何者にもなれない
何者にもなれない今日の午後は晴天で
何者にもなれない僕の頭上で
太陽は心を無くして輝き続けている
蒸し暑い夏の空気に乗って
十人十色けだるげな音が運ばれてくるけれど
君は君のまま元気に違いない
僕も僕のまま不機嫌なはずだ
何者かになりたかった僕に聞いてみる
それは本当に必要なことかな?
少し先に立っている僕が答える
それは本当に必要なことなんだよ
今の僕は考える
なにもかも飲み干してしまえそうだと
それぞれ正しいのだけれど
それぞれがなんだか虚しく見えてしまうから
生きようとしなくても生きてしまう僕を、君に塗り替えてほしいから
僕は絵筆をプレゼントするよ
何者にもなれない
ありがとうございました。