花散る向こうに

花散る向こうに

進撃の巨人ですがオリキャラがメインです(笑)
あと、文章がめっちゃくちゃ下手くそです(笑)

ざわざわ…木々の音が薄暗い森の中に響き渡る。そんな中、一人の少女が草の上に座って本を読んでいた。髪は横に結んでいて、瞳の色が綺麗な水色をしている。
 と、男の子が走って来て少女に飛びつく。
『えへへ、捕まえたぞ』
『エレン…突進はやめて。とても、痛いのよ?』
エレンと呼ばれた男の子は笑う。と、エレンの後ろには女の子が立っていた。年は、エレンと同じくらいで黒髪に黒目をしていた。
『ミカサも来いよ』
『ほら、読み聞かせするからおいで』
少女が言うとミカサは近づく。そして、二人が座ると本を読み聞かせをする。
『昔々、小さい村がありました。その村に一人の美しい女の子がいました。女の子は長い黒髪に銀色の瞳をして、いつも村の外れで遊んでいました…』
 少女が読み聞かせをしていると、いつの間にか二人の男性が立っていた。目はまっすぐ、エレンとミカサに向けられており、今にも手を出しそうな感じだ。
『貴方達は誰ですか?言っとくけど、この子達に手を出したら許しませんから』
『ほう…貴様がエイン・イェーガーか?』
右側の男性が嘲笑ぎみに言うと、エインと呼ばれた少女はミカサとエレンを後ろに庇う。
『そうですけど?』
『強気な女だな…ま、俺達はガキに興味は無くお前に興味がある。一緒についてくるなら、何もしない』
『断ります。行くよ、エレン、ミカサ』
エインが二人を連れいて行こうとした瞬間、左側の男性がエインの首を掴もうとする。だが、回し蹴りを食らわせよろける。その隙に手を繋いだまま走り出す。だが、残っていた男性がミカサの服を捕まえて、引き離す。
『ミカサ!』
エレンが叫ぶと、エインが突進してミカサを取り返し『走って!早く!』そう叫ぶ。
『でも、姉ちゃんを置いて行けねぇよ!』
『お願い、言う事を聞いて!ミカサ、エレンを連れて行って』
エインの手がエレンの首筋に手刀を入れて、気絶させる。ミカサはエインを見るが、意を決した様に走り出した。
後ろを振り向かずに走り続ける。エインはそれを見て一先ず安心をする。
『さぁ、一戦交えましょうか』
『面白いな…』
 それきり、エインは戻る事は無かった…。

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ウォール・ローゼ内部。そこには、巨人から難を逃れた人々が暮らす場所であり、調査兵団、憲兵団、駐屯兵団などの兵が存在する。
 調査兵団はエルヴィン団長率いる国外調査を行う兵士達で、死者も多数出ている兵団だ。
そんな調査兵団の中で特別作戦活動班がある。そこには、人類最強と呼ばれている人がおり、巨人化出来る人間も存在していて、何十回も国外調査をしているる。
「エレン、リヴァイ兵長が呼んでるぞ」
ジャンがエレンに言うと「リヴァイ兵長が?」疑問文になった。
リヴァイとは、『人類最強』と謳われていて、兵長の資格も持っている人物だ。
「だったら、少しこれ頼む」
エレンはジャンに雑巾を渡し、リヴァイがいる場所へと向かう。扉を叩くと「入れ」と言う声が返ってくる。「失礼します」お辞儀しながら入る。
「何でしょうか?」
「この書類をぺトラに渡して来い」
「ペトラさんにですか?解りました…」
エレンが出て行こうとした時、「お前に妹か姉はいるか?」とリヴァイが聞いてくる。
「あ、はい。姉がいました。でも、姉は昔に消息を絶っていて生きてるのかも解りませんけど」
「そいつの名は何だ?」
「名前ですか?えっとエイン・イェーガーです」
笑いながら言うとエレンはもう一度、お辞儀をして退出した。リヴァイは椅子に腰かけ、引き出しの中から二枚の写真を取り出した。そこに写っていたのは、幼きエレンとミカサ、そして真ん中には一人の少女が笑顔で写っている。
 もう一枚の写真には集合写真で色んな人が写っている写真だ。リヴァイは写真を引き出しに仕舞うと部屋から出て行く。

 書類を持って歩いてたエレンは「何処に行ったんだろう…生きてるのかな?」と小さく呟く。脳裏では幼い時の思い出が浮かぶ。ミカサやエレンと一緒に遊んでるエインなど、思い浮かべて思わず笑みが出る。そして、リヴァイ班がいる場所に着き、ペトラを探した。すると、馬の世話をしていたお姉さん的な女性がいてエレンに気付くと「エレン。その書類はどうしたの?」訊いてくる。
「リヴァイ兵長がペトラさんにって…」
「もぅ、大変だったでしょ?ありがとう」
ニッコリ笑うペトラにエレンも笑い返す。そして、ミカサ達がいる所に向った。
「お、エレンじゃないか」
髪を後ろに結んで眼鏡をかけた人が喋りかけて来る。
「ハンジさん…どうしたんですか?」
「いや~エレンが歩いてたから、声かけただけだよ。でも、エレンって、エインに似てるよね~」
「エイン…?」
エレンは驚くと「エインを知ってるんですか!?」と勢いよく聞く。
「知ってるよ?どうして、エレンは知ってるんだい?」
「エインは…実は俺の姉なんです…」
「へぇ~だから、似てたんだ。納得」
一人で頷いてるハンジにエレンは「エインの事教えてください」そう頼む。ハンジはウィンクすると、地面に座って話し始めた。
「エインは私達と同じ同期で、私やリヴァイに刃などの使い方を教えた人なんだよ。まぁ、私が入って来る時には、もういたんだけど。何かね、表情がとても堅くてあまり笑わなかったけど、任務の時に小さい男の子や女の子を見て優しそうな笑みを浮かべていたんだ。だから、兄弟でもいるのかなって聞いたら『いたけど、もう会ってない』って言ったんだよね。しかし、驚いた。エレンとエインが実の姉弟だなんて…」
「その後はどうしたんですか?」
「政府からの命で調査兵団から抜けて、国の上層部に入ったんだ。それっきり、会ってないし聞いても無いんだ。まぁ、多分『特別作戦調査団』にいると思うけどね」
「特別作戦調査団ってなんですか?」
「内容は調査兵団と同じだけど、色んな作戦を考えて各リーダーに出してるんだ。それを元に考えて実行するって感じだけどね。もちろん、中々入れない所で周りからしてみれば、凄い事だと思うんだけどね~」
 ハンジが言うと遠くから煙弾が挙がる。それは巨人が現れたと知らせる信号ですぐさま、現場に駆け付けた。
城の壁の上から見ると、五体ぐらい巨人が近づいていた。砲弾を打ち始めるが、遠くから沢山の影が見え始める。
 エルヴィンはその惨状を見るか否「反撃開始!」と合図する。その言葉に兵士達は次々に城の外に降りる。立体起動装置を使って木の枝や幹にフックを差し込みながら、超硬質ブレードで巨人のうなじを削ぎ落とす。
リヴァイもすぐ駆け付け巨人を駆逐始める。人類最強と謳われているだけであって、一機に巨人を二体、倒すことが出来る。
 エレンは巨人化しようとするが、それをペトラに静止された。
「今、巨人化したら壁が壊れるわ!落ち着いて!」
「ですが…!」
余所見した瞬間、巨人の手がペトラを捕まえた。巨人はペトラを喰おうとした時、一人のフードを被った人が巨人の手を切り落とし、ペトラを助ける。そして、安全地の壁の上に下すと「大丈夫か?」と声を掛ける。
「あ、ありがとうございます…大丈夫です」
 フードを被った人は立体起動装置を使って、巨人を一機に三体倒した。その光景を壁の上から見ていた兵士達は感嘆の声を上げる。エレンもその光景を見ていた。
次々に同じフードを被った人達が現れ、駆逐していく。
その様子をハンジがリヴァイに「もしかして…」と呟く。ただ、リヴァイは無言のままで見ていた。
 そして、巨人を倒し壁の上に降りた。それに続いて他の人も下りて来る。
よく見ると、フードの後ろと右肩、右上に馬と蛇を基調した紋章を付けていた。
「君達がなぜこんな所に…」
兵士の一人が呟き、最初のフードの人が「私達はただ、国の命令で来ただけだ」静かに言う。
「おい、それだけじゃないだろ」
リヴァイが言うと、少し口角が上がる。
「さすが、リヴァイだな。いつから私に気付いてた?」
「最初からだ。好い加減にフードを外したらどうだ?」
そして、フードを外すと水色の美しい瞳、黒茶色の長い髪、そしてエレンに似ていた。周りの人達はざわめきを隠せず、エレンと女性を交互に見つめた。
「エイン…?本当に、エインなのか?」
「久しぶりだな、エレン。って言っても、ダメか…」
「エイン大佐、知ってるんですか?」
髪が短く、身長も少し低い女性が言う。エインは笑うと言った。
「私がここに入るまで一緒に戦ってた人達だ。で、目の前にいる二人が弟と妹」
エレンとミカサの頭にポンッと手を置いて撫でた。案の定、二人(主にエレン)は事態を飲み込めずにいる。
「でも、どうして私達に生きてるって伝えてくれなかったんだい?」
ハンジの言葉に茶髪をした少女が「貴方達には関係ない事です」と言う。
「君に聞いてないよ。私はエインに聞いてるんだ」
 その言葉にエインは「ウラン、大丈夫だから少し静かにしてくれ」と言う。
ウランは「でも…」そう言いかけた口を閉じる。
「言い訳に聞こえるかもしれないが、言おうと思ったんだ。でも、任務や政府から「他の奴に接触するな」って足止めされてて、気付いたらこんなに時間が過ぎていたんだ」
「でも、手紙とか書けただろ?」
エレンの言葉にエインは瞼を降ろして「それも考えたがすぐにバレると思ってな」そういう。
「でも、ごめんな。ミカサ、エレン。ずっと黙ってて」
「私は大丈夫。ちゃんと、エインさんの言いつけ守ってました」
「すまない…それに、そろそろ本部に戻らないといけない」
「おい、待て」
今まで黙っていたリヴァイが口を開く。エインはピタッと動きを止めてリヴァイを見た。
「いつ、真実を話すんだ?」
「話す時が来たら話す。それでも、聞きたかったらシガンシナ地区まで来い。そしたら、話しても良いだろう」
「チッ…」
小さく舌打ちするリヴァイに「私は信じてるぞ?なにせ、私が教え込んだ弟子だからな」イタズラっぽく言うと踵を返した。
 それに続いて仲間もエインの後に続く。
「な、何だ?!あの大きい影は…!」
兵士の一人が悲鳴じみた声で呟く。それにつられ、皆も同じ方向を見た。確かに普通の巨人と違って体が大きく、腕も長かった。それだけでは無い…。何と毛が生えていたのだ。
「大佐、奴は…」
「あれは…獣の巨人か?」
「まずいぞ、あの巨体で突進されたら壁が壊れてしまう!」
エルヴィンが言うと「戦うしかないな…」静かにリヴァイが呟く。
「エルヴィン、少し耳を貸せ」
エインが言うと耳打ちをする。そして「まず、獣の巨人を倒す班と周りの雑魚共を駆逐する班に分ける。獣の巨人はリヴァイが指揮を取る。んで、雑魚共を倒す班は私が指揮する。エルヴィンは全体の隊長だ。作戦は同時に行う」エインが言う。
 さすが、大佐の資格を持つだけであってすぐ作戦を考えて言った。
「よし、皆は戦闘の準備だ。俺が合図したら一斉に攻撃を仕掛けろ」
エルヴィンの手が上がり、下におろされた瞬間一斉に攻撃をする。チームワークで二手に分かれ、獣の巨人の周りにいる巨人を倒し始め、その間に獣の巨人を倒す班が切りつける。
 が、ビクともしないで下ら辺にいる兵士たちを喰い始めた。
「全員、四方八方に散れ!その後は傍にいる奴とペアを組み、うなじを狙う!」
エインの言葉に周りの兵士達は四方八方に散り、ペアを作る。そして、獣の巨人の手や足を避けながら巨人を駆逐し始めた。
エレンはミカサとアルミンと組み、力を合わせる。と、「大佐!後ろ危ないです!」ウランの声と同時に、エインの視覚が何かによって奪われた。
 今度は視界がグニャリと曲がり始め、急速に落ちて行った。どうやら、獣の巨人によって捕まり、投げられたのだろう。
勢いよく投げたため、エインの体が木に打つかって真ん中から折れた。
地面に強く身体を打っていて、立つ事さえままならない。幸いにも意識だけは無事で理解しようと頑張るが、激しい頭痛が襲って来て理解できなかった。
「エイン大佐!」
「エイン!」
エレンとシェンが同時に言うと、獣の巨人はエインを掴み、持ち上げた。
「くっ…離せ…」
もがくが力が入らない。エルヴィンやリヴァイ、ハンジも緊急で駆け付け取り返そうとする。
「全員でエインを奪還せよ!」
エルヴィンの言葉に皆は獣の巨人に攻撃を集中した。

だが、それも虚しく次々兵士はやれていった。
 エインの仲間も助けようとするが、周りの巨人が邪魔で近づく事が出来ない。
獣の巨人はエインを見て『見つけ…た…』と呟く。エインは驚き、周りにいる兵士達も驚く。
「巨人が喋るなんて、そんなの存在するのか…!?」
力なく呟くジャンにコニーが「弱音吐くな!それでも調査兵団かよ!」と喝を入れる。
「コニーの言うとおり。今は、エインさんを助けないと」
ミカサの言葉にジャンは体に力を入れ「その通りだな…」と呟く。そして、立体起動装置で獣の巨人の肩にフックを入れ、速いスピードでエインが握られている左手に刃を差し込む。
 獣の巨人の左手が緩んだ隙にエインを助ける。フックを木に刺し、安全な城壁の上に飛び降りた。
「すまない…助かった…」
エインの言葉にジャンは少し顔が赤面する。それを見たサシャは含み笑いをした。
「大佐!大丈夫ですか!」
「シェンか…?大丈夫だ、肩と左肋骨にヒビが入っただけだから…」
そう言い立ち上がろうとするが、足も挫いてるようで上手く歩けない。
「無理に動かすな。悪化するぞ?」
リヴァイが言うと「これぐらい平気だ。私一人のために犠牲は出したくない」と呟く。
「兵士長の言う通りです。それに、もう終わりましたよ!」
シェンの言葉に皆は外を見る。エルヴィンの指揮と皆の協力で獣の巨人は退散していく。
「よし、全員撤収だ」
エルヴィンの言葉と共に兵士達は引き上げて行き、エインとその仲間の周りを囲む。
「怪我は大丈夫か?」
「ああ…本当にすまない。心から感謝している」
ウランに支えられながらエインが感謝の言葉を言うと「それにしても、珍しいね。エインがあんなミスをするなんて」ハンジが言葉を漏らした。
「それを言われてみたらそうだな…」
 エインにしては珍しくハンジの言葉にビクッと体を震わした。それを見た優しそうな女性が口を開く。
「エインは、ここに入る前に大切な人を巨人によって奪われたのよ。それが脳裏に裏返ってミスをしたと思うの」
「大切な人?」
エレンの言葉に女性はコクリと頷く。
「その人は、私の実兄でもあり対巨人の道具を作った発明王と呼ばれてる人だけどね」
 その言葉に微かに動揺した人が多数見られる。
「発明王?」
エレンの言葉に女性はただ悲しそうに微笑んだ。
「クロム…」
「本当の事を言ったらスッキリするでしょ?」
クロムの言葉にエインは暫しの間、目を閉じた。そして、開いた時には最初に会った印象に戻っていた。
「ありがとう、この恩はいつか返す」
「その状態で帰るのか?今日だけここにいとけば良いと思うが」
「しかし…」
「そうだね!良い案だよ、リヴァイ」
ハンジの嬉しそうな声に「頼む。今日はここにいてくれ」とエレンまで頼み込む。
「遠慮しないで、お言葉に甘えましょうよ!」
ガラッと変わったウランが無邪気に言う。
「そうだな…じゃぁ、今日は宜しく頼む」
「よし、今日は少し盛大に行くか」
「「「よっしゃー!」」」
皆が嬉しそうに喜ぶ。その光景を見たエインは自然と顔が綻び始めた。そして、天を見つめ誰にも聞こえない声で「アンヘル…ありがと。この恩は一生忘れない…」と小さく呟いた…。

花散る向こうに

まだまだ、続くと思うので宜しくお願いします!

花散る向こうに

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-08-15

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