飽きられている
トンネルを進んでいる
僕が死んでも迷わないように
涙を流して跡を付けながら
橙の光はつるつるとした温かさを放ち
暗闇に単一の明るさを押し付けている
プラスチック製の若者たちは
笑顔のまま表情を変えられないでいる
皆肌をやすりで削って中が見えないように注意して
無関係な僕は無機質な足音を立てながら
真っ白な光の方へただ進んでいく
ただクリアーなままでいたい
そう思う事が一番美しいと教わった
辿り着いて目を開けると
そこには死んだように白い天井があるばかりだった
飽きられている
ありがとうございました。