腐れファンタジー(仮)1
途中です。続くかどうかわかりません。
勇者が魔王を殺害してから数百年。たまの殺人、窃盗はあっても世の中結構平和である。
ここに村がある。
ここは勇者生誕の地として知られている。
しかし勇者の生家はとっくに壊されて跡形もなく、かといってここで生まれましたよといった石碑の類もないのにどうして生誕の地と言えるのか。
厳かに地面に剣が刺さっているからである。当然抜けない。当たり前である。もし抜けたら勇者生誕の地であるという拠り所がなくなるわけで、あとは周辺の村と同じく老人ばかりとなって朽ちていくのみとなっていたに違いない。そうならなかったのは、かつて勇者が魔王を倒して故郷に凱旋したおりにいつか魔王が復活云々のこの剣を抜いたものが以下略なのであって、ここは勇者生誕の地に他ならない、と先代の村長が根拠薄弱をもろともせず吹きまくったおかげである。「本当かも知れないが違っているしれない。しかしただ一つ言える。とにかく先代の村長は偉かった」と村の老人ロデリックは言う。
お陰で雇用先はそれなりにある。観光目的でやってきた男や女と仲良くなるということも、まあ、あるにはある。若者にとっての希望がこの村にはあった。
腐れファンタジー(仮)1
途中です。