文化祭

文化祭

大人

帝丹中学では、もうすぐ文化祭を控えている。
「ねえ、新一!文化祭の買い出し行かなきゃなんだけど、一緒に来てくれない??」
「ああ…?だりーな…」
「あー、ごめんごめん…新一疲れてるよね…他の子と行くね!…森本くーん!ちょっと文化祭の…」
「おい!別に誰も行かねーとは言ってねえだろ!」
「え、新一付き合ってくれるの?」
「あー、いいよ。」
「ありがとう!!」


「お待たせー!」
新一と蘭は1度家に帰り私服に着替えてから待ち合わせをしていた。
「ごめん、待った??」
そう聞いてくる蘭はノースリーブのトップスにミニスカートという出で立ちであった。
「……!!//コホン。いや、全然待ってねえよ…。じゃあ行くか!」
新一は蘭の露出にドキドキしながらなんとかポーカーフェイスで答えた。
「うん!」

町へ行くと、すれ違う人々が蘭に見惚れていた。
中にはいやらしい目で蘭を見つめるものもいた。
「……蘭!ちょっとあの店寄ってこーぜ?」
「え?うん、いいけどあそこ女物の店よ?」
「いいから…」

2人は店内に入った。
「蘭、これなんかどうだ?」
新一が取り出してきたのは半袖のカーディガン。
「わ、かわいい!でも、私今日あんまり持ち合わせ無いから…」
「気に入ったか?じゃあ買ってやるよ。」
「え!?いいよそんなの悪いよ…!」
「いいから貸せって!すいませーん…」
新一はほぼ無理やりカーディガンを購入した。

「ほら、蘭。」
「ありがとう!でも、ほんとに良かったの?」
「ああ、それより、早くそれ着ろよ。」
「うん、着てみるね」
ふぁさっ
蘭はカーディガンを羽織った。

(バーロー、、蘭のやつ露出高すぎなんだよ…野郎にジロジロ見られてんの気づかねーのか??)

「さ、行くぞ!」
「うん」


「これとー、これと、それにこれ!これだけで全部かな??」
「……ああ、それで大丈夫みたいだな。」


2人は会計を済ませ、店から出てきた。

「ほら、蘭。」
そう言って新一は蘭の持っていた袋に手を伸ばした。
「わっなに?…別に推理小説なんて入ってないわよ?」
「違うっつーの!!…ほら、持ってやるっつってんだろ?」
「え…大丈夫だよ!このくらい!それに新一だって持ってるじゃない!」
「俺は平気だから!ほら、早く貸せって!」
「…ありがとう、新一//」
「ああ」

2人は通りの多い道に出た。
「蘭、こっち歩けよ。」
そう言って新一は車道側に回った。
「えっ!あ、ありが…」
「おめーはいつまでたっても危なっかしいからな!」
「なっ…!」
蘭がお礼を言おうとすると、憎まれ口を叩く新一。
「ははっ」
「もうっ…」

段々と暗くなってきた。
2人は新一の家の前まで来た。
「じゃあね新一!今日は付き合ってくれてありがとう!またあした!」
蘭がそう言って歩き出そうとしたとき、
「おいちょっと待て…」
「ん?」
「送って行くに決まってるだろ、もう暗いんだし。」
「えっ!でもそれなら新一だって危ないよ!?」
「バーロー、お前は女だろ?ちょっとは意識しろよ!」
「…っ//大丈夫だよ!」
「いいから………。送ってく。」
そう言うと新一は蘭の手を取って歩き出した。
「きゃっ…」

2人は会話なく歩を進める。
蘭の家が見えてくると、新一はパッと手を離した。

「…新一?」
「……」
「ほんとに、今日はありがとう。新一すっごく頼もしかったよ。。でも、なんかちょっと私だけ置いていかれちゃったみたい…」
「え?」
「新一だけ大人になっちゃったみたい…」
「…バーロー、俺がお前置いてどっかいくわけねーだろ?」
「……うん、そうだよね!」
「ああ、じゃ、ここで平気か?」
「うん、ありがとう」
「じゃあまた明日な」
「うん、またあした。」

新一は蘭が家に入るのを見届けて帰路についた。

文化祭

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文化祭

  • 小説
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  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-09-01

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