新米軍人の奮闘日記
この作品は戦争を美化するものではありません。
すべてフィクションです。
プロローグ
俺の住むこの大都市、マーチを中心とするA国は、隣接して存在する国 B国との戦争の真っ最中である。
戦争を始めて10年、戦火は留まることを知らず
ほかの国にも広がりつつある。
今から6年前ほど、A国には「15歳以上の健康な男子は強兵所により指導されることを命ず」という無茶苦茶な法律ができた。 しかし、この法律は強制ではない。そこが国家の嫌らしい所だ。もちろん、この法律が出来た当初は多くの人が戦争に巻き込まれるのだと嘆き、国家に苦情が殺到した。だが、今は既に戦争中、国民達も強く出ることは出来ず、そこに政治家達が圧力をかけた。
そこからは言わずとも、である。圧力を恐れた人々は泣く泣く我が子を指導所に送り出すのである。強制ではないが必然的にみな強兵所に行ってしまうのだ。
法律には男子とあるが女性も志願すれば強兵所にいくことは可能である。
わざわざ戦争にいこうなどと、くだらない話だ。
「阿島訓練生、強兵所卒業おめでとう」
「ありがとう、ございます」
戦争になど
行きたくない
新米軍人の奮闘日記