蜥蜴


巨人の足に踏まれた尻尾
けれども私は切り離さない
むしろそのまま引きずってやる
どんな窮地に陥れど
私は恐れぬ怯まぬ逃げ出さぬ
無惨に潰れたこの尻尾
切るにも切れぬ我が誇り
嗚呼けれども空に舞う
百舌の嘴が恐ろしい!
早贄の無様がおぞましい!

己の無力が憎たらしい!
胴から生えるこの四肢は
何故こんなに細いのだ!
口に生える八重歯の列は
何故こんなに小さいのだ!

鰐の如き爪と手を!
鰐の如き歯と顎を!
そして鰐の逞しき
切れる事なき太い尾を!

蜥蜴

既に晒した無様

蜥蜴

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-09-12

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