男の食育

前を向き、現実と対峙しましょう。

皆さん、ご飯はキチンと食べましょう

日本の食料自給率をいくつかご存知ですか?
私は知りませんでした。
平成25年の統計ではカロリーベースで36%だそうです。低いですよね。
このような数字になった要因は食生活の多様化や農業の後継者不足などいくつかありますが、この数字から導き出される純然たる事実は私達の食事の多くは輸入によって賄われているという事ではないでしょうか。
このような事態を憂いているのかわかりませんが、あるひとつの農業政策が検討されているそうです。
それは家畜への飼料に使うお米の生産です。
食料に限らず飼料も輸入に頼っています。ちなみに飼料の自給率は26%です。
その飼料用のとうもろこしをお米に変えてみたらどうか、という事らしいのです。
現代の私達の主食は大きく分けて二種類になります。
米と麦です。
飼料用の麦というのは聞いた事がありません。事実ないらしいのです。
欧米では販売に適さない麦は飼料として家畜に与えていたそうです。そしてその肉を食べる。無駄がないと言えば無駄がないですね。
ところが日本では米の価格、販売は国が保障してましたよね、確か。
余った米が増えてしまったので減反政策がうまれたんでしたよね。確か。
曖昧で申し訳ないです。
日本ではお米をエサにする発想に抵抗があったんですかね。だって何だかもったいないですよね。
このように考え方から実務的な面に至るまで色々な解決しなくてはならない課題があり、実現するかはわかりませんが、この政策に限らず、政府は現状を打開する政策を実行して欲しいものです。
ところで私の子供の頃は近くに養豚場があり、自宅に鶏を飼っている家が少なくありませんでした。私の家でも飼ってましたし。
朝けたたましくコケコッコーと叫ぶ彼等の玉子を私達家族は食べていました。
そう言えばその鶏のエサはとうもろこしが主の飼料だったように思います。だって黄色でしたし。その頃から輸入だったんですかね。
そんなある日、私が10才か11才かそのくらいの頃、父がうちの鶏を食べると突然言い出したのです。自宅で鶏を鶏肉にすると。
母はびっくりして猛反対しました。理由はわかりますよね?
しかし父は強行しました。我が家の方向性は父が決めていたのです。言い出したら聞かない人なのです。
母はもちろん手伝いません。当たり前です。
ですが私にその様子を見るように言って来たのです。肉になる様を。
父は無理強いをしませんでしたが私は怖いもの見たさやよくわからない男のプライドに押されてその様子の一部始終を見ました。
実にショッキングでしたね。今でも覚えています。
鍋の熱湯、包丁、砥石、ポリバケツ。軍手にタオル。
詳しい描写はあえて避けます。肉は美味しく食べたいですからね。
ともかく鶏はお肉になり、我が家の夕食の食卓に唐揚げになって並びました。
私は複雑な気持ちで一杯でした。朝は鶏だったものが夜には唐揚げになって目の前にあるのですから。
私は思いきって唐揚げをパクッと食べました。
美味しかったんです。すごく。
柔らかくてジューシーで口一杯に旨みが広がります。
私はパクパク唐揚げを食べてお腹一杯になりました。
今考えるとよく食べる事ができたと呆れるやら感心するやら。
衛生上はどうだったんですかね。今生きているから問題なかったんでしょう。たぶん。
父が何故唐突にこのような荒業をしたのか不明ですが父なりの考えがあったんでしょう。
父は随分前に他界し、真意は定かではありません。
ですが大人になった私が想像するにそれは食育の意味があったのではないかと思うのです。
私達の本質は殺生です。命を貰わなくては生きていけません。残酷でもそこから目を背けてはいけません。食べ物は命そのもの。
だから食べ物を粗末に扱ってはいけない。
父はそう言いたかったのでは、と思うのです。
おかげで私は食べ物を残す事に非常な罪悪感を感じるようになりました。
出されたものは残さず食べてしまいます。
そして必ず言います。
ご馳走さま、と。
私も父になり、子供に食べ物の大切さを教えなくてはいけません。
食事は人生のマナーですから。
だけど絶対父のマネは出来ません。
だって私は小学校の理科の実験でカエルの解剖を怖くてズル休みした男ですから。
私の肝っ玉は鶏より小さいチキン野郎なのです。


おわり

男の食育

読んでくださりありがとうございました。
今回は父との思い出を冒頭に書いた内容のニュースを見て思い出しました。
私の父はパパというよりオヤジがピッタリくる男でした。
皆さんはどうですか?
また作品を発表しますので是非読んでください。
ご意見ご感想お待ちしてます。

男の食育

よく噛んで食べろよ、メシは。

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-09-08

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