短編-1つの感情。1つの僕物語-

罪なモノだね、僕も空間も。

キミは無実だ。ただ、可哀想なだけ。

―――――――…美味しかったよ、キミのクッキー。


桜が舞った。
だが、
桜は散ってもまた舞う日が来る。


僕達人間は、花の様に
再度、何度も繰り返し
咲いて生ける分けではない。

「悲しいことに。」


一人、屋上で呟く。

放課後の学校は、青春の塊だ。
男女の関係を築く為の
性的な(僕は興味ないけれど)不健全な場所だ。

「まぁ、楽しければ良いか。」


一人、屋上で呟く。


それにしても眠い。
春独特の敵、眠り薬と言う名の
あたたかな木洩れ日が僕を包み込む。



―――――…だが、それも1つの出来事で崩壊する。





「野風先輩」


ホラ、来た。
五月蝿い女。
それでいて、僕にとって、愛しい存在の彼女。
その彼女は、変わり者の僕の元へ、放課後必ず、来る、


「野風先輩は、なんで放課後、屋上に居るんですか?」



それは、キミと二人きりになるためだよ。



「…静かで、落ち着くから。」
「…なるほどー。」


キミの気持ちは判ってるよ。
もう少し、話してよ。だろ?
ムリだよ。これ以上話したら、
本音が出てしまう。


「せーんぱいは、無口ですね、容姿は良いのに。」


横目で僕を窺う。


「あーあ、何時になったら先輩は私と一緒に居てくれるのかなー、」
「…今でも一緒に「違う」
「…甘えられるのは、苦手。」
「知ってるよー」


一言呟き、俯きフェンスに凭れる。


ゴメンね、xxx 。
こんな男で。
最低だけど、赦して。


「あ、この前ねー、野風先輩の為に、クッキー作ったの!」


クッキー…甘い物…、


「ありがとう。xxx の作るモノは、何よりも、一番好き」
「無表情だね。」
「仕方ないじゃないか。僕はこんな顔なんだ。」
「でも、言葉には、感情が籠ってるよね。なんで?」
「…」


言葉が好きだからだ。
…なんて言っても、通じる分けがない。


「言葉より、態度で示してほしいなあ」
「…」
「シたいなあ」
「段階ってモノがあるだろ…。」
「固いなあ」
「…他とすれば良い。」
「え……」
「…」
「なん、っで、そん、な、こと言うの…?」
「別に…眠いから、また後でね。」




「野風先輩は、私のコト、キライですか?」





「…」






「大好きだから、冷たくなるんだ。」




はぁ、








「え?」
「大好きだから、色々考えてしまう。」
「ん」
「大好きだから、僕が言った言葉によって傷付いてほしくない。」
「…」
「大好きだから、二人きりになる。」
「あ…」
「クス....」
「視野を広く、私、もっと、先輩の難しい解読法を学びます!!」
「僕を落とすには、相当な時間が掛かるよ。」
「それでも!!」
「キミの前向きな姿勢、好きだよ。」
「!」







――――――――――…




不器用な恋は、まだ終わらない。
何時までも心の中であり続ける。
そして、今から、恋は終わる。


サヨウナラ


キミは、僕と言う名の精霊と話していたんだ。


不器用な恋は、慎重に
そして何より、不器用な恋には
繊細さが必要なんだ。



ゴメンね、ありがとう。


大好き。


桜が舞った。
だが、
桜は散ってもまた舞う日が来る。


僕達人間は、花の様に
再度、何度も繰り返し
咲いて生ける分けではない。



だからこそ、後悔はしないで生きたい。




「美味しかったよ、キミのクッキー。無責任だけど、本気になる前に、バイバイ。」

短編-1つの感情。1つの僕物語-

このストーリーは、人間ではない、気紛れな精霊の、
些細な感情から始まった土壇場ストーリー。

人はただ、冷たい分けではない。
何らかの事情がある筈だ。

xxx が最近冷たい…、

なーんて思っている方、
あらゆる角度で見ては如何でしょうか?
きっと、面白い事情があるのかも…。
もしくは、これからの関係性を知ることに…。

どちらにしても、早くその理由が
分かると良いですね。

どんな結末が待っていたとしても、
受け入れるコトが大切です。
なかなか受け入れるコトは出来ませんけどね(笑)

tk 初デビューの小説を、最後まで読んで下さいまして、
有難う御座いました!!

短編-1つの感情。1つの僕物語-

これは、僕と言う名の「精霊」の話。 ――――…美味しかったよ、キミのクッキー。無責任だけど、本気になる前に、バイバイ。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-01-15

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