時限爆弾

まど

愛を知った私は 少し遅れて憎しみを知りました
紙一重の転換点はきっと
幸と不幸の天秤が崩れる時

幸福とは 時間で薄れゆく消耗品
だから我々は それが消えてしまわないよう
抱擁によって互いの幸せを調節し合い
その総量を 愛する人と同量に分配する

しかし あなたは私の差し上げた幸福を奪い去り
あろうことかそれを費やそうとしている
愚かな男に 愚かにもあなたはそれを費やそうとしている

あの頃のキッチンタイマーは今も動いています
しかし いつ壊れてしまうか分からない
分水嶺は 私にも不明瞭です
平穏な時を刻んでいたタイマーが ある時刻を指すなり
一瞬にして 一切を破壊する残酷な爆弾に変わる

今日は 悪魔の寄り添う十六日
あなたが狂気と言い捨てた私の感情は
あなたへの 純粋な 愛に他ならなかった

時限爆弾

横須賀線電車爆破事件に感銘を受け(断じて「感動や共感」ではなく「印象に残った」の意です)

時限爆弾

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-08-12

CC BY-ND
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