飽きられている

トンネルを進んでいる
僕が死んでも迷わないように
涙を流して跡を付けながら
橙の光はつるつるとした温かさを放ち
暗闇に単一の明るさを押し付けている
プラスチック製の若者たちは
笑顔のまま表情を変えられないでいる
皆肌をやすりで削って中が見えないように注意して
無関係な僕は無機質な足音を立てながら
真っ白な光の方へただ進んでいく
ただクリアーなままでいたい
そう思う事が一番美しいと教わった
辿り着いて目を開けると
そこには死んだように白い天井があるばかりだった

飽きられている

ありがとうございました。

飽きられている

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-08-18

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted