片翼

この翼は、どこまで翔べるだろう。

空へ手をかざして、指の隙間から眺めて
いつも物欲しそうにしていた。

だって翼があるのに

翔べない。

汚れてるから...

君を見つけた日

この目は、要らない。

何度そう思っただろう。

だけど、なければ、君に出会えなかったから
君のおかげで、少しぐらいは存在価値を見出せたんだ。

......だから、俺は...



霊がみえる。それが俺の目だ。

小さい頃から当たり前に見えていた。
小学4年の頃、遠足に行った時だった。お弁当を食べている
すぐ近くの木で、首を吊った女を見てしまった。

でも、俺以外の友達は誰も騒がないし、

そもそも「見えてない」んだと気付いた。

今迄、霊がみえるのは普通だと思ってたのに...
この目を恨み始めたのは、この頃からだ。


そんな恨みを持ちながら、俺は高1になった。
今は、とある雑誌のモデルをしている。
両親が勝手に推薦を送ったらしく、ある日突然今のマネージャーに
声をかけられた。

成り行きでやってみたら、意外と楽しかった。
撮影中は、日常から目を背けられたし、ポーズが決まっただけで賞賛を貰える。
おかげで今は、表紙に出たりと自分でも向いてると思った。

片翼

片翼

天使や悪魔に出会った男の子の物語を 書いていきます

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 青年向け
更新日
登録日
2014-08-30

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  1. 1
  2. 君を見つけた日