醜悪戦争

醜悪戦争

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#1 過去

醜悪戦争。

目の前で。目の前で家族が殺された。大好きだった姉、怖かったけど優しかった父、いつも笑顔だった母。三人の顔が目の前の怪物に飲み込まれていった。
怪物はこちらに大きな口を開けて―――――――



目を醒ました。
夢。俺が子供だった頃の夢。眠りにつくとたまにみるあの頃の記憶。
気分を晴らす為、窓を開けた。
見える景色はかつての記憶を呼び覚ます。
あの時、いつも通り大好きな家族と夕食を食べていると外から大砲を撃ったような音が聞こえ、父が様子を見に行った。
その時だった。
様子を見に行ったはずの父が倒れていた。
何があったのかと聞くと父はうわごとのように、
「逃げろ」
と繰り返しつぶやいていた。
ふと、ドアのほうを見やるとそこには銃のようなものを持った異形の怪物が立っていた。
「あ・・・え?」
唖然としていると自分の背後からもう一体現れた。
後から現れた怪物の手元を見ると、姉と母の首がぶら下がっていた。
「ひっ・・・!!」
目の前で父親の首が刈り取られ、その首を後から来た怪物へ渡した。
怪物は家族の首を受け取るとそれを頭より上へ運び。
口の中に。
入れた。
「う・・・うわあああああああああああああああっっっっっ!!!!」
口を動かすたび姉のものらしき長い髪の毛が出てくる。
それを見ているうちに半端ではない絶望感が襲ってきて、泣き声叫び声すらも出せないようになってしまった。
そして怪物たちはこちらを見ると大きな口をあけて俺を喰おうとした。
だがその瞬間、俺の左腕に衝撃が走り怪物の頭の上に赤黒い穴が開いた。
いつの間にか持っていた拳銃で怪物を撃っていたのだ。
赤、赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤
その赤を見ているうちに、恐怖はどこかへ消え去り家族を殺した怪物に対する憎しみと殺意が体を包んだ。
襲いかかってくる怪物の動きがやけにゆっくりに見える。
あぁ。
こんな。
こんな奴らに。
俺の家族は殺された。
そう小さくつぶやきながら、左手に持った拳銃でもう一体の怪物を撃った。
その後のことはあんまり覚えていない。
ヘリコプターが来て倒れていた俺を乗せ、安全区域まで連れていった。
あれから5年。
俺は―――――――――――
ドアが開く音。
即座に足に装着してあった拳銃をドロウ。
向けると、ドアの裏から友人が出てきた。
「・・・ノックぐらいしろって言ったろ。ユウ」
ユウは俺が此処に来た時、一番最初に話しかけてきた奴だ。最初は話しかけてきても無視するようにしていたが、あきらめずにずっと話しかけてくるから一言、なぜ話しかけてくるのかと聞くとアイツは、
「一人はさびしいでしょ?」
とか言ってきて、言った時の顔があまりにもおかしくて笑ってしまった。
そこから一応「友達」になった。
「ごめんごめん。中から物音がしないからお前のベットの下を探ろうとしに来たんだけど、寝てたのか・・・くそぅ」
「お前が期待してるような物は持ってねぇよ。じゃあ寝るから早く出てけ。」
「いやいやいや。ちょっと待て。今日は朝礼あるんだぞ!?行かなくてどうするんだよ。この間みたいに長官に説教されんぞ?コルァ!!リクゥ!!ってさ」
声真似をして笑うユウを一瞥して、
「・・・めんどくさいなぁ。」
そう言って俺はジャンパーを羽織って部屋を後にした。

醜悪戦争


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醜悪戦争

平和に暮らしていたはずだった。 ある日空からやってきな怪物たち。 怪物たちによって滅亡状態にある人類は、「奴ら」を殺すため、銃を手に取り戦場へ赴く。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • アクション
  • SF
  • 青年向け
更新日
登録日
2014-09-17

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