Birthday
Birthday
ここ数日母さんの様子が可笑しかった。
それは前から分かっていた事だったけれど
今回は妙に気持ちが悪い。
『今日は貴方のバースデーね?』
ああそうだったなとふと思い出した。不意に母さんが妖しく笑う。手元を見れば包丁。
(なんだ、そういうことか)
僕は思った。
父さんと死別してから僕を無理矢理抱くようになった。
昔母さんがぽつり、口にした言葉。
『殺したいくらいに愛してるわ』
父さんと重ね合わせているんだろうね。
「母さん、ごめんね」
そう言い遺し、僕はただただ耐えた。
これが最期になるのだからと。
犯されて心臓を突き刺され
『愛してるわ』
最期に母さんの声が聴こえた。
Birthday
これは狂気に満ちたお話になっております。
この作品は旦那が死んでしまったショックで、息子を旦那と見立てて愛するという作品になっております。