マインドシーカー
「マインドシーカー」というカードを開発した
「マインドシーカー」というカードを開発した。このカードは4枚一組になっていて、裏面には4種類の記号が書いてある。
自分の選んだカードの記号を言い当てることが出来るかで、超能力の有無をテストすることができるのだ。ただのカードと馬鹿にするなかれ。特殊な磁場を発生させる素材が使われており、理論上では人間の未知の力を引き出しやすいつくりになっているのだ。テストを繰り返すほど正答率は上がり、およそ50回ほどで必ず言い当てることができるようになる。
いわゆる超能力開発カードである。
「面白い。試してみようじゃないか」所長に呼び出された私はマインドシーカーを4枚、机の上に並べた。所長が記号を唱えカードをめくる。
「やあ、外れだ」「まあはじめのうちはそうですよ。これからです」もう一度所長がカードをめくる。「ううむ、また外れだな」「もう一度」
何度やってもマインドシーカーはその力を発揮しなかった。
「おかしいな」「他の人間にもやらせてみよう。おおい、君」所長が助手の青年に声をかけ、彼も挑戦をしたが結果は同じだった。
「しかし、私が試したときはうまくいったのです」「それはひょっとして君が超能力の持ち主なのではないだろうな?」「まさか…」「まあ、ともかくそれはまだ未完成のようだな」
失意のまま所長室を後にした私は、しかし、万が一…ということも考えていた。その日、帰り道でアタリ付きのガムをひとつ購入し、アタリが出るように念じて封を開けてみた。ハズレであった。
しかし、せっかくの所長テストだというのに、よりにもよって全問不正解というのもひどい話だ。その後の助手の人も同じ成績なんて、私はずいぶんとツキに見離されているようだな。二人とも50問全問不正解とは。
私はハズレ、と書かれた紙切れを道に捨ててガムを噛んだ。
++超能力者++
所長と助手
ESP:念視能力
マインドシーカー
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