町の不安と私

不安がひしめく町の中

一人のそのそ歩いている

人々が話す声が ひとつ ふたつ みっつ よっつ

誰が何を話しているかなんて全然分からない

ごちゃまぜの不協和音がいっぱい


昨日は 悲しみを

一昨日は 喜びを

その前は切なさを

その前の前は 何かを 確かに感じていた


町の中の不安の渦にいるから

私は不安なんだと思った


いや 待てよ

町のせいにしてはだめじゃないか

不安は私の中に昔から毎日ひそんでいるのだから

これは私が出発なのだ


それでも不安と慌ただしさの不協和音

ずっと聞こえている

この町をいく人みんなが発している 不安 不安 不安

みんな同じかもしれない

あるいは

みんな違うかもしれない

どうしよう

私はそのことが不安だ

町の不安と私

2013年6月11日(記)

町の不安と私

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-09-13

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