7月の花嫁

ハイビスカスのブーケが彩る強烈な一撃で
いつでもあなたを落としてみせるわ

指輪に煌めくのはダイヤモンドじゃなく
太陽のような灼熱のルビー
純白のドレスを染めるイロハ
どう紡ぐかはあなた次第

雲ひとつない青空の下
霹靂のひとつあるといいわね
特別な日
一生の思い出に残るように
幸福に溢れる手を取るの

ねえ
ヴェールの下に隠してる微笑を
独り占めしたいと思ってるんでしょ
分かち合いたいと思ってるんでしょ
だからあげるわ、わたしの選んだ人

歓迎の空間の中
露になったわたしの唇へ
危うさのないその口づけは
眠れる女を目覚めさせるもの?

これから魅せて
いま目の前に広がる一本の道筋で
阻むものなどないように

不幸の種は犬に喰わせて
盛大に咲き開かせて
後にも先にもない
唯一無二の祝福を

落ちるブーケの行く場所なんて
知った事じゃない

7月の花嫁

7月の花嫁

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-08-24

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