Untitled #2

柿山伝説①


#2


国語の授業だ。
「先生!」
一人の生徒が大きな声でそう言った。
「なんだね?」
国語の教師は金田増岡先生だ。趣味はワープロらしい、なんでもワープロ検定で1級をとったとか……。
そして質問した生徒は問題児、柿山密路(かきやまみつる)だ。
教室の中にいる生徒の皆さんはざわざわとし始めた。柿山が授業中に手を上げることなど滅多、いや絶対にないことなのだから。
しかし現に手をピン! と教室の天井へ向けて伸ばしている。
「か、かみやまッ!」
先生は驚き過ぎてかんでしまった。
生徒諸君は柿山の方を見た。よく見ると姿勢も正しいではないか!
「「「ハッ!!」」」
ざわめきが一層激しくなる。
なにかの呪文を唱えている生徒や、あまり喋らない子までアアアアアア!! と言っている。
世界の終わり寸前のようなざわめきだ。
バン!
誰かが机を叩いた。
あまりにも大きな音だったので、皆はそっちを見る。
そこには、
「皆さん、お静かに……!」
無駄に迫力のある柿山がいた。
オーノゥ!!
教室のだれもが思っても見なかったことだった。
普段授業中でも腹踊りをし始める柿山が、お静かに、と言った……。
ガガガガガガガガガガガガガガ!!
教室が揺れた。
空想じゃなく、本当に揺れた。
生徒の皆々様はそれにも関わらず、逃げない。
先生は腰を抜かして倒れている。
柿山は無表情で倒れた先生を見ている。
生徒は窓の外を見た。
ビユオオオオオオン!
得体のしれない何か(UFO)が飛んでいる。
すぐに顔を柿山の方へ向けた。UFO等よりもこちらの方がとんでもないのだ。
地球外生命体(柿山)が手を挙げている。お静かにと言った。
バタン
一人の生徒が倒れた、手に白旗を持って。

「先生……」
もうこの世は終わりだ、誰もがそう思った。

この間に世界各地で火山噴火、洪水、竜巻などの自然災害が起こり、地球は本当に終焉への一歩手前まで来ていた。

「俺……」
バリン!
木の破片が飛んできて窓に突き刺さった。
生徒達は、この世界の終焉を見守ることしかできない。
そう思っている間にも、柿山は発表を続ける。
「俺はあることを思いついたんです」
先生はとっくの昔に倒れてしまっている。安らかな顔色で。
最後だった。地球の最後が、こんなことで終わるとは思ってもみなかった。

最後の一言が、遂に……!!


「父さんの会社が倒産しちゃった、なんちって☆」
「「「……………………………………………………………………………………!?!?!?」」」

その後彼らの姿を見たものはいない……。



「ハッ!?」
一人の少年は夢から覚めた。そして、眠った。

Untitled #2

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今日も平和……なのか? 滅茶苦茶ドタバタな#2です! すぐに読めますので読んでみてください!

  • 小説
  • 掌編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-08-31

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