忘れてしまったのは

思い出せない。昨日の夜に、ずいぶん酔っぱらってしまったようだ。

…思い出せない。昨日の夜に、ずいぶん酔っぱらってしまったようだ。
何かすっきりしないものがある。まさかとは思うが、また自分にあの力を使ってしまったのではないだろうな。
俺は超能力しだ。他人の記憶から「何か」を忘れさせることができる。ただ、ときおりひどく酔ってしまうとその力を自分に使ってしまうことがあるのだ。酔いは俺の自制心を緩める。
記憶から消してしまったものは決して蘇ることがない。以前は悪酔いの末に、デートの予定を記憶から消してしまい、すっぽかしてしまった相手から烈火の如く怒られたことがある。それも相手に言われるまでは全く思い出せず、言われてからも、まあ恐らく俺が記憶を消してしまったのだろう…としか思えない。だって記憶から消去されてしまっているのだ。
思いなんでいても仕方がない。がて、何を忘れてしまったのか、わかる時が来るだろう。


++超能力者++
山田 康宏(やまだ・やすひろ)
ESP:対象になにかを忘れさせる

忘れてしまったのは

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忘れてしまったのは

1分で読めます。「話の中に必ず超能力者がひとりは出てくる」というしばりで掌編の連作を執筆中。 超能力者の名前と能力が必ず最後に記載されてますので、答え合わせ感覚で読んでいただければ幸いです。

  • 小説
  • 掌編
  • サスペンス
  • SF
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-09-08

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