん。今忙しいから」
何回あなたからの電話を無視したかな?
適当にあしらったかな??

もう一日に何通かしかメール送ってなかった。

そして迎えた5月。

どちらも付き合っているとは
とても言える関係ではなかった。

メールも電話もほんとに数えるくらいしかしてなかった。

そしてあなたから
「好きな人ができたかもしんない」

ショックだった。

それから一度会って

たくさん話して

あなたはいっぱい泣いて。

でも俺にしてやれることなんか
あの時何もなかった。

それに俺は慢心してたんだ。

あなたに惚れる男なんて
いるわけないって。

人は無くしてから

その無くしたものの価値を

知るっていうけど

まさにその通りだった。

別れてから

他の女を抱いた。

喧嘩した。

酒にも逃げた。

部活に没頭しようとしたけど
そんな状態じゃ戦績も上がらず
部活も嫌になった。

いろんなことをした。

でも忘れられなかった。

後悔だけが頭から離れなかった。

なんでもっと「好き」って言ってあげなかったんだろう。

なんでもっと時間を作らなかったんだろう。

そんな半年が過ぎて行った。

大会の期間中にあなたからメールが届いた。

「久しぶり。
今さらなんだよって感じだよね??」

正直このとき違う女の子から告白されている最中だった。

うれしいのかよくわかんなくなった。

またあの経験をするんじゃないか?
そう思いもした。

だけどとりあえずメールを返した。
「久しぶり。元気だった?」

このままメル友としてやっていくつもりだと
最初は思ってた。

ただ、大会が終わって一息ついたところで

「来週の水曜日会えない??」
とメールが来た。

今さら何を話すのか気になった。

「どうせ言い訳聞かされるんだろうな」
そんな気分で行った。

でも聞かされたのは、
言い訳でもなんでもなかった。

ただ「ごめんなさい」と
謝るあなたを見て思った。

「俺やっぱりあなたが好きだ・・・・」
改めて思った。

そこで色々話して

大変な思いをしてきたことを知った。

「好き」と思ったけど、友達としてなら
上手く接していけると思っていた。

そして駅の改札まで見送りに来てくれたあなた。
「今日は来てくれてありがとう」

「いいよ!」
と返事を返す。

そしてあなたが突然聞いてきた
「今好きな人いるの?」

いるに決まってる。

告白された女の子・・・・
美人の部活の先輩・・・
綺麗な女優さん・・・・・

どれも違う。

目の前に立っている
決して美人でもめちゃかわいい
わけでもない。

でも目の前にいる人が
俺は好きなんだ。

でもいうのが嫌だった。

なんだか恰好悪い気がして・・・。

そこで意地を張って

「え~なんで??そういうお前はどうなんだよ」
と俺は言った。

「私はいるよ」
とあなたは答えた。

まっすぐ俺を見つめながら。

俺は確信した。
まだ、今ならやり直せると。

でも意地っ張りな俺は
「俺もいるかもな~」
とか曖昧なことを言った。

あなたは俺に言わせるまで
いろんな手口であれこれ言ってたな。

駅の改札に来て1時間ぐらいたったとき。

あなたはもうさすがに

「今日もう帰っちゃおうかな~」
って言い始めた。

でもその言葉が俺の心には響いたんだ。

このまま帰したらきっともう会えない。

そんな気がしたんだ。

だから伝えた。

かなり恥ずかしかったけど

でもなにも言わないよりもマシだし

前回の失恋から学んだから

意地を張るのもほどほどに

しないとわからなくなる。

だから俺の気持ちを伝えたんだ。

「世界で一番あなたを愛してます」
あなたを抱きしめながら。

あなたは2年半前よりもずっと大人びた顔で

また嬉しそうに笑ってくれたね。

ほんとに嬉しかった。

もう一度あなたを腕の中で

感じたときもう何もいらない。

そう思った。

実感がなかなか湧かなくて

深夜自分の部屋に戻ってきたとき

急に実感がわいてきて・・・

涙が止まらなくなった。

「もう失いたくない」

心の底から思った。

そして

心に堅く誓った。

「この人を一生大切にしよう」

そんな素敵なあなたに俺は一言言いたい。
「俺の隣に戻ってくれてありがとう」

それでもやっぱり・・・・あなたのことが好きです

それでもやっぱり・・・・あなたのことが好きです

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-01-15

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