愛情貯金~Affection Savings~
<峰川紗悠とかいう人の初投稿作品、処女作>
~作者より~
初投稿ですので暖かい目で!
作者は恋の真っ直中だったりするので張り切ってます!
夏休みの終盤に書いてますが宿題は終わってますからね?
0.「去人」~Leaver~ 0-1
熱い。熱くてたまらない。胸が熱くてとても痛い。
今まで体験したことの無いような痛みが私を襲う。
無数の槍が胸を貫いていくように痛みが収まらない。
私は痛みから耐えるようにうずくまっていた。
『涼架』
脳内に私を呼ぶ声が響く。
聞き慣れた澄んだ声に反応し、俯いていた頭を起こし顔を正面に向ける。
気づけば私は四方八方純白の世界にぽつんと1人体操座りをしていた。
それは何もかも吸い込んでしまいそうなほどに白く広く。
顔を上げ、視線を前に向けるとそこにはくっきりと彼の姿が。
「み……湊?」
私は掠れた小さな声で彼を呼ぶ。
私は彼と視線を合わせようと立ち上がる。
目の前の彼は私の声に反応したのか少し微笑む。
そして
『 』
彼はある一言を発した。
それはとても落ち着いた様子で。
でもそこに『声』は存在せず、口の様子しか見ることが出来なかった。
が、私は彼の姿を視線をずらすことなく見ていたため、全文字しっかりと感じ取れた。
全てを感じ取った刹那、彼の姿が霧のように純白の世界に吸い込まれていった。
そしてその言葉を理解した瞬間に今まで以上の激痛が胸を襲う。
「いやあああああああああ!!!」
0.「去人」~Leaver~ 0-2
しかし少女の可憐かつ悲痛な叫びもこの空間に吸い込まれ揉み消される。
彼の優しい笑顔から放たれた言葉は残酷なほどに彼女の心を深く広く貫いた。
彼のたった『四文字』の言葉が。
『さ』
『よ』
『な』
『ら』
彼女はただ広く広がるこの純白の世界で涙が枯れるまで叫び続け泣き続けた。
いや
涙が枯れてもなお
1.「起点」~Starting Point~ 1-1
ーー彼との出会いはそう……2年前の春だ……
愛情貯金~Affection Savings~