デジャヴー
長い年月をかけて、人類はテレパシーの能力を手に入れた
長い年月をかけて、人類はテレパシーの能力を手に入れた。
はじめはごく少数の人々が使える程度だった。その頃は、考えていることが読み取られてしまうからと隔離された存在だったが、やがてテレパスがあちらこちらに生まれ始めると、能力を持たない旧人類は衰退していった。
なにしろテレパス同士のコミュニケーションには言語の壁も偽りもない。顔を合わせるだけで、お互いの思考が干渉しあい、混ざり、瞬時に統合される。
情報の伝達も意見の統一も、一瞬のこととなり、人類は飛躍的に進化した。
やがて、進化を遂げた人類の手で、革新的な推進力をもった宇宙艇が開発された。これまで永遠の謎だった宇宙の果てへ。隠された神の領域へ、その一歩を踏み出そうとしていた。
そのとき、唐突に人々の心の声が断絶された。何が起きたのか、ひとまずはかつての旧人類のように言葉を使ってコミュニケーションをとろうとしたが、それはあまりに非効率で、お互いが嘘をついているかもしれないという不安は拭いきれない。
やがて互いに疑心暗鬼となった人類は宇宙艇の推進力を武力に変え、戦争をはじめた。
急激に進化を遂げていた人類は自らの技術によって驚くべきスピードで自滅を続け、やがて滅亡した。
宇宙艇、バベル号の残骸を残して。
++超能力者++
新人類
ESP:テレパシー
デジャヴー
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