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蝶々の過失を追いまわした かの島へ

鍵もなくなく家路へ駆ける 少女はくるう

かんかん照りの常識と不義理と

迷いこんではお天道をしゃぶり

いつか()るぞと意気込んでいた

にべもなく 親しげな風情もなく

どことなく(いびつ)な平和を規律ただしく三食くらい

まずいまずいと痩せ我慢こらえ

つかの間へと籠もりゆくのか



クレパスで描いた似顔絵に血だまりの暴言が浮かぶ

弦がちぎれるほど虚ろな魂が

不健康な道徳しょって待っている

病だれの意義すらしらず

十数枚の宿題だけが 机上からさめざめと失踪する

おさえきれない

欲望はとめどなく

あれを大人と呼ぶのであらば

少女は何処へと芽をだすか



「だがしかし」は罪悪の(うみ)

暴走も安穏も一緒くたといえるのか

他人は無関心より温いといえるのか

少女は何処へと芽をだすか

問いかける かの島の純情へ

いつか()るぞと意気込んで

記憶の網をかけてゆく

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「蝶々の過失を追いまわした かの島へ 鍵もなくなく家路へ駆ける ……」

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-08-10

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