短編Ⅱ-その後の呟き-
舞って散って。舞って散って。また、会おう。
side精霊と言う僕(野風(仮))
桜と共に散った僕は、
また来年、舞いに来る。
『何時も屋上にいる』
…それは、僕と言う桜の幻影。
ふふ、僕は最後まで冷たかったのかな。
それでも、僕は何年もを掛けて、
キミに伝えたいコトがあるんだ。
―――――…それは、キミに惚れたこと。
恋って、不覚にも辛いんだ。
僕にとっては尚更。
会えない、触れない、素直になれない。
こんなコトを繰り返し。
大好きだから、恐れてしまう。
大好きだから、踏み出せない。
大好きだから、上手く表現出来ない。
だから、
あたたかな春の木洩れ日と共に、
桜が咲いている期間、身体が具現化される、
その日まで。またね、
再度リベンジ、するから、待ってて。
side後輩
野風先輩というのは、私の作った名字。
名前なんか、知らない。
教えてくれなかった。
何故先輩というのかは、恐らく、
私よりは永く生きているから。
―――――――――――…
桜が散った。桜が舞った。
そして、いなくなった。
私をおいて。
…でも、不思議と穏やかなんだ。
野風先輩は、風の様。
触ってくれるのは、春の間だけ。
桜が咲いている時だけ。
桜の守り神か何かかな…?
それならば、来年も触ってくれるよね。
来年こそ、遠慮しないで
沢山話し掛けよう。
そして、距離を縮めよう。
だから、その時まで、またね?
短編Ⅱ-その後の呟き-
何気に書いた一作。
彼ら達はきっと、困難を乗り越えて幸せになるだろう。