たからもの。
「僕なんか」ってよくジョーが言う。
俺にとっては「なんか」じゃないのに、何回言っても聞きやしない。
だからある時言ってみた。
「お前は自分の大事なものを悪く言われたら嫌じゃないか?」
「そりゃ嫌だよ」
「だったら、俺の大事なもんも悪く言わないよな」
「当たり前じゃないか」
「じゃあもう「僕なんか」って言うな」
「――!」
ジョーは目を丸くして、それから、泣きそうな顔で微笑んだ。
それ以来、ジョーは「僕なんか」って言わなくなった。
俺に向ける笑顔が増えて、ジョーはもっと俺の大事なもんになった。
たからもの。
こちらでは初投稿です。
お目汚しすいません。
サイボーグ009でワンドロが始まると聞いて、面白そうだなと思ったのが始まり。
もっともこちらは絵ではなく字だし、CP要素有りだし、twitterの140字以内(タグ分を引くとさらに減る)で小説1本はさすがにキツイし、大体twitterのアカウントを作っていないので、参加できるわけではないのですが、自分で勝手に同じテーマで60分で1本書くというのをやってみるのはありだろうと思って、やってみました。
というわけで、009ワンドロに勝手にこっそり参加。
テーマは「島村ジョー」。140字オーバーで玉砕。
元々そういう書き方をしているものなので、人目に晒す予定はなかったのですが、絵担当の星野雪から「星空文庫を利用してみたいんだけど何かない?」と言われたので、出してみました、ということで。
人前に出すんだったらもうちょっと書きなおすとかしておけば良かったかな。
もう雪に渡しちゃったので今さらですが。
なんか雪が鉛筆描きの絵もつけてくれるということなので、ちょっと楽しみです。
また、こういうのは書くと思いますので、見ていただけると嬉しいです。