竜の祈り人
2人の少女
森に囲まれた小さな村、ヘホナ村。
その村に、ある二-2人の少女が暮らしていた。
「ねぇ!シェルティナ!」
よく通る声と共に、家のドアが数回ノックされた。
シェルティナは読んでいた本を机に置き、イスから立ち上がってドアを開けた。
「ラーサ、どうしたの?」
ドアを開けると、親友のラーサが立っていた。
「シェルティナ!今日は何の日か……わかる?」
ラーサがいたずらっぽい笑みを浮かべながら言った。
「今日?何かあったかしら?……あ、もしかして、お祭り?」
シェルティナが言うとラーサは人差し指をびしっとシェルティナの顔の前に出し、
「あったり~!」
と言った。
そしてポケットから金貨を数枚取りだし、
「父さんから、シェルティナと行ってこいって、小遣いもらったんだ!」
と言い、にっと笑った。
「まぁ、いいの?」
「もっちろん!」
「ありがとう、すぐ準備するわ、少し待ってて。」
星祭り
「あっ、ねえねえ!あそこで何かお菓子売ってるよ、行こうよ!」
祭りの広場へ着くが早いか、ラーサが菓子売りの屋台を見つけシェルティナの肩を叩いた。
「鍛冶屋のアレンさんだ!」
「おう、ラーサとシェルティナじゃないか!」
屋台の主人も2人に気付き手を降った
。
「こんぺいとうだ、買うか?」
「うん!」「ええ!」
2人はそろって頷いた。
「そーいやさ、これって何の祭りなの?」
買ったこんぺいとうをかじりながらラーサがシェルティナに訊いた。
「確か……星のお祭りだったと思うわ。あんまり詳しくは、私も知らないけれど……」
ふーん、と、ラーサ。
「っていうか、もう暗くなってきてない?どうする?帰る?」
ラーサがシェルティナに問いかけた、その時だったーーーーーー
竜の祈り人