ラブレターカレンダー
はじめまして。突然のお手紙ゴメンナサイ!
勅使河原先輩
はじめまして。突然のお手紙ゴメンナサイ!
わたしは2年Cクラスの早坂と言います。実はわたし、先輩のことが大好きなんです…。去年の11月、バスケの試合を見に行った時に先輩を見かけてから。。
直接会って告白しようと思ったんですけど、どうしても勇気が出なくて。だからお手紙を書かせてもらいました!
急にこんな手紙渡されて、ビックリしちゃうと思いますが、二週間後には先輩からのOKの返事がくるはずです。
それからわたしたちは晴れて恋人同士になるわけですが、なかなか先輩は浮気っぽくって、わたし苦労しちゃうみたい。。
でも、いろんな障害を乗り越えてゴールインするのが24歳のとき。先輩は25歳。夢を追いかけて、大学からはじめたバンド活動を続けていますね。
やがて二人の間には子供もできますが、いつまでたっても夢が諦めきれずバンドを続けるあなたに愛想が尽きたわたしはこどもを連れて離婚。ドロドロの裁判が終わった頃には、わたしもあなたも心身共に疲れ果てていることでしょう。二人が出会った意味は何だったのか…そんなことを考えながらわたしは使い果たした青春の日々を振り返ることもなく、子育てをするためだけに生活をするの。
…ここまで書いて奈緒子はやっと我にかえった。またもや、いつの間にか未来予知をしてしまった。未来のことについて紙に言葉をつづると、無意識のうちにその先の未来を書き出してしまうのだ。100パーセントの的中率で。
勅使河原先輩もダメだった。いつになったらわたしにも恋人が出来るのだろうか。もちろん、ラブレターなんて書かなければ、こんなことにはならないとわかっている。
ただ、いまさら目隠しをして崖の上を歩くようなことが出来るだろうか? 未来の怖さを知ってしまった今、予知もしないで誰かと付き合うなんてとても。
だから、直接会って告白するなんて勇気はわたしには、ない。
++超能力者++
早坂 奈緒子(はやさか・なおこ)
ESP:未来予知を自動筆記する
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