犬とボールと少年
広い広い草原を、犬とボールを小脇に抱えた少年が歩いていました。
「…いい天気だねえ、パトラッシュ」
少年の腕の中で、犬が身をよじっています。
「…よし、パトラッシュ、遊ぼうか?いいかい、ちゃんと取って来るんだよ」
少年は思いっきり遠くに犬を放り投げました。そして、
「さあ、パトラッシュ、取って来い!」
ボールはピョンピョン飛び跳ねながら犬のところまで転がって行き、犬を捕まえると転がりながら戻ってきました。
「偉いぞ、パトラッシュ!」
ボールは少年の周りを嬉しそうにピョンピョン、ピョンピョン。犬はすっかり目が回ってグッタリ、グッタリ。
犬とボールと少年
こういうのも、叙述トリックって言うのでしょうか?言わないですね、やっぱり。