片翼
この翼は、どこまで翔べるだろう。
空へ手をかざして、指の隙間から眺めて
いつも物欲しそうにしていた。
だって翼があるのに
翔べない。
汚れてるから...
君を見つけた日
この目は、要らない。
何度そう思っただろう。
だけど、なければ、君に出会えなかったから
君のおかげで、少しぐらいは存在価値を見出せたんだ。
......だから、俺は...
霊がみえる。それが俺の目だ。
小さい頃から当たり前に見えていた。
小学4年の頃、遠足に行った時だった。お弁当を食べている
すぐ近くの木で、首を吊った女を見てしまった。
でも、俺以外の友達は誰も騒がないし、
そもそも「見えてない」んだと気付いた。
今迄、霊がみえるのは普通だと思ってたのに...
この目を恨み始めたのは、この頃からだ。
そんな恨みを持ちながら、俺は高1になった。
今は、とある雑誌のモデルをしている。
両親が勝手に推薦を送ったらしく、ある日突然今のマネージャーに
声をかけられた。
成り行きでやってみたら、意外と楽しかった。
撮影中は、日常から目を背けられたし、ポーズが決まっただけで賞賛を貰える。
おかげで今は、表紙に出たりと自分でも向いてると思った。
片翼