除染廃棄物と技術進歩と人口と
よくぞ、開いてくれました。このタイトル。この概要に興味を持つ人がいるとは思いませんでした。ご期待そえるかは分かりませんが、お楽しみください。なお、素人が思うままに書いているので事実とことなる可能性は高いですのでお気をつけ下さい。
除染廃棄物とは、ほとんどが土である。原発から放出された放射能を持つ物質だけを選択して除去することができないので、地面ごと剥ぎ取るのだ。その量を数字で表すことはしない。あまりにも大きな数というのは実感が湧かないからである。だから代わりに、街中の土を取ることを想像してもらいたい。自分の住む街だけでも、いかにその量が膨大であるかが分かる。
現在、それらは再び拡散しないように袋に詰めたり、シートで覆ったりして各地に保管されている(「保管」と言う言葉よりも「置いてある」が適切な気がする)。
そしてこの度、福島県が除染廃棄物を最終処分するまでの間、保管する中間貯蔵施設の県内建設を容認した(県の決定であって住民たちが全員賛成はしているわけではない)。この中間貯蔵施設は稼動し始めてから30年以内で役目を終えるそうである。
ただ、この30年と言う歳月の算出に根拠はないと言う意見があった。その真偽が知りたいと戯れに『第五回中間貯蔵施設等に関する専門家会 議事録(平成26年5月17日)』をざっと読んでみた。すると、最終処分へ向けてどうするかを8つのステップに分けて説明してあった――興味がある方こちらで読めますのでどうぞ(http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/71260.pdf)――。
内容を簡単に纏めると除染廃棄物の容積を減らす技術を開発し、最終処分地を決定すると言った感じである。なお、技術開発には着手しているらしい……これだけ時が過ぎているのであるから当然だと思う。
技術開発から始めることから考えて30年と言うのは、具体的根拠なしに短過ぎず長過ぎずと言うような基準で決められたのではないかと感じた。
この技術はどうやら放射性物質の濃縮であるようである。そうして、纏めた放射性物質をどう処分するのかの具体案は載っていなかった。
テレビで見たことのある案では、地中深くの岩盤に閉じ込めると言う方法がある。仮にこの方法を採用するとして、しっかりと管理できるのか不安に感じた。全てを想定することは叶わないからである。実際原発事故がそうだ。忘れた頃に高濃度の放射性物質が地中から地上へ想像もしない影響を及ぼさないとも限らない。
話を戻す。とにかく我々の政府は30年あれば、除染廃棄物の問題については技術を開発して解決の目処がつくと判断しているようである。
政府は技術はどんどん進歩すると考えている。それにも関わらず、50年後の人口を1億人に維持する方針であるようだ。私はこれを少々、問題があるのではないかと考えている。
なぜならば、技術は進歩するのである。進歩すれば、人間がやる仕事の量は減るのだ。仕事の量に比べて人口が圧倒的に多いと言うことになるのではないだろうか。
新しい仕事が生まれる可能性はあるだろう。しかし、今ある仕事が減ることはまず間違いないだろう。
例えば近年、自動車業界などが熱心に開発している自動運転システムである。あれで動くタクシーが一般化すれば、タクシードライバーと言う職業は、ほぼ絶滅してしまうことだろう。
そう言うことを考えずに、人口を維持しようとしているのだろうか。それとも、この可能性を無視しても達成したい目標でもあるのだろうか。
目標があるとしてたら何だろうか。私は年金制度の維持くらいしか思いつかなかった。完全な妄想ではあるが、今現在、そしてこれから年金保険料を納めていく人たちが、年金を安心して納めてくれるように「人口を維持します。この維持された人口が将来のあなたがの年金を保証します」と言うアピールではないかと考えた。
しかし、私の想像では将来の仕事は減る。そうなれば、高齢者を支え、さらに仕事にあぶれた若年者を支えることになる。きっと支えきれずに社会保障制度は崩壊する。結果として最悪の格差社会が誕生するのではないだろうか。
除染廃棄物と技術進歩と人口と
前向きなことを書きたいと思うのですが、前向きなことは書く間もなく日々の中で楽しく通り過ぎていくのでしょう。内容がどうも後ろ向きになってしまいます。後ろ向きなことを書いていても、悲観的になり過ぎずに批判と肯定のバランスを取って生きて行きたいものです。