『クライムクライム』


プロローグ

「……姉ちゃん」
 俺は姉の遺品を抱きしめた。
 先の尖ったかんざしがキラリと光った気がして、これからやろうとしていることを勇気づけてくれているみたいだった。
 ――ガラガラ
 玄関を開ける音がした。
 俺は慌てて真っ黒なフードを被って、顔全体を隠した。
 またあいつらだ。
 姉に対して祈ってる場合じゃなかったかもしれない。祈ることならどこだって出来るんだから、今する必要はなかったかもしれない。
 鞄に急いで詰め直していく。
「セイジ! 私たちを置いてかないでよ!」
 とミオ=イガラシ。
「セイジ、待ってください。私たちも協力したいです」
 とメア=イガラシ。
 彼女たちは俺の憎む奴の妹たちだ。
 彼女たちは、俺が殺そうとしている相手を知らない。
 だが、無邪気な彼女たちは俺の姉貴を慕っていた。
 それゆえに俺が敵討ちをしようとしている相手のことを言えなかった。
「……ミア、メア。いい加減にしろ。……めいわくだ」
 俺は鞄を抱えて立ち上がった。
 部屋の隅に同じように鞄を抱えて二人は立ち尽くしていた。
 それを横目に俺は玄関を向かった。
 あいつらはまだ、魔法学校の高等科にすら入ってない年齢だ。
 そんなやつらに罪を背負ってほしくない。
 これからするとは復讐なのだ。
 それも、将来有望な……。
「私たちも行く! キース先生にはすでに許可を貰ったわ!」
 あの先生、まだ居るのか。
「何度も何度も頼みました。それでようやく昨日、許可を貰ったんです」
「あの野郎」
 たぶん、あいつは俺が見つけたのを察知したのだ。
 さすが治安を担う魔法学校の先生だ。
 魔法をろくに扱えない俺を強くしてくれた先生だ。
 だからこそ、心配してくれたのかもしれない。
「待ってください」
「キース先生からのお願いでもあるのよ。……よくわかんないけど」
「あいつ」
 俺は苦虫を噛み潰したように歯を食いしばった。
 あいつのお願いは絶対だ。もし断るようなら、この街から出られないかもしれない。
 そのぐらい、あいつは出来る。
 サポート専門のくせに、強力な魔法を使いやがる。
「ねえ、お願い、なんでダメなの!」
「セイジさんと一緒に敵討ちをしたいです」
「それは……」
 あいつは残虐非道な面がある。
 だけど、なによりもあいつはこいつらの兄でもあるのだ・
 それを正面から言えることなんて出来やしない。
「……ミオ、メア」
 俺は振り向かず言った。
「な、なに!?」
「なんですか?」
「話は変わるが兄のことは良いのか?」
 二人はちっちゃい背をパタパタさせて俺の近くまで来たところで、動きを止めた。
「お兄ちゃんのことはいいの!」
 ミオはすぐ否定した。
「もういいのです」
 ミオとメアはある時行方不明になった兄を探していた。
 もし俺に付いて行くなら、それがどうなっても良いのかを問うてみる。
 まあもっとも、俺の目指す先にはそいつが居るんだがな……。
「だって、お前らの大事な兄貴だろ」
「そんなことない!」
「出発しましょう」
 話を打ち切るように二人が俺の前に出る。
 二人は俺を見上げた。真剣な目だった。
 これ以上問いただしても無駄な気がした。
「もし危険な目に遭ったらお前たちだけで帰るんだぞ」
「分かってるわよ」
「はい」
 仕方ない。俺は心の中で溜息を大きくついて、後ろに二人を連れて、玄関を出た。

 章 特急魔法列車

 切符を買ったので、ミオやメアたちのところに戻る前に、もう一度確かめたいことがあった。
「もしミオとメアが襲われたら」
 俺はどうすればいい?
 右手に魔力を集めて、人差し指大のナイフへ物質化する。
 それを指先で握りなおす。
 連れていって、ほんとうに大丈夫だろうか。
「ミオやメアは、あいつの妹だし」
 だけど、もしあいつが兄妹の関係さえ見境なく殺す屑だったら?
「ミオやメアの命なんかしらねーよ」
 ナイフを持つ手に力を込める。
 俺はナイフを魔力に戻して走った。
 ミオとメアが気になったのだ。
 すると、二人はだれかを探しているようだった。
 メアの方が俺に気付いて手を振る。
 ミオの方はというと、それでもやめようとしなかった。俺以外の誰かであろうか。
 もしかしたら、カイトか!?
「ミオ! メア! なにかあったのか! カイトが見つかったのか!」
 俺はメアの肩を掴んだ。
 メアはビクッとして、顔を下に向かせる。
「あう……ち、ちがいます」
「あ、ごめ」
「メア、ずるい!」
 ミオが俺とメアの間に割って入る。
 いろいろ聞きたいことがあるが、
「ミオ、どうかしたのか?」
「セイジさん、どうしてここでカイトお兄ちゃんのことが出てきましたの……」
 メアは困惑した様子で下を向く。
 しまった、勢い余ってしゃべるすぎたかもしれない。
 それでも俺はミオの両肩を持って問い詰めることにした。
「なあ、ミオ」
「あうう……落ち着いてよセイジ」
「たのむ、なにがあったか、教えてくれ。お前らのことが心配なんだ」
「……見たのよ」
 カイトを見たのか?
「あんたのお姉ちゃん、ユウキお姉ちゃんのことを!」
「え?」
 ミオは顔を真っ赤にさせて怒っている。
 しまった、乱暴なことをしたかもしれない。
 俺はすぐに手を離した。
「見間違いじゃないのか?」
「……最初、そう思ったのです。だけど、あのお姉ちゃんは私たち二人を見て手を振って」
 メアは肩を抱くようにして言った。若干震えている。
「すぐ追いかけたけど、見失っちゃった」
 一方ミオは悔しそうに拳を握った。
「姉ちゃん!」
 感極まって、口から言葉がこぼれでる。
「生きているはずないだろ……目の前に死んだのを見たじゃないか」
 拳に魔力がみなぎる。
 犯人はカイトだ。
 こういうことをするのはカイトしかない。
 カイトは俺に対して決着つけようとしてるんだ。
 俺は空を仰ぎ見た。
 空は青色が消え、灰色に溢れ始めていた。
 どんよりとした雲が、姉の亡霊との出会いを憂鬱にしてくる。
 カイトは死霊使いだ。
「セイジさん……」
「それどこで見かけた?」
「あっちよ」
 俺はミオが指差した先に目を向けた。
 そこへ一瞬、黒髪の白いドレスを着た女性が奥へ消えて行った。
「あっ、セイジさん!」
 俺は振り返らず、
「ちょっとそこで待っててくれ」
 誘われている。
 目の端に一瞬だけ映るように、なんども同じような姿が見られた。
 罠だと知りながら、それでも、俺は追いかけざるを得なかった。
 解放されることのない姉ちゃんの代わりに、俺が怒りをぶつけようと、そう決めた。
 絶対に許さない。
 追いかけているうちに、俺はいつの間にか人が居ない路地に入っていた。
 俺は両手に魔力を込めて、人差し指大の小型ナイフをたくさん物質化する。
 推進力も魔力。
 それゆえ消費は激しいが、多人数相手におおいに戦えるようになった。
 四大元素を使いこなせない俺の一族には、この方法が一番なのだ。
 父さんは爪楊枝、母さんは出刃包丁、姉ちゃんも包丁。あれ、うちのばあちゃんもそういえば包丁だったな。うちの代々の女はなんで包丁にこだわるのか……。
 行き止まりの路地の先に、姉ちゃんの亡霊が背中を見せている。
 首にはうっすらと鎖が絡んでいて、すごく痛々しかった。
 ドレスはところどころ血に汚れているが、雪のような真っ白い部分もあった。
「うぎゃぎゅいいい」
 姉ちゃんの悲鳴。
 そして姉ちゃんは振り返る。
 目のあたりは黒い空洞になっていて、表情は分からない。
 姉ちゃんが右手を挙げた瞬間、俺の周囲に複数の亡霊が現れる。
 そして姉ちゃんは消えた!
「姉ちゃん!」
 襲いかかってくる亡霊たちからカイトを見かけないか必死に目を凝らしたが。
 居ない!
 死霊使いは必ず近くに居るはずなんだが、なんとも亡霊が多すぎた。
 俺に近づいてきた亡霊たちに手から生やすように出したナイフの刃を当てて、切り裂く。
 5、6体の亡霊が悲鳴とともに消えていく。
 すかさず、手を閉じながらナイフを放った。
 貫通するものもあれば、そのまま消えていくナイフもある。
 だいたい一体に3本やれば十分らしい。
 しかしいかんせん亡霊の数が多すぎる。
 俺はじりじりと後退させられ、壁際に移動させられ始めた。
「くっ!」
 あれを使うか?
 ナイフの形状と推進力を調整すれば、一気に葬り去れる。
 しかし、カイトの力がどのくらいか分からない今は、それはうかつすぎる。
 もしカイトを見つけられず、無駄撃ちした場合、敗北だ。
 いや、使う必要ない。
 まだ、いける!
 俺は亡霊たちに体をつっこませて、一気に掘り進んだ。
 慎重な戦い方から一転、積極的なスタイルに変わって亡霊たちに動揺が走る。
 それから俺は一気に奴らを串刺しにした。
 残るは一体――
 亡霊とて、生前の意思は若干残る。
 その最後の亡霊はじりじりと体を後退させて、ふっと消えた。
 と同時に、カイトの脆弱な気配も消えた。
「ふぅ……」
 体がぐったりする。
 俺はそのまま路面に座り込んだ。
「セイジ!」
「セイジさん!」
 俺がぐったりと下を向いて路面を見ているところに、ミオとメアの声が聞こえてきた。
「だ、大丈夫ですか? どういうことなのですか?」
「ちょっとセイジ、話しなさいよ!」
 二人は俺の体に魔力を当てていく。
 ちょ……眠くなる!
「セイジ!」
 ミオは俺に回復を施しながら、俺を揺さぶった。
 俺の追っている奴と、カイトのことか。
 もう隠していられないな……。
 俺は気を振り絞って立ち上がり、二人を抱えた。
「「ふえっ」」
 二人がびくっと反応する。
「列車に乗ってからだ。カイトのことはそこで話す」
「ちゃんと話してよ!」「お願いしますね」
 俺たちは急いで駅へ向かった。
 俺はフードをぎゅっと被り、顔を隠す。
 頭のあの傷がドクドクと反応している。カイトに傷つけられた、あの傷が。

 車両の飛び乗った俺たちは、すぐに指定の席へ向かった。
 人はまばらで、結構空いていた。
 俺たちは席へ体をドカッと置いた。
 俺たち三人は息が若干切れている。
 カイトは同じ列車に今乗っているに違いない。
 これなら逃げられないはずだ。
 カイトの国外逃亡を阻止し、必ず仇を討とうと心に誓い、とりあえず俺は鞄から弁当を取り出した。
 まずは腹ごしらえ。食べてる時にカイトのしたことをミオとメアに言おう。
 ミオとメアは向かいの座席で仲よさそうに話し合ったあと、弁当箱を差し出してきた。
「へ?」
「食べてよセイジ! あたしが作ったんだよ」
「私たちはセイジさんの弁当を食べます」
「あっ、こら」
 答えを聞かずに奪い取られて、俺は固まった。
 固まった原因は弁当を取られたことではない。
 二つ貰って嬉しいのは確かだ。
 問題は、メアの手作り弁当だ。
 ミオは問題ない。いつもおすそ分けで貰ったミオの料理は残したことない。
 問題なのは、メアの方だ。
 ああ、悪夢がよみがえる。
 俺は横の開いている座席にそれぞれの弁当を置く。
「食べて食べて、美味しいよ」
 ああ、わかってる。
「美味しいですよ?」
 疑問形やめてー。
 俺はまずミオの方の弁当を開けることにした。
「ミオ、いつもありがとう」
「えへへ、どういたしまして」
 メアの方を開けてみた。
「メア」
「はい、なんですか?」
「ありがとうな」
「あ、はい!」
 美味しい物から食べるか、まずいものから食べるか、それが問題だ。
 俺は意を決して、メアの方に箸をつけた。
 ミオ、すまん。そんな残念そうな顔をしないでくれ。
 メア、ありがとう。感謝するけど正直つらい。
 俺のその卵焼きを口に放りこむ。
「…………」
 どうしてメアの料理はこんなに味がしないのだろう。
 カイトにやられた時の、口の中に砂が入ってしまったあの味と似ている。
 でも、メアの笑顔が好きなんだ……。覚悟を決めろ!
 覚悟を決めて、すぐにミオの卵焼きを口に突っ込んだ。
 旨い。
 口の中に、甘さと出汁の美味しさがほどよく広がっていく。
「旨いなあ」
「そうですか。やりましたお姉ちゃん」
「あ、いや。美味しいよ」
「ちょっと味が足りないのよね」
 ちょっとどころじゃないだろ。と口に出かかる。
「嬉しいです。前よりちょっと濃いめにしたかいがありました」
「どんだけ繊細な舌なんだよ」
「え?」
「あ、ああ。次はもうちょっと濃くしてくれ。美味いから」
「良かったねメア」
「はい、ありがとうございます」
 姉妹でなぜここまで差が出たのか。
 俺はそれ以上なにも言わずに、口の中へほどよく交互に入れながら、カイトの凶行を話した。

 両親が戦死して、姉が俺を養うようになってから。
 その頃から姉ちゃんは美人だったなー。
 こらっ、ミオ、フォークを突き刺すな。
 別に姉ちゃんの自慢をしたいわけじゃないって。
 イガラシ家の家族付き合いはそれ以前の話だったかな。
 あの頃から、カイトの俺たち一家を見る目がやばかったんだぜ。
 え、分からない?
 そりゃあ、カイトは妹思いの奴だったからな。
 その頃から、姉ちゃんとカイト、俺とカイトはぎくしゃくし始めていたな。
 まあでも、そのギクシャクはまだ近所付き合いでの範疇だ。
 姉ちゃんはその頃から学校でトップクラス。
 カイトも同じようにその学校へ入学した。
 その後、学校でなにがあったのか分からない。
 ただ途中でカイトが完全にあちら側にいってしまい、ついに学校に現れなくなってしまった。
 その頃から奇怪な事件があちこちで起きたんだ。
 そして俺もようやく学校へ入学して、姉ちゃんとカイトが卒業するころ、事件が起きた。
 お前ら二人が別の国へ行っていた時だ。
 姉ちゃんがボロボロになって、俺の寮の部屋へ駆けこんできた。
 案の定、寮では騒ぎが起こっていて。
 悲鳴が聞こえたあと、外は静まり返っていた。
 姉ちゃんはなにも言わず、武器の包丁をいつか構えるのみ。
 玄関に現れたのは、血だらけになったカイトだった。
 俺はそれを見た瞬間、手と足が震えた。
 格が違う。
 カイトは上半分がどっかに行った折れた杖を構えて、同級生の亡霊を召喚する。
 そこに、姉ちゃんは包丁をいくつか放り投げて、亡霊を殺す。
 が、物量で押し切られて首を締め上げられる姉ちゃん。
 その時小さな声で俺の名前をつぶやいたのを今も忘れない。
 最後に力を振り絞って投げたいくつかの包丁のうち、一つが、カイトの左耳を切り裂く。
 カイトの絶叫。
 姉ちゃんは首や手足を力なく垂らしていた。
 俺はそのとき死にもの狂いでナイフを投げたが、どうにもできず。
 カイト自身に首を絞められて、必死に抵抗して切り裂いたのがカイトの右耳。
 だが、カイトは途中でやめて、逃げるように窓へ消えて代わりに現れたのが、キース先生と武装集団。
 俺だけ奇跡的に一命を取り留めたらしい。

 俺は窓に線を引く雨粒を横目に見ながら言い切った。
 ミオは体全体を震わせ、メアは目を白黒させながら、俺を睨んでいた。
「あ、あのな」
「どうして話してくれなかったの?」
「それは……」
「お兄ちゃんのことで怒ってるわけじゃないの。キース先生も、なんで話してくれなかったのよ」
「お兄ちゃん」
 メアは半分折れた魔法の杖を取り出した。カイトのものだ。
「お兄ちゃんも、この電車にいるのよね?」
 ミオは立ち上がった。通路を出ていこうとしたので、俺は止めようと、
 しかしミオは手を振り払った。
「セイジなんか大っ嫌い。近づかないでよ!」
 ミオはそのまま通路の奥へ消えて行った。
「!?」
 俺は後ろへ振り返った。
 さっきのは視線。
 もしかしてカイトは同じ車両にいるのか?
 俺は慌てて車両を見回した。
 しかし、それらしき人物はいない。裂いた両耳を持った人物はいない。
 ミオが心配だ。
「ミオ!」
「待ってください」
 俺はミオを追いかけようとしたところで、メアに服を掴まれた。
「メア、すまん。ミオを追いかけないと」
「……お姉ちゃんは大丈夫です。どうせ隣の車両にいるでしょうから」
 ミオはそういって、俺を力任せに座席に引っ張り込む。
 そうは言ったって、ミオを追いかけないと、ミオが心配だ。
「それよりもセイジさん。……どうしてフードで顔を隠すようになったんですか?」
 俺は全身が硬直するのを感じた。
「話さないとダメか?」
「話ください。セイジさんとお兄ちゃんのこと、もっと知りたいのです」
 俺は観念して、メアの前の座席に座った。
 俺はおもむろにフードを取った。
「はう」
 鏡で何度も見た。じゅくじゅくに脈動する頭皮。禿げではない。
 首絞められているときに、頭を引っ掻かかれて出来た傷だ。
 その傷は、脈動していて、腐った感じがしていて、それが時間を追うごとに広がっているようだった。
 キース先生曰く、呪い、らしい。
 メアの眼から涙があふれてきて。俺の頭を触ろうと手を伸ばしてきた。
 俺は慌ててフードを被り、その手をどかす。
「……それも、お兄ちゃんがやったことですか?」
「ああ」
 俺は拳をぐっと握った。
 俺は、こんなにも兄を想う姉妹の目の前で、カイトを殺せるだろうか。
 でも、お姉ちゃんの仇、を取りたい。
「うう、お兄ちゃん、どうして」
 う……こんな時に眠気が。
 背もたれに体重を預けてしまう。
 ミオとメアと話をしている場合じゃなかった。
 真っ先に行動すべきだった。
 意識が朦朧としはじめて、メアがなにを言っているか聞き取れない。
 ミオが顔を覗かせる。
 ミオ、戻ってきたのか。安心した。
 安心感が、俺を襲う。眠い、とにかく眠い。
 このままではまずい、二人を、守らないと。
 頭をわしゃわしゃと二つの手で撫でられる感覚が。

 血の匂いを感じて俺は叫んだ。
「ミオ、メア!」
 立ち上がろうとして、両腕がミオとメアに挟まれていることに気付く。
「良かった……無事で」
 俺はハッとして視線を上げた。
 真上には亡霊が居る。
 しかし、亡霊は透明な壁に阻まれていて、俺たちに攻撃することは出来ないようだった。
 これは、ミオとメアの防壁!?
 あわてて車両を見渡す。
 そこには凄惨な死体が転がっていて、生きている人間はどこにもなかった。
 ミオとメアを起こさなくては。
 てか、両腕に二つの膨らみが……小さい奴と大きな奴。
 どちらがどちかなのは、決して思うまい。
 俺は真上に居る亡霊を警戒しながら、肋骨がごつごつと当たってくるミオの方を揺らした。
「ミオ、起きろ……ミオ」
「んにゃあ」
 キュン、とした。
 そんなことしている場合ではなく。
「ミオ、おい」
 おもいっきりミオを前後に揺らした。
「んーにゃにお?」
 ミオは寝ぼけ眼を手でこすりながら周囲と真上を見た。
「な、なによこれえええええええええ」
 その間にも透明な防壁がバチバチと火花を散らす。
「メア、おい、起きてくれ」
 今度はクッションが邪魔してメアを押し切れない。なにも言うまい。
 俺はただ揺すった。
「ん? ……なんですかあ?」
 メアは目を開けて、周囲を見回し絶句した。
「お兄ちゃん……」
「お前ら二人は後ろに隠れてろ」
 ミオとメアの防壁がもうもちそうにない。
 一気に片を付けなくては。
「待って!」
「なんだよ!」
「よくみて、亡霊はセイジしか狙ってないわ」
「お兄ちゃん……どうして」
 ならば話が早い。
 俺はナイフを両手それぞれに三本つくりだした。
「待って!」
「待ってください」
 背中をミオとメアに引っ張られる。
「お兄ちゃんを止めて「ください」」
 迷うことなんてないはずだ。
「……考えておく」
 嘘をついた。
 今でもカイトを許せないのだ。
 その気持ちを失いたくない。でも……。
 防壁が点滅し始める。
 一瞬、大きな破裂音がしたと思うと、亡霊が襲いかかってきた。
 俺は体をひねって亡霊の手をかわして、横から切り裂いた。
 亡霊は苦しみつつ、消えて行った。
 俺はミオとメアの方を振り返る。
 ミオとメアは困惑した様子で血に染まった車内を見回している。
「……ついてきて欲しい」
「待って、他に生存者がいるかもしれない」
「お姉ちゃん」
 ミオは白い光の玉をつくり、俺に押し当てた。
 力がみなぎってくる。
 ミオの白魔法だ。
 ミオとメアは代々白魔法の一族。彼女たちはその希少な能力の今学校で磨いている。
 その兄が反転してしまって、重圧がかかったのかもしれない。
「だめだ。一緒についてきてくれ」
 でも、ミオとメアには正面から向き直って欲しい。俺がそんなことを言えるかどうかは分からないけれど。
「確かめたい。私に出来ること」
 メアはそんな様子のミオをじっと見て。
「私からもお願いします。私たちだって、役立ちだちたいのです」
「メア……分かった」
 メアの真っ直ぐな目を見てそう言わざるを得なかった。
 どうせカイトの狙いは俺だけなのだ。
 それなら、もしかしたらいるかもしれない生存者を探してもらうのも良いかもしれない。
「俺は前の車両に行く」
「あたしたちは後ろの車両を見ていきます」
「メア、行くわよ」
「はい、お姉ちゃん」
 ミオとメアは後続のドアの奥へと消えて行った。
 それを確認したあと、俺は両手の指にくっつくようにナイフを五本それぞれ物質化した。
 激しい雨音と、大きく揺れる車両の音。
 それがまるで静寂を生むような感じがして、さらに緊張感が増してきた。
 俺はフードの中の汗をぬぐって、前方の車両へ突き進んだ。

 襲いくる亡霊を、両手で払って殺したり、ナイフを飛ばしたりて殺す。
 それを繰り返してとうとう車掌室まで来てしまった。
「居ないな」
 車掌室には白目向いた車掌が運転していた。
 国外へ着く前に決着つけるため停めようと車掌室を開けようとしたが、強固な結界で覆われていた。
 ぶち壊せなくもないが、これじゃ時間がかかりすぎる。
 それなら、さっさとカイトと決着付けるべきだ。
 俺はそう決心してすぐさま後続の車両にいるミオとメアへ向かって走った。
「ミオ、メア!」
 いくつか車両を抜けていったところで、ミオとメアが血まみれの男に抑えられていた。
 それを見たとき、沸騰するような気持ちが湧いてきた。
 これは、カイトへの怒りと違う!?
「離しなさいよ! 治療したのになにすんのよ!」
「セイジさん、助けて!」
「おっと、近づくな。じゃないと、この嬢ちゃんたち大変だぜ」
 血まみれの男は腕で二人の首を捕えていた。
「すぐさま離せ! ミオとメアに助けてもらったんだろ! なにをする!」
「へ~、ミオとメアって言うんか。こいつは良いぜえ」
「離しなさいよ! こ……ごほっごほっ」
「ごほっ」
 血まみれの男は腕を緩めた。
 こいつ……!
「ちょーど良かったぜ。俺の故郷まで連れて行ってやる」
 ……仕方ない。一瞬で片を付けよう。
 俺は指の一本に極限まで薄めたナイフを物質化し、小指を弾こうとしたところで。
 血まみれの男の首から上がなくなっていた。
 そこから血しぶきが吹きあがって、周囲を真っ赤に染めていく。
「うきゃあああああああああ」
「やあああああああ」
 ミオとメアはそれぞれ反対方向の座席へ離れて行った。
「誰だ!?」
「ボクだよ、セイジくん」
 血しぶきの後ろから出てきたのは、ボロボロに擦り切れた真っ赤なローブの男。
 カイトだった。
「カあああああイトおおおおおお」
 俺がすっ飛んで行こうとしたころ、ミオとメアが双方から飛び出して、カイトに飛びつく。
「……カイト」
「お兄ちゃん!」
「……お兄ちゃん」
「ボクは帰ってきたよ。ミオ、メア」
 カイトは二人の背中を撫でた。
 俺はそれを見て、なぜかムカムカする。
 兄妹の再会は良いお話なのに、なんか釈然としない。
 周囲の凄惨な現場と、三人の状況が、なんかおかしかった。
 なんだかおかしくて、乾いた笑いが口から出てくる。
 どうしてこんなに自分が虚しく見えるんだろう、姉ちゃん。
 俺の方が間違っていたのかな……。
 懐の髪飾りにそっと手を添えて、ぎゅっと握る。
 姉ちゃんの殺された瞬間が脳裏をフラッシュバックした。
 以前のような燃え上がる気持ちが消えて、冷え冷えとした怒りが全身に広がっていった。
「ダメなボクを心配してくれてアリガトウ」
 カイトの声は冷めていて、その言葉が本音から出ているとは信じられそうになかった。
 ミオとメアは、カイトにやっとあえて少し複雑なのか俺の方を見る。
「お兄ちゃん、お姉ちゃんを殺したってのは本当なのですか?」
 メアの声は少し震えていた。
 ミオが下を向く。
「だからこそボクはセイジくんと決着を付けなければならない」
 カイトはそれを無視して俺に折れた杖を向けた。
「ミオ、メア、離れるんだ」
「「お兄ちゃん……」」
 カイトの体から禍々しい黒いオーラが溢れていく・
 ミオとメアはそれに驚いて、カイトの背後へ遠く離れた。
 俺も手にナイフを物質化した。
 こんな奴を、ミオとメアの目の前でやらなければならないのか。
 ミオとメアの目の前で殺したくない。
「さあ、ゆきたまえ!」
 地面から、壁から湧き出る使者の腕を俺は手を振り回したり、身体をずらしてやり過ごしながらカイトに肉薄する。
 勝負は一瞬だ。
 俺はカイトに突き刺すように手を伸ばすと、カイトは先ほど殺した男を差し出した。
 突き刺さるナイフ。
 抜けないなら、捨てるまで。
 うしろから襲いかかる亡霊を、振り向きざまに投げたナイフで仕留めた。
「嬉しいよ。セイジくん」
 俺はすかさずカイトへ向けて複数のナイフを放った。
 カイトは大量の亡霊を目の前に出す。
 それらを貫通したり消滅したりして、カイトの右腕に到達した。
「ぎゃああああああ。痛いよ、痛いよおおお、ミオ、メアああああ」
「お、お兄ちゃん」
 遠くには駆け寄ろうか迷っているミオが見えた。
 それをカイトは血濡れた右腕で制した。
「だ、だいぶ強くなったね嬉しいよセイジくん」
 俺は後ろから気配に気づいて、横に移動する。。
 しかし、少し遅かったのか、右腕が切り裂かれてしまった。
「ちっ」
「セイジさん!」
 カンターでその亡霊を切り裂く。
 俺はすぐさまカイトに駆け寄った。
「これで終わりにしてやる」
 俺は左手に極限に細いナイフを一本集中して作って、カイトの心臓を目標に、投げた。
 その時、カイトの顔が歪んだのに気付いた。
「姉ちゃん!」
 魔力を振り絞って、ナイフを止めるが、間に合わない。
 いつの間にかカイトの目の前には、俺の姉ちゃんの亡霊が立っていた。
 そして姉ちゃんに少し突き刺さる。
 姉ちゃんは声にならない声を泣き叫ぶ。
 姉ちゃんの眼は白眼を剥いてるのに、泣いているように見えた。
 俺は慌てて体を座席にすべり込ませた。
 その後、俺の体が有ったところを包丁が素通りしていく。
「お、お兄ちゃん、どういうこと?」
「お姉ちゃんが……」
「危ないから二人とも下がっててくれ」
 亡霊となった姉ちゃんなら、倒すことなど造作もない。
 だけど、数々の亡霊を切ってきて分かった、あの苦しみを死んだあともなお味あわせたくない。
「ちょっとお兄ちゃん、お姉ちゃんを離してあげて!」
「お兄ちゃん、もうやめてあげてください」
 俺はそっと様子を伺おうと、少し顔を出した。
 姉ちゃんは下に顔を向けて、黙って立っている。
 その奥では、カイトがミオとメアに近づいて、
「二人には協力してもらいたい」
「え? ……うっ!」
「ゴホッ」
 カイトは二人のお腹を殴って、ミオとメアの首に手をかけた。
「カイト! ミオとメアになにしてるんだ!」
「さあ出てこい。今度は本気で対話しよう」
 俺は姉ちゃんのかんざしを握りしめて、決意をした。
 これで姉ちゃんをやろう。
 俺は体を前に出した。そこに姉ちゃんの包丁が間髪入れず飛んでくる。
 俺はそれを交わした。かんざしを二のでの裏に隠しながら。
「よけるな! こいつらがどうなっても知らないのか!」
 首を掴まれた二人が足をばたばたさせていた。
 チャンスは攻撃の瞬間。
「やれ!」
「姉ちゃん!」
 姉ちゃんが複数の包丁を投げた瞬間、かんざしを射出する。
 包丁の合間をすり抜けるようにそれは飛んで行った。
 ミオは思いっきりカイトの手にかみつく。
「ぎゃ」
 俺の方は急所を気を付けてずらして、包丁をしのいだ。
 両足と右腕に数本刺さったが、気にしない。
 俺の魔力を伴ったかんざしは姉ちゃんを貫通する。
 その時姉ちゃんの顔に光が戻った気がした。
 姉ちゃんは消滅。
 かんざしはカイトの右胸に深く突き刺さった。
 カイトは左手をメアの首から離してかんざしを掴んだ。
 俺はそこへ間髪入れずにナイフを射出した。
「があああああああああ」
 カイトは上半身に複数のナイフが突き刺さって、のた打ち回った。
 急所は狙わない。こいつには孤島にある恐怖の刑務所がお似合いだ。
 ミオとメアはすぐさまその場から離れて、俺のうしろにまわった。
「お兄ちゃん……」
「セイジさん! 腕や足が!」
 メアは回復措置を施そうとしているらしい。
 俺はそれを手で制す。
「セイジさん?」
 俺は足をひきずって、カイトに近づいた。
 無論、殺すためではない。
 のた打ち回って消耗したのだろう、カイトはすでに立ち上がる気力がないらしい。
「姉ちゃんの仇はこれでいい。カイト、お前には孤島の地獄が待っている」
「まだだ。っまだ終わらんぞおお」
「きゃあ、足が」
「セイジさん!」
 ミオとメアがカイトの方へと引きずり込まれていく。
 俺は二人の手を取って、引っ張る。
 ぐ、足が猛烈に痛いぜ姉ちゃん。
「お前たちも道連れだああああああああ」
 カイトは全身全霊かけて魔力を出しているのだろう。すでにこの列車は止まっていて、国境に近い森付近に俺たちはいたい。
 くそ、このままじゃあ引きづりこまれてミオとメアが殺されてしまう。
 それなら、俺がやるしかない。
「カイトおおおお」
 俺はあるだけの魔力を物質化し、それを放とうとしたとき、さっきまでのカイトの抵抗はどこかに消えて俺はミオとメアを抱えていたことに気付いた。
 車両全体を、不気味な静寂が訪れる。
「なんだ、この震える威圧感は」
「セイジ!」
「セイジさん!」
 ミオとメアは俺に抱き着きながら、恐る恐るカイトの周辺を見る。
 でも、カイトはその音に気付いていないようで……。
 ――バリン!
 なにかが割れる音。
 その音に驚いて一瞬目を瞑って開けた先には、裂けた空間から飛び出してカイトを掴んでいる大きな腕と、それに乗っている姉ちゃんが立っていた。
 姉ちゃんは此の世とも思えない美しさと笑顔で、俺たちを見下ろしている。
「だ、だずげてぐれえええええええ」
 カイトはなにかを必死に掴んでいて、その大きな腕に引きずり込まれないようにしていた。
 これは、冥府の主?
「いやだああああ。いぎだくなあああああい」
「ボクは、ボクはああああ」
「ミオ、メア。だずげてぐれえええええ」
 俺とミオとメアはハッとして顔を見合わせた。
 姉ちゃんの言葉にならない言葉が一気に伝わってきたのだった。
「ミオ、メア」
 俺はふたりを促した。
 二人は真剣な表情をして、前に一歩出る。
「だ、だずげでぐれるのがあああ?」
「あたしとメアはね」
「セイジさんと一緒にいることにしますね」
「ミオ、メアああああああ」
 必死になにかを掴むカイトは、
「お前ら、そいつのこと嫌いじゃながったのがああああ」
 必死になにかを掴むカイトを、ミオとメアは顔を見合わせて。
「お姉ちゃん」
 ミオはメアのその言葉にうなずき、
「あたし、うそつきだね」
 ミオは大きく息を吸って、カイトの折れた杖の先を取り出し、
「お兄ちゃん、大好き」
 その二人のカイトを見下ろした冷たい目に、俺まで恐怖した。
 二人は一緒に折れた杖を掴む。
 何も言わず、カイトの顔の上まで持ってきて、手を離した。
「やめっろおおおおおお」
 折れた杖がコツンとカイトの顔にぶつかる。
 その瞬間、カイトの顔は一瞬で燃え上がった。
「目がああああああああああ」
 カイトは手を離した。
 姉ちゃんはそれを見て、腕から地面に降り立った。
 姉ちゃんは顔を見せてくれず、俯かせている。
 巨大な手に引きずり込まれている兄を、じっと無表情で見ているミオとメア。
 俺はそっと二人の肩に手を置いた。
 カイトの声は引きずり込まれたあとも、まだ響いている。
 しかし、空間の裂け目が修復されるにつれ、その声は次第に聞こえなくなっていった。
 俺たちはただそれをじっと見ているのみ。
 姉ちゃんは顔を上げることすらせず、うしろを向いた。
 姉ちゃんも消えてしまう!
「姉ちゃん!」
 姉ちゃんは右手をひらひらさせて、光の粒になって消えていった。
 カイトの魔力も途切れたのだろう。
 俺は駆けよろうとするも、二人に抑えられてそれをじっと見ていることしかできなかった。
「セイジさん」
「セイジ、ちょっと胸借りるわよ」
 二人がガバッと俺に顔を埋めた。
 小さな嗚咽が流れる。
 俺も喉がカラカラして、泣きそうな気持ちを抑えて、二人を抱きしめた。
 もうこれで終わったのだ。
 もう復讐は終わりなのだ。
 外から、小鳥のさえずりが聞こえてくる。
 俺たちは長い時間、そのまま気持ちが晴れるまで車両の真ん中で突っ立っていた。

 エピローグ

 この森を抜ければ、もう元の生活に戻れなくなる。
 だが一歩も森の入口から動けないでいた。
 まるで針葉樹林の森が、俺たちを拒んでいる気がしたのだ。
 ここは魔の森。歩いて通り抜けてはいけない。
「ほんとにいっちゃうの?」
 ミオはこちらに顔向けずに言った。
「行っちゃだめです」
 メアも同じように森の奥を見ている。
「だって、帰る場所がないじゃないか」
「「…………」」
 俺が一歩進むと、ミオとメアも一歩進む。
「ミオ、メア」
「セイジ」
 その声色にドキッとして顔を向けると、
 服を引っ張られ、強引に唇と唇を合わされていた。
 次に、そのまま無言でメアにも同じことをされた。
「私たち、一蓮托生です」
「セイジ、逃がさないわよ」
 とくにミオの言葉に俺は苦笑いするしかなかった。
「仕方がない、行くか」
 俺たちはもう一歩、歩みを進めた。
 ――ズボッ
 俺たちは反射的に体勢を低くする。
 魔物か!?
「紙ひこーき!?」
 ミオが木に突き刺さった紙ヒコーキを取り外す。
 俺はそれを見てピンときた。
 キース先生の仕業だ!
「セイジさん、これって」
 メアも気づいたようで。
「ええ!? 私たちを特殊科に!?」
 ミオの悲鳴のような声が森の奥へと響き渡る。
「セイジだけならまだしも、私たちまでなんのよー」
 キース先生は地獄耳だ、気をつけろ。
「帰るぞ」
「はい」
「まったくお兄ちゃん、国境超えてから」
 ミオがぶつぶつなにか言っているが、聞こえない。
 それは、俺たちが帰ろうとしたとたんに森に生き物の声が戻って来たからだった。
 俺はミオとメアの手を掴む。
 これからは一緒だ、と思いを込めて。
 ミオは上機嫌になり、メアは顔を俯かせる。
 姉ちゃん、俺の活躍を見ててくれよ。と祈りながら。
 小鳥のさえずる中、俺たち三人は帰路についた。        (END)

『クライムクライム』

まだまだ課題があるな~。

楽しんでいただけたら嬉しいのですが、はたしてどうでしたでしょうか。

世界観とキャラクター、ほんとどうすれば……まあ愚痴っても仕方ない。

次作はバトルなし、コメディーを目指して書きますが、予定が変更することもございます(笑)

『クライムクライム』

姉を殺された主人公が、仇を討とうというお話です。

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 青春
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-09-15

CC BY
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CC BY