不良少女
ある日の雨の日の事だった。安佐祢高校に一人の不良少女が居た―…
彼女の名前は不知火小鳥。安佐祢高校一の不良生徒。
なのだが、彼女は普通の不良の様に口調は乱暴ではない上に外見はごく普通の優等生。
だがやはり彼女は不良なのだ。
「不知火小鳥!!」
と一人の女が私に話し掛けて来た。こいつは月明潮南、私に毎朝、雨の日も風の日も喧嘩を売ってくる五月蠅い奴。
「……今日も五月蠅いですね」
と言い、私はニッコリと笑顔を作った。
月明は「なっ! 五月蠅いとは何さ!五月蠅いとは!!」と言ってムキになり殴り掛かって来た。
私ははぁ……と小さく溜息をし、ふわりと避け竹刀でバシッと月明の頭をしばいた。
「っ痛ったぁ!? 何も竹刀で殴らなくたって……」
と涙目な月明。私は
「殴ってません、しばいただけです」
と言い、またニッコリと笑顔を作った。
「お、同じだよっ!」
「はいはい、分かりました。では私が勝ったので」
と言い、スッと月明に手を出した。
「千円、下さいよ」
「は!? 何であんたに!?」
月明は有り得ないでしょっと言い立ち上がった。
「私が勝ったんですよ? 勝った方に千円渡す決まりじゃないですか」
またもやニッコリと笑った私、だが月明は頑固なのだろうか、「絶っっ対あたしが負けたなんて認めないからっ」と意地を張っていた。
「もー面倒臭いですねー……あ、分かりました。如何して何時も負けた時に千円出して今日は出さない理由」
月明はギクッと言う反応をした。
「金欠ですね」
すると図星だと言わんばかりの冷や汗をかいていた。
「なるほど、図星ですか、図星なんですね」
と言い、私は学校へと続く通学路を早足で歩いて行こうとした。だが、月明に「ちょっ勝ち逃げするつもり!?」と言って来た。
だけど私は無視してさっさと行った。
そして歩いていると交差点から「こっとりー!」と呼ぶ元気な声が聞こえた。
私は何時もの笑顔で「お早う御座います」と挨拶をした。
「おっはよー!!元気そうだな!!!」と言って寄って来た。
不良少女