school✵survival
「すげー!さすが真琴!」
「お菓子屋の娘なだけあるな!」
「・・・いや、真琴先輩が作ったのはオムライスですよ。
だからお菓子屋ってのはあまり関係ないんじゃ・・・」
「亜希。この人バカだから。そんな説明じゃ理解できないわよ」
「おい!バカってどーゆーことだよ!早那!」
「どーゆーことって・・・そのままの意味よ」
「じ・・・じゃあ、お前はこの私がバカだと言うのか?」
「違うの?」
・・・相変わらずだなあ・・・みんな・・・。
いつもの馬鹿騒ぎを見て私はため息をついた。
もしここに鏡があったらその鏡には苦笑を浮かべた私が写っているのだろう。
「・・・まったく二人とも落ち着いて。ほら早くしないとオムライスが冷めちゃうよ」
というと今度はオムライスの分前を巡る争いが始まった。
「二人とも喧嘩すんなよな。ちゃんとアタシが分けてあげるから。ホラ、二人とも
おとなしく座って。真琴と亜希も」
「あ、うん!」
「はい!」
「いただきまーす!」
私たちはしばらく無言になった。
なぜならオムライスを食べるのに夢中だったからだ。
・・・自分で作っといて自分でいうのもアレだが、
オムライスは絶品だった。
さて、ここで自己紹介をしておこう。
私は七海 真琴(ななみ まこと)。
有名菓子店の娘、ということを除いてはごく普通の高校生。
遺伝かどうかは知らないけどなぜか料理の才能はあるみたい。
まあ、それ以外は普通なのでこの才能を除けばきっと、
“とくになんの取り柄もない地味な女”になりさがってしまうだろう。
特にこの部はみんなキャラが濃いのでもし私に料理の才能がなかったら存在自体気づかれないのかも
しれない、と本気で思う。
そして通称“バカの子”が久藤 絵梨(くどう えり)。
私の同級生で校内トップ5に入る不良生徒。といっても根はいい人で困った人は放っておけない質だと
言っていた(本人が)それが本当かはわからないがでも後輩の面倒をみたりしているのであながち嘘では
ないのかもしれない。
で、彼女と対立してたのは四ツ谷 早那(よつや はやな)。
長い髪を後ろで一つに束ねていて色白な美人さん。だけど男子がよりつかないのは彼女の魅力の一つでも
ある瞳だと思う。別に目つきが悪いわけではない。
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