百本のろうそく 第二本
怖そうで怖くなくてちょっと怖い・・・かも??
第2段。
長くなりました。
今回は病気のひとです。気持ち悪いかも。
あたしね、A子ちゃんがだい好きなの。
パパとママに意地悪されても、A子ちゃんを見てると気分が楽になるの。
かわいくて、いつも笑顔で、みんなの人気者なの。
幼稚園の時にね、A子ちゃんがおゆうぎ会で主役をやって、
A子ちゃんはあたしのなのに みんながカワイイカワイイって言ってたのがいやでね、
あたしA子ちゃんをウサギ小屋に隠したの。
そしたらA子ちゃんは一日たっても見つからなくて、2日目に小屋で倒れてるのが見つかったの。
A子ちゃん、あたしが閉じ込めたの先生に言っちゃって、ふふ、怒られちゃった。
そしたらパパとママはあたしの事を何回もなぐって、ご飯もくれなかった。
でもね、A子ちゃんが居るからだいじょうぶなのよ。
小学6年生の時、あたしの好きな人がA子ちゃんに告白して、付き合っちゃった。
だから、A子ちゃんのこと大好きだけど、お仕置きしなくちゃ って思ったの。
怖い人たちにお金渡して、A子ちゃんを暗いところに監禁してもらっちゃった!
3ヶ月も見つからなかったのよ。すごいでしょ?
でもあたし、大人の人たち、え~っと警・・・なんだっけ?け・・い・・・・つ??にどこかに閉じ込められっちゃった。
そこから出られても、パパとママは私に意地悪するの。
でも、いつのまにか体に包丁が刺さってて、冷たくなって、動かなくなったから、使って無い部屋に放り込んであげたんだ。
意地悪されたのの、仕返ししてやるの。
中学生になってね、もうすぐ3年たっちゃうの。A子ちゃんったら、あたしと違う高校に行くんだって。
大好きなA子ちゃんとはなれるなんて、あたし、絶対にいや。
そう思ってたら、A子ちゃん学校にこなくなっちゃった。
先生たちが言ってたけど、行方不明、なんだって。
私の家にも、え~~と あ!そうだ 警察!!思い出した!!警察が、調べにきたんだけど。失礼な話よね、人を疑ったりして。
だって、A子ちゃんは今、
あたしの家の地下室に、あたしのパパとママと一緒に、ホルマリンの中にいるのよ。
8畳くらいの薄暗いお部屋に、気味の悪い光を放つ3つの水槽。
その中の一番左の水槽が、A子ちゃんのお部屋なの。
チョット狭いけど、きっと気に入ってくれてるわ。
あとの二つは、パパとママの。
そういえば、最近パパとママの体に包丁がたくさん刺さってるんだけど、何でだろう?
・・・そのせいで、緑のホルマリンに薄く赤い色がついちゃってるんだけど・・・。
お腹すいたのかな?後でご飯あげなくちゃ。
暗ぁいお部屋の、緑色の液体の中にいるA子ちゃんは、目をとじたまま何も喋ってくれないの。
・・・きっと、恥ずかしがってるのね。
あたしがいっぱい喋りかけたら、恥ずかしいのもなくなると思うの。
だから、
あたしは今日もA子ちゃんに話しかけるのよ。
「A子ちゃん、これで毎日一緒に居られるね。」
って。
大好きよ、A子ちゃん。
これからも、ずぅっと、ずうっと。
百本のろうそく 第二本