好きと言えなくて…再会

高校生の翼、恋愛経験もないピュアな東京の彼が、お父さんの実家である富山で恋に落ちる。
切ない恋に翼といとこの奥さんが純愛でひたむきな愛の模様を繰り広げる。
初めは仲よくなれればいいかな?
ぐらいが、メールのやりとりまでする仲になり。
‘会うのもありかな’
なんて最近は考えてます!

僕が好きになったのは、いとこの奥さんだった。

 高校2年の夏、進路のことで迷っていた。東京か富山か?どちらの大学に進むか。
お父さんの実家が富山なこともあって、田舎でゆっくり大学生活を過ごすのも悪くないかな(^O^)/と思っていた。学校の偏差値も僕の頭なら合格ラインなので本気で検討しよう!と思っていた。まずは、母親に相談することにした。
 「お母さん、大学の下見に富山に行ってもいいかな~?」
 「お父さんの実家でしょ?お父さんに聞いたらどう?」
 「そうだね。お父さんに聞いてくるか!」
 家からすぐそばのお父さんのお店。喫茶店を経営しています。
 「お父さん、富山の大学の下見に行きたいんだ。行ってもいいかな~」
 「まずは、おじに聞いてからだな」
 「本当?じゃあ、早く聞いてよ」
 「分かったよ。夜にでも電話しておくよ」
 
 その夜。富山のおじに電話をかけた。
 「モシモシ、東京の真朗です。お久しぶりです」
 「おう。元気か?」
 「うちの翼が、今度富山の大学の下見をしたいと言ってるんだ」
 「あ~、そうなのか。そういうことなら、うちはかまわんよ」
 「そうですか!翼のことよろしくお願いします」
 「分かったよ。また、くる日が決まったら電話くれよ」
 「ありがとう。また、連絡するから。みなさんによろしく」
 「あ~、伝えとくよ。おやすみ」
 「おやすみ」
 電話の話をお父さんから聞いた。
 「翼、泊まるんだから、みなさんに迷惑かけるんじゃないぞ」
 「はい。自分のことは自分で!だよね」
 「ああそうだ。行く日、決めたらおじに電話しなさい」
 「は~い。また決めたら掛けるよ」
 
 さ~て、準備などが終わり、出発の朝。
 「翼です。10時ごろ着きます。お願いします」
 「気をつけて来るんだぞ」
 「はい。ではまた」
 新幹線のぞみを降りて、乗り継ぎの米原で富山行きのサンダーバードに乗り込んだ。
 電車が富山に着いた。ようやくおじの家に向かう。
 家の前。ピーンポーン
 チャイムを鳴らすと、おじがで出てきた。
 「よく来たな。さあ、遠慮しないで入りなさい」

初対面する、翼と奥さん

おじの後ろを子供たちが隠れて様子をうかがっていた。
おじの孫だ。初めて対面するのでこんにちわと声をかけた。
 子供たちは
「イケメンだ」
と騒いでくれてちょっと、うれしかった。
 これが、ひなちゃんと、けんくんとの出会いだった。
お昼過ぎになりご飯を頂き、せっかくだから金沢でも観光したいし、ひとまず、駅に向かった。
金沢行きの普通列車にのり、着いた。まず、21世紀美術館に向かった。
とても立派な建物で驚いた。
アートな感じがいろいろでていて面白い。
外のジャングルジムは、まるで、美術品だ。
子供にも好評のようだ。
たくさんの親子ずれで賑わっている。
 とりあえず、香林坊を一回り。結構、人が多いのには驚いた。
日も暮れかかってきた。
そろそろ、おじの所に帰ることにするか。
駅に戻り富山行きの汽車に乗った。
ただいま帰りました。
と玄関でいうと、おじが出迎えてくれた。
 観光してきたことを伝えるとお風呂に入るよう勧めてくれた。
 疲れもあって、お風呂に入ったら、体中の力が抜ける気がした。
 さっぱりした。リビングにみんなが夕食の準備などで、集まっていた。
髪を乾かしていると、おじの息子、つまりいとこの稜が話しかけてきた。
「富山の大学見にきたらしいけど、ホントに受けるのか」
「はい。田舎もいいかなと思っているんで」
「もったいないなー。東京のほうが、就職に有利だって」
「そうですかね。わかんないですけど」
と話していると、稜の奥さんが仕事から帰ってきた。
「ただいまー」
僕は、そこで恋をしてしまった。
もちろん、タイプだった。
髪の毛は肩まで伸びていて、年齢より若く見えてかわいいのだ。全然、子供がいるようには見えないのだ。
 見た目28歳ぐらいに見えた。ラッキー
奥さんは、僕に挨拶してくれた。
「いらっしゃい。ゆっくりしててね」
と声をかけてくれた。ご飯も済み、奥さんが
「花火、今からするから、よかったらどう?」
「はい。行きます」
迷わずついて行った。花火は好きだけど、
それだけではない。近くに行けるチャンスなのだ。
だから行くことにした。

花火

家の前が公園だったのでちょうどいい。
子供たちもついてきた。
「さあ、火をつけましょう」
「どれにする?」
翼が子供たちの花火に火をつけた。
「おー、ついた」
パチパチ
夜の暗さが花火を一層、際立たせた。
奥さんの顔も花火で照らされなおさらのこと、綺麗だった。
「あれー、ライターが壊れたよ」
「本当?ちょっと見せて」と奥さんが何度か試していたが、壊れた。
「ライター危険でしょ?家が燃えたら大変ですもの」
「わははー」みんなは花火で打ち解け、家に戻り、くつろいだ。
子供たちが、
「好きな人いるの?」
と聞いてきた。
 その時は、正直、照れくさかったが
「いないよ」
と答えた。
奥さんはこちらを見た。そして、
「もう、何聞いてるの」とフォローしてくれた。
結構、居心地がいいと思えた夜だった。
翌日、奥さんが
「ドライブでも行こう」と誘ってくれた。
 「はい。迷惑じゃないなら。お願いします」
僕は、奥さんの運転する車でドライブにでかけた。。
子供たちも一緒だけど、それは、当り前というか、奥さんと二人きりのほうが怪しいのだが。
一先ず、東尋坊に向かった。海岸を走る景色もいいものだ。
車を降りて、東尋坊を歩くことにした。
波打ち際まで岩場を歩いた。観光名所なこともあって、たくさんの人が、岩場で海を堪能していた。
僕は、子供たちのお兄さんにみられているんだろうか?世間はどう見ているか?
少し考えてしまった。
すれちがう視線が不思議そうにぼくらを見ていたからだ。
そうこうして、別の場所へ移ることになった。
今度は、海岸の人のいない静かな所へ行った。
階段を下りて行くと、すぐ波が打ち寄せている。

ドライブ

絶景だった。しばらく、黙ったまま水平線を眺めた。
こんな、落ち着くことが、東京であっただろうか。まず、慌ただし毎日の中では、こんなときがゆっくりと流れる世界に触れたことが嬉しかったし、田舎に大学を希望する理由がここにあった。
どれくらいの時間が過ぎただろう。現実から離れたひと時を過ごしたことに満足だった。
そろそろ、帰りますかとおじの家に向かった。
家に着いて僕たちは遅いお昼ご飯は食べた。
僕は冷やし中華はごちそうになった。
奥さんが作ってくれた。
子供たちも一緒に食べた。
こうして、何日かして東京に帰る日になった。
その日は、雨がふり、バスで帰る僕をみんながとても心配した。
というより、帰ってほしくないみたいな感じが伝わってきた。
帰るまでの間、子供たちと遊んでいると奥さんもやってきた。
みんなでドンジャラをした。
パイを混ぜている時たまに、奥さんと手が触れた。
17歳には、刺激が強かった。
子供たちと奥さんとホント、楽しく過ごし、帰りたくない気分だった。
そうこうして、夜、ご飯はどうする?と言ってきた。僕は奥さんが駅まで送ってくれる約束をしていたので、
「駅のコンビニでおにぎりでも買います」
と言って断ったが、おじは、押しが強くて、
結局、僕はおじと寿司屋に行くことになった。
食べている間もうお別れか!
というさびしさで、喉に通らなかった。
とうとう9時になった。
家は出るとき雨も降っていて、おじが、駅まで送ると言いだした。
奥さんの約束も崩れてしまった。
子供と奥さんは
「バイバイ」
と泣きながら手を振ってくれた。
僕も涙が出た。
おじに見送られ富山をあとにした。
富山での思い出を、デジカメや写真で毎日見ていたそんなある日、手紙が来た。
僕宛に、富山の子供たちからの名前で送られてきた。
早速僕は部屋で手紙を開けた。
手紙は奥さんからのものだった。
いつでも富山に戻っておいでと、いう文面だった。
僕のメルアドと電話を教えてほしいと最後に書いてあった。
封筒の中にバリ島のお土産のストラップが入っていた。
ハートの綺麗な飾りのものだった。
しかも奥さんのメルアドと携帯電話もかいてあった。
僕は勉強が手に着かないほど嬉しかった。
手紙の返事を早速書いた。
手紙、ありがとうございます
富山ではいい思い出を作ることができました。
行った日は、子供たちと話すことができず、おじいちゃんの家だしこんなものかなと思いつつ、2日目から、子供たちと仲良くさせてもらい富山での1週間を楽しく過ごせました。あまり年下の子と遊ぶこともなかったので、童心に戻ることができました。
また、僕もずっと富山にいたい気持ちが一杯で東京に戻って改めて思いました。
みんなももし東京に来たらこっちでも遊びましょう!!
では、また逢う時まで…

もう、学校も始まっていたが、なんだか毎日が富山と連絡している感じがたまらなかった。
だが、いっこうにメールがこない。おや?
という半面、どうしてこないんだろうと、ソワソワしていたころ、携帯に奥さんから電話がかかった。
「もしもし、翼君元気?あのメールが送れないの」
「お久しぶりです。ああ、そうなんですか?もう一度、メルアド確認して、打ってみたらどうですか?」
と短い話で電話は切れた。
ドキドキしていると、メールがなった。
とうとう、奥さんから届いたのだ。

メール

とうとう、奥さんから届いたのだ。
「やっと、返信できました
また、遊びに来てね♡」
僕は、すぐに返事を書いた。
「お久しぶりです
良かったですね(^O^)/
東京に来たら、僕がディズニーランドとか、案内します!」
メールが返ってきた。

「本当ですか?東京のいい所、教えてください。
あと、どうやって行けばいいの?」

僕はメールを送った。


「まず富山からサンダーバードで米原まで行く
米原からのぞみの新幹線で東京まで行けます
こちらへ来た時は、連絡ください
会いたいですね(笑)

ガンガン気持ちをぶつけた。
こうして僕らはメールを2カ月ほどしていた。
毎日のやり取りが楽しみになっていった。

そんなある日のメールで

「今度、東京に行こうかな?
いつなら良いかな?」

と送られてきた。うそーっ?会えるのと驚いたが、僕は
動揺を堪えて平常心をよそおった。

「学校が土曜はあるので、日曜のほうが長く会えます!」
と送った。メールを出してまだ、信じられない。
夢じゃないんだ。

「じゃあ、日曜、行くわ
どこ、連れてってくれる?」
僕にエスコート出来るか?と不安になった。
でも、嬉しくてすぐに行き先を決めた。


「横浜とか、中華街めぐりはどうですか?」


「横浜ですか!いいですねー。
山下公園行きたいです
そこらでいいですよ
明日また電話していいですか?」


「僕の予定は学校がないので、
一日中大丈夫です
十一時には起きるのでまた電話して下さい(^O^)/」

「二時か、三時に掛けます。ちょっと、待ってて下さい」

デートの約束

電話がかかってきた。
もちろん、奥さん。


「行きたいとこ、決めましたか?」

「探してるんですけど、なかなか見つからないですね(-。-)y-゜゜゜」
僕は、申し訳なさそうに言った。

「そうですか。のんびりお散歩的な(^o^)丿」
でも、奥さんは優しく包み込むように答えた。
「来週、楽しみにしてます」
と僕はまだ、話していたかったが、電話を切った。
電話の声が聞けて今夜は眠れないかも(-_-)zzz

朝、メールが入っていた。
奥さんのメールだ。

「昨日は電話でしゃべったね。笑ってばかりでした
だって、照れるじゃないの(*^。^*)
また、電話しようかな?」

僕もメールを送った。
「しゃべりましたね(^o^)丿
久しぶりに声が聞けてほっとしたのか
何をしゃべったらいいのか分かりませんでした(^。^)y-.。o○
でも、楽しかったです(^o^)丿
時間がある時、また話したいですね♪☆彡」

僕は、横浜の観光スポットを研究し、その日が来るのを待った。

お酒の力を知りたい

奥さんからメールがきた。

「初デートですから、何を食べれば良いか悩みます!
今日、彼の前で何を食べれるか?と
いうことを、会社で話していたの!
会社の人は、サンドイッチがおしゃれ!と
言っていたけど、相当、難しいって(+o+)
私はジュースで十分です
翼君は何でも食べてください♡」

「僕もジュースだけにしようかな(笑)
ま、いいところがあったらそこでたべましょう☆」

「さすがです☀
上手くかわしましたね
ジュースなら、何杯でも飲める自信あるよ~
ジュース本当に大好きです
今日はちなみにパインでした」

「アップル限定とかじゃなくて、全般なんですね♪すごい☆彡
僕はあんまり飲まないですね(^u^)


「気分によってです。
夜寝る前は、缶チューハイを飲んだりして寝ます
お酒の力でグッスリなのです☆彡」

「お酒飲めていいですね☆彡
僕も早く飲みたいです☀
お酒の力を知りたいな(^。^)y-.。o○」

メールでその日の天気などを確認しあい、
雨だったら、嫌ですねとか、二人で秘密めいたやり取りを重ねた。

奥さんからの手紙

手紙が奥さんから届いた。
封筒を持って、部屋へと駆け込んだ。

毎日、メールありがと!9月からずーっとだから離れてる気がしませんでした。
もう、来週にはそちらへおじゃまするのでよろしくね♡
最初は電話でお話出来ればいいなと思っていたのですが
気がつけば…メールのやりとりになっていましたね
それでも意外と楽しくさせてもらいました
今は二人で横浜に行けることを願っているんだけど…
では、、会えることを願って!!

奥さんからの手紙に恋の予感などを期待してしまった僕だった。

手紙を何度も読み返し、返事を書いた

こちらこそ、毎日メールありがとうございます
メールをしていると楽しくて富山にいた頃を思い出し、
また、遊びたいと思っています!
僕も最初は電話で懐かしく感じながらしゃべっていると思っていたら
メールを毎日させてもらっているうちに、
懐かしいどころかまだ、一緒にいるような感じですね
とても楽しくメールさせてもらってます

会う三日前

奥さんのメール
「あと三日で、会えるの~!
久しぶりに会えるのに緊張して落ち着きません
こんな時こそ、お酒の力を使う~?」
僕はもっと、緊張していた。
「なんか不思議に感じますね(^O^)
あと三日で会えるんですね♪
僕も落ち着きません^_^;
いやいいですね(^O^)
僕も使える歳になりたいです☆」

「緊張すごいね。
どれくらいっていうと、考えると
手に汗が…
心臓はドキドキしてます
これくらいすごいんですけど…
翼君もこれくらい?」

「手に汗は握ってませんが
心臓はドキドキしてます☀
でも楽しみです☆」

奥さんが天気のことを聞いてきた。
「雨降りになりましたねぇ
傘、さしての歩きということですか
デジカメで撮るって張りましたが
どうなるのかな?」

「でも、雨のち晴れってなっていたんで
大丈夫でしょう☆彡てか願いましょう☀」

「翼君は晴れてて欲しいの?
どちらか?というと晴れのほうがよかったけど
行ければどちらでも関係ないからね~!!」

「晴れててくれればいろいろ楽だし、
楽しいかなと思ってます!
そうですね(^O^)

東京に来る

前日を迎える。
もう、気分はアゲアゲだった。
天気も調べた。明日は晴れになっていた。
大丈夫☀
僕が東京の新宿駅で待っているので、
そこまでなんとか来るようにお願いした。
奥さんは初めて来るので心配と言っていたが
新宿に着いたから、と電話が入った。
僕は、急いで用意をして新宿駅に向かった。
僕は奥さんを探すが、見当たらなかった。
もう一度、電話を掛けた。
「もしもし、僕も新宿駅に着きました
いま、何処にいますか?」
「えっと、西口ですね」

「僕、そっちに向かいます」
西口の方を探すと、奥さんに呼ばれた。
「翼くん!」
奥さんが、少し痩せていて見違えるほど
綺麗になっていた。
茶色のワンピに身を包み、東京の街中でも
ひと際綺麗だった。
僕は、そんなことを口には出さなかったが
えへへと、はにかんでいた。
奥さんも僕に笑顔で微笑んだ。
僕たちはとりあえず新横浜まで電車に乗った。

山下公園に行く

奥さんは電車に慣れていないと言っていた。
ガタンと大きく揺れた。
瞬間、奥さんは僕の方にぐらついた。
本当だった。
「だから、ダメなんです。いつも車だからかな~」
「そうですね。僕は、立ってますけど、座っててください」
奥さんは、僕の横でなんとか踏ん張っていた。
間もなく新横浜だ。
駅に着いたら少し港を歩こうと考えていた。
外の天気は快晴で、熱い。
新横浜に着くと風がかなり強かった。
奥さんはスカートが風でめくれると、恥ずかしそうに押さえて歩いた。
目のやり場に困った。
 予定通り山下公園に来た。
海が目の前に広がり水平線もまた格別だった。
港には豪華客船も停泊していた。
横浜の港も素晴らしいし、
緑が冴えわたる素晴らしい公園もあって感動してしまった。
港の見える丘公園だ。
噴水近くにベンチがあった。
二人は写真などを撮った後座った。
海を眺めながらしばらく黙っていた。
「綺麗でびっくりしました。ここの来れて嬉しいですね」
「そうですね。喜んでもられて嬉しいです」
僕は立ち上がり、海の写真を取り出した。
カメラには奥さんから貰ったバリ島のお土産のストラップを付けていた。
「私もストラップ、カメラに付けました。おそろいですね♡」
二人で照れた。

赤レンガ倉庫はデジャブなの

奥さんは、ランドマークタワーあたりを指差しながら
「あそこも行けるの?」
と聞いてきた。
「そうですね。今から行く所なんです
写真撮ったら行きましょう」
僕たちはジュースを買って一休みしてから
赤レンガ倉庫まで歩いた。
 赤レンガ倉庫は、人だらけだった。
お昼どきとあってビアガーデンは混雑していた。
僕らは倉庫の中を散策した。
 お土産屋さんが立ち並ぶ中を歩いていると
突然奥さんが
「ここの景色、デジャブだわ。
前に見たことあるわ」
僕はデジャブは知っているが、ここで言われたので驚いた。
「えー、すごいですね。
本当にあるんですね」
奥さんはここ見たことあるわと
はしゃいでいた。
僕らは店内を歩いた後、近くに
ランドマークタワーがあるのでそこへ向かった。
歩いているときはかなりじゃれ合った。
奥さんが先ほどの食事代を僕に
受け取ってと言って
ポケットに無理やりいれようとした。
僕も「ダメです」と言ってそんなことを交互にやりながら
タワーに着くまでしていた。
そんなこんなで、タワーに着いた。

ランドマークタワーで好きだ

目の前にそびえる横浜の新しいスポットだ。
タワーの展望台に上る時エレベーターの中で
横に並んだ時奥さんの肌に触れてしまった。
そのむくもりが体中を駆け巡った。
僕は奥さんがを好きになっていたことに着付くのだった。
奥さんを抱きしめたいと思った時
ドアが開いた。
展望台のパノラマが広がる景色を見て回った。
お互いにデジカメで風景を撮って見せあった。
スカイツリーあたりを見つめ
今、僕らのこの時間が止まって動かないような錯覚を覚えた。
でも、時は非情にも過ぎていく
我に返った瞬間「帰りましょう」
と言いだした。電車の時間が迫ってきたので言い出すしかなかった。
本当は遅く帰したいのだ。
一緒にいて夜景を奥さんに見せてあげたいが
そうなると向こうの家にも迷惑がかかるし、早く帰ることを選んだ。

電車はとうとう新横浜まで着いてしまった。
駅に着いた僕らは帰りの汽車の時間まで残り5分もない。
切なくなる僕。
奥さんはデジカメで僕を撮りだした。
照れくさかった。でも、なんだか嬉しかった。

とうとう、汽車が来てしまった。
僕は奥さんの荷物を持ち、改札口で別れをした。
奥さんも手を振った。なんだか辛くて振り向けない。

汽車に乗った奥さんからメールが来た。
「翼君に似てる子がいるからビックリです
手も似てるの!だから、釘付けで見てます」
「そんなに似てるんですか?
ってか、僕の手、知ってるんですか‼
僕はまだ自分に似てる人とあったことがありません
東京は人が多すぎて気が付きませんね
見てみたかったです
僕も本当に楽しかったです
気をつけて帰って下さい」

このメールを送信して僕は家に帰った。
奥さんとメールのやり取りがその後も続いたある日
電話をしてもいい?と
メールがきた。
僕も話したいのでいいですよとメールを送信した。

電話で話す

僕の携帯が鳴った。
瞬間、ドキドキもして心臓がバクバクした。

「はい、もしもし」
「私です。富山の」
「はい、久しぶりですね」
「何してるの?」
「今、ご飯の用意を手伝ってました」
「あら、えらいね。私はまだ、仕事中なの」
「いいんですか?」
「少しなら、でも声が聞けて嬉しいです」
「僕もです」
「また、電話しますね」
「そうですね。では、バイバイ」
電話で話すとますます恋しい。
会いたくてたまらない。
今度はいつ掛けてくるのか?
そんな不安の毎日だけど、メールのやりとりはしていた。
この前、僕の自宅に奥さんから電話が掛り、僕のお母さんが
電話をそろそろ切りなさいと言って仕方なく切ったことがあった。
僕はすぐメールをした。
「すみませんね\(-o-)/
また今度電話して下さい☆彡
親が居なければ出れるし
言われないので」
早く説明しないと誤解されるかもと思った。
メールがすぐ、返ってきた。
「翼君。真剣に聞くけどもしもこんなふうに大変な
ことになったら、メールとか、
電話とか止めますか?
私はもうできないとなったら、
立ち直れない気がします」
やっぱり、変に誤解をさせてしまった。
「やめませんよ!!
でもそんなことないんで安心して下さい(^O^)/
親はただ、通話料金を心配してるだけなので
いつも富山から掛けてもらっていてし(^o^)丿」
「うそじゃないんですね?」
「うそじゃないですよ(^O^)/
でも、通話料が心配です!
僕はかからないのですがそちらがかかるので…
あと、手紙、ありがとうございます♪」
このメールを送信して返ってきたメールに驚いた。

翼君を選びます!

「お金を選ぶか翼君を選ぶか?もちろん翼君です!
だから、心配ないんです(^O^)/」
僕も奥さんを選びます
「そうですか!ならいいんです
でも少しは考えてくださいね(^o^)丿
なんか申し訳ないんで(^。^)y-.。o○」

とうとう、僕は進路について決める時期にきた。
首都大学と北里大学ってとこは決まっていて
他に何校か受けようと思っている。
僕から奥さんに受験勉強始めますと送ると
「受かって欲しいから
でも邪魔してたらごめんなさい^_^;」
控え目なコメントがギュっときます
「ちょっとずつ始めてるんで大丈夫ですよ!
ありがとうございます
やってない時に返信しているので大丈夫です
あんま、気にしないでください」
「そうなんですか!
まだ余裕があってくれて助かります♡
また、翼君のそっくりさん見つけたよ~
なんだか聞き覚えのある声だな~と思って!
翼君ぐらいの年頃でお母さんとしゃべっていたんです。
顔は違うの!眼鏡くんだったし。
会わせてくれてるのかな?」
「今から始めないとやばいと思うんですがね。
よく見つけますね!どうでしょう
僕も分かりません☆彡」
「勉強ご苦労様です
会いたくても会えないし電話も掛けたらまずいし、
となるとそっくりさんに会うだけでも感動するんだって!」
「あんまりしてないですけどね。
確かにそれは嬉しいですね!
東京だと人が多すぎて
一人一人の声も聞こえないです^_^;」

奥さんのこと、嫌がりません!!

「今、電話出れますか?
よかったら数分話そうよ」
久しぶりに電話で話すことになった。僕は携帯が鳴るのを心待ちにした。
とうとう、携帯がなった。
「おかげで電話で喋れます」
「そうですね。
僕はメールを確認してますので、でも、遅れてたらすみません」
「また、掛けるので待ってて下さいね」
「はい。また掛けてください」
電話で話すと落ち着いた。
で、メールだと言えないこともさらっと言える僕なのだ。
「少しでしたが、嬉しいかったです♪
また、掛けてください」
「電話の声で嫌がってないの分かりました!]
「すごいですけどまず、嫌がりませんよ\(-o-)/」
「私の思いすごしでしたか。
そんな思わせぶりでいいんですか~。
もう、返事に困ります」
「そうですね。ん?なんかすいません^_^;」
「逆に、今までで一番嬉しかったかも。
こちらこそ、誤解させてごめんね」
「あ、そういう意味だったんですね(^O^)/
なら、よかったです!」
「伝わってホッとしました。
翼君のいい所は、素直に分かってくれる所」
「ありがとうございます!
僕も嬉しいです」

先が見えない

「受験が終わったら会おうね。
待ち遠しい~」
「僕も待ち遠しいです♪」
「春に来たから、次はいつなんでしょう
一年後とかになったら嫌だなあ~」
「分からないですね
早く行ければいいですが…」
「先が見えないといった感じがする
どう?会えると思って期待してるほうが望みわくからマシだなあ~」
「確かに、先が見えないより見えた方がいいですね!
かれに関しては何とも言えませんね」
「身内がたまに再会するあんな感じですか?
何年ぶりかに会って久しぶりに元気だった?といったふうになるのかなあ~?」
「たぶんそんなふうになりますね」
「分かっているところ。
仲良くなって、いま寂しいというのもありました
翼君も大人になって行くんだから
仕方がないね。こんなに悩んでないかな?」
「正直すごく悩んでます。
遊びたいのはやまやまですが
将来が決まると思うと怖くて
あまり味わったことのない悩みなのでなおさらです」
「悩んでたんですね
その時になったら、進む道へ行ってみてください!
私もそうします(^-^)」
「はい。そうします!
アドバイスありがとうございます☆彡」
心のもやもやがきれいになった。
この言葉でこれからを進もうと決意した。
僕は、春の受験が終わり別の大学に合格した。

大学生活が始まる

ようやく大学にも受かり、バイトも始めていた。
お金をためてまた会いに行くためだった。
その年、クラスの飲み会でちょくちょく、誘われ女の子からの誘いも
受けることが増えた。
この前は、地方からきている子だったので浅草見物を一緒にしたばかりだ。
クラスは女子がほとんどの看護師の大学なのだ。
僕もそのころにはいいなと思える子も出来ていた。
向こうもメールやデートの誘いをしてきたりする。
僕は、この年、富山には忙しいと言って行かなかった。
一人の人しか愛せない。本当だった。

その年の夏、いとこがまた、東京に遊びに来る
との連絡が入った。
「翼君、今度みんなで東京の方へ遊びに行くんで、
案内頼むよ」
「そうなんですか!いいですよ
どこか、行きたい所とかありますか?」
「予定ははとバス観光かな。
泊まるのは、おばの家にするんで」
「はとバス、一緒に行きますよ
着いたら連絡ください」
「もしもし、翼君こんにちは」
奥さんからの電話でびっくりした。
「はい。こんにちは」
「明日、子供たちがそちらへお邪魔するんで、お願いしますね。
実は、私は行けないんだけど」
「そうなんですか。
はい、どこか、行きたい所決めてるんですか?」
「はい、はとバス観光らしいです。あとは
翼君、お願いします」
「分かりました」
「じゃあ、また。さようなら」
「あ、はいっ。さようなら」
と慌ただしく、切れた。
いとこは子供を連れて、お盆に東京へ来た。
おばさんの家について、翼君を呼び出した。
おばの家のまわりに飲食店を探すがラーメンやしかなかった。
居酒屋へ行きたかったが、普通にラーメンを食べておばの家に帰った。

しばらくして富山の奥さんから電話が掛った。
「もしもし、いま何処にいるの?」
「いま、おばさんのとこだよ。翼君も来てるよ」
「子供も元気?」
「もしもし、今、おばさんの家で遊んでるよ」
楽しそうな声電話からも伝わった。
翼君の笑い声が聞こえた。
「翼君と話をする?」
と旦那が言って翼君が電話に出た。

「もしもし、寂しいですか?」
不意に聞かれた言葉が胸に響いた。
なんだか、僕に会えなくて寂しいですか?に聞こえたのだ。

寂しいですかが何度もこだまする。

「う、うん」
「何してました?」
「東京見物でスカイツリーとかはとバスで
回りました」
「楽しそうでうらやましいな」
「ホント、楽しかったです」
「今度、行きたいです」
「また、案内しますよ」
この電話中、世界一、幸せになったそんな時間だった。
電話を切って頭を整理した。
寂しい?の言葉が離れない。

富山に帰る

あくる日、東京から無事に帰宅した家族を出迎えに富山駅へ向かった。
家族が駅の改札口に姿を現した。
「お帰り」
「ママ、ただいま~」
元気のいいわが子たちと旦那。
お土産が多くて大変だったと言われ、すぐに手伝って持ってあげた。
車に乗り込み、子供たちは満足そうに東京での思い出を語った。
翼君にお礼の電話をしないと!
「もしもし、いろいろお世話になりました。ありがとうね」
「いえ、そんな僕も楽しみました。
東京にいて、観光とかしないので、楽しかったです。
「そっか。それならよかったね。では、おやすみなさい」
「おやすみなさい」
子供たちが東京から帰って来て、しばらくは平凡な毎日だった。
仕事から帰る途中に翼君から電話が掛った。
「もしもし、翼君、電話かけた?」
「僕、かけたつもりないんですよ。
もしかすると、携帯、勝手に押されたのかな?
寝ていたんで」
「あ、そうなんですか。
てっきり、用事かと思いました」
「すみません」
「寝てたとこ、ごめんね」
「大学が10月まで休みなんで、9月にいきますよ」
「本当?嬉しい。
待ってるから必ずですよ」
「そうですね。行きたいです」

何日かして翼君からメールが来た。
「連絡遅くなってすみません
行くのはお父さんと11日と12日の2日間になりました
よろしくお願いします」

私は嬉しかったと言いたいが、
もう、明後日のことのほうが、むしろビックリしていた。
明後日ならもっと早く教えて欲しいわ。もう。
と来るのを待った。翼君にメールを送信した。
「来てくれるんですね
泊まるのは嬉しいです
行きたい所があったら、教えてね。
泊まるところは家でいいの?」
「そうですね。行きたい所は特にないので
ゆっくり過ごす予定ですね!
家に泊まる予定です!」
翼君に会う日をどれだけ待っただろうか。
1年近く過ぎてようやく会える。

1年ぶりの再会

こんなに待ったのだからいろいろしゃべりたいし、
顔も見たい。募る思いを抑えて待った。
翼君が来る朝、そわそわと浮かれた気持で仕事に向かい、
仕事中も翼君のことで一杯だった。
仕事が終わり家に急いで帰った。
玄関に翼君の靴があった。
リビングのドアを開け「ただいま」と
入った。すると、旦那と翼君がいた。
わぁ、本当にいる!
「翼君が来るって言って喜んでいるんだよ。うちのかみさん」
と露骨にも言い出した。
本当に嬉しくて顔も見れない。
「こんばんは」と
翼君がいうと、
「いらっしゃい」
と私は返した。
本当に会いたくて仕方がなかった相手なのだから。
旦那は続けてこう言った。
「あんな嬉しそうな顔、見せないのに今日は翼君来たからだよ」
「もう、なに言ってるの」
その会話を聞いていた翼君は、笑顔でこちらを見た。
夕食のときにビールを注いであげなさいと言われ
翼君の横で注いだ。
「すみません」
と翼君が言いながらビールをいい飲みっぷりで飲んだ。
お酒の力が知りたいと言っていた彼が、とうとう、お酒を覚えた。
しかも強い!顔に全然出さず飲んでいる。
こちらとしては、酔った翼君がみたいし、本音もききだしたいとこなのに。

本心は…

私は翼君の隣に座り食事を始めた。
私もお酒を飲もうとグラスに手をやると、
翼君がお酒を注いでくれた。
グラスに注ぎこまれる時間が、二人の時を埋めているようで
胸が張り裂けそうだった。
翼君は、私が料理を作っている間、こちらを見つめていた。
視線が感じて見上げると翼君もまた、こちらを見て笑顔で微笑んだ。
翼君は夕食を終えると
「洗います」と言って食器を運んできた。
「いいよ。座ってて。本当にいいから」
お断りすると、彼は自分の部屋に戻りますと言った。
二人とも、気持に正直にならずにただ、時間だけが過ぎていく。
だが、翼君の部屋に夕食後遊びに行くのだった。
今日は、一緒にいてもいい日なんだもの。
自分の彼氏が家にいる!
とでもいう感じなのだ。
部屋にはいると、翼君は横になってテレビを見ていた。
そのそばに座り翼君を覗く。
「お酒、飲みすぎました」
「ホント、可哀そうに」
私は翼君の腰辺りに頭を乗せ横になった。
翼君はそのままでいた。
鼓動が伝わってくる。
私もドキドキしている。
「ねえ」
と振り向くと、翼君も顔を近くにより
「分かりますか?僕の本心…」
と言ってきた。
「えっ、どうだろな~。
難しいです。どうだと思いますか?」
分からない振りして逆に答えさせようとした。

ずっと想って…

「僕、会うために富山に来てるんです
それ以外の目的もないです
だから、家でのんびり会っていたいんです」

「私も東京に行くのは
翼君に会いたいからなの
本当に毎日考えてばかりで
忘れたことはないわ」


二人は気持ちを素直に打ち明け

先の見えない未来に向かう。

言葉で伝えられない二人の関係。

二人の気持が今、

走り出した

会いに来るのは

あなたに会うために

本気で奥さんを愛した愛の形が

言葉にできず

好きと言えなくて…再会         終わり

好きと言えなくて…再会

高校生の翼が大学に入学してまた、会いに行く。
大人になっていく翼。
大学での翼は女子が多いクラスに。
翼がもてていく中、二人の心はもう、離れてしまうのか?
翼がこの気持ちをどう展開していくかが見どころです。

好きと言えなくて…再会

年の差20歳という高校生が、本気で好きになった相手がいとこの奥さんだった。 仲よくするうちに芽生えた愛。 高校生ながらも、大人の男にみえる行動や態度が、いとこの奥さんには、新鮮に思えた。 高校生が奥さんの気持に気がついているのか、 奥さんもまた高校生の本気にきがついているのか! チャプター18の途中で奥さんの目線で話が始まります。 それまでは、翼君目線で進みます!

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • 恋愛
  • 青年向け
更新日
登録日
2014-09-08

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Copyrighted
  1. 僕が好きになったのは、いとこの奥さんだった。
  2. 初対面する、翼と奥さん
  3. 花火
  4. ドライブ
  5. メール
  6. デートの約束
  7. お酒の力を知りたい
  8. 奥さんからの手紙
  9. 会う三日前
  10. 東京に来る
  11. 山下公園に行く
  12. 赤レンガ倉庫はデジャブなの
  13. ランドマークタワーで好きだ
  14. 電話で話す
  15. 翼君を選びます!
  16. 奥さんのこと、嫌がりません!!
  17. 先が見えない
  18. 大学生活が始まる
  19. 富山に帰る
  20. 1年ぶりの再会
  21. 本心は…
  22. ずっと想って…