彷徨う光
彷徨う光
私はもう生きるのに飽き飽きしていました。
あゝ、また明日が来る、そう思ってしまうので御座います。
自身の首に、短刀を突き付け、自殺を図りました。
薄っすら開けた目の前にいまのは、大嫌いだった母に御座いました。
「」
母は私に何かを訴えておりました。
「お前など産まなきゃ良かったわ」
そう聞こえました。
私はそこで目が覚めたので御座います。
『あゝ、母には負けます…』
私はおいおいと泣いたので御座います。
その時私は悟ったのです。
母には勝てぬ、と。
最期に見届けて欲しかったのは。最期に私が助けを求めたのは母だったからです。
私を誕生させるのも 殺すのも 助けるのも 貴女次第でした。
私は「堪忍、堪忍」と、一言病室で呟いたのでした。
彷徨う光
このお話は僕と母親のあったことを元にしたお話になっております。