神様
何かを評価して、そのレベルを表現するのに、例えば、星を並べてその数で表してみたり、金銀銅などの金属や松竹梅などの植物に例えてみたり、様々なやり方があるが、最近、アンドロイド携帯などのアプリについて、「神アプリ」と称して最高ランクであることを表す例をよく目にするようになった。
話しかけると音声を認識して、英語、フランス語、中国語は言うに及ばず、数十種類の言語への翻訳が可能で、発音までしてくれるアプリや、ワインのラベルやDVDのジャケットなどの画像を解析して品名を判別し、関連する情報をネットから探してくるアプリなど、少し前まではSFの世界でしか見ることのできなかったような働きをするアプリに出会うと、「神」という表現にもそれほどの違和感はない。
ところで、これらの奇跡のような機能を実現するために用いられているのが、クラウドコンピューティングの技術である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Cloud_computing.svg
もしも、いつか、孫でもできたとして、その幼子が「小さな携帯端末の中はどうなっていて、どうしてそんなに凄いことができるの?」と聞いてきたとする。
そんなときは、おもむろに端末に向かって「クラウドコンピューティング」と話しかけ、ネットからシステムのイメージ図を検索して画面に表示し、雲のようにモコモコした絵の中にあるサーバーを指差しながら、ネット社会を支えている技術について説明してあげることにしよう。昔、父がテレビが映る秘密を教えてくれたように。
説明を聞いた、その幼子は、雲の中のサーバーを神様だと思うに違いない。
神様