世界の汚れを見すぎた自分。 世界の理を知らない恋人。

世界の汚れを見すぎた自分。 世界の理を知らない恋人。

みくお

産まれてから他の人とは違う世界を歩いていた自分。
苗字が変わったり
愛されることを知らなかったり
ちゃんとした親さえ失ったり
友達さえも失っていったり

そんな自分は一人の人が好きだったのです。


キッカケは…………同じ趣味だったんです。

<プロローグ>春の別れ、春の出会い

小学校を卒業した自分。


自分の小学校は3つの中学校に分裂する。
だから一部の友達とは離れてしまうのだ。


「バイバイ!!みく!!元気でね!!」
「立派な漫画家になれよ。じゃあなみくお。」

自分はまぁクラスではごく普通の存在であり、漫画家になるのが夢で毎日休み時間には絵を書いていた。


よくクラスメイトが絵を見に来て誉めてくれたり、『絶対漫画家になれるよ!!』とお世辞を言われるのも毎日楽しかった。


小学校を離れるのはとても辛かったが、親友の2人とは離れなかったし中学校生活が待ち遠しい気持ちもあった。


今でもたまに卒業アルバムは見る。


「はは、はづき(親友)の近くで写真とるといつも写りが悪くなるんだよな。」



中学校準備の3週間は直ぐに過ぎていった。

慣れない場所

三才年上の友達から制服をお下がりとして貰い、新たな環境へと歩き出す自分。


はづきと瞳(親友2)と共に校門を通る。

はづきとはクラスは同じ二組だったけど、瞳とは別クラスの五組になってしまったようだ。


クラスの場所を先生に教えて貰い、歩く。


ドアを潜ると、他の小学校にいた生徒と見られる人達が半分ほど座っていた。


緊張しつつ校章を受け取り、自分の胸につける。
「おー、みくお!!」
仲が良かった男子の植野の声だ。
「やぁ植野!お前相変わらずチビだなwwww」
「お前に言われたくないww」


正直自分は男子の方が仲がいいのだ。自分が見た目と共に男っぽいから。



自分の席は………後ろから二番目の席。回りには異様に背が高い多分野球部に入るであろう坊主頭とバスケ女子っぽい女子。



「えっと、よろしく」
少し恥ずかしいけど、声をかけたら
「あぁ、うん!」と元気に返事をしてくれた。



_____________
どんどん入ってくる自分のクラスメイト。
知らない人が殆どで緊張が止まらない。


自分の隣の男子は昭和からタイムスリップしてきたような顔をしたヤツだった。これまた背が高くてムカつく。

通路を挟んで隣は愛称【はまちゃん】で小学校の頃仲が良くて頭が良い男子。
とても安心した。



自分は結構人見知りが激しい一面もある。初めての環境に置かれたらとにかく人の顔をみる癖がある。



教室には個性豊かな人がいっぱいいた。



その中でも自分と同じく絵を描くのが好きな人もいたり、
自分と同じくゲームが好きな人もいた。



隣の席の田名網と言う苗字の昭和野郎(心の中ではそう呼んでる)の周りには、


田名網を含めて自分と同じソフトを持っている人もいた。


___まだその時はどうでも良かったのだが。


入学式を済ませ、家に帰るときは制服が暑くてクタクタだった。
学校への道のりも遠い。入学祝のご馳走を食べ、ゲームをしてゆっくり寝た。

絵を通じて

入学して3日目。

新しい筆箱、小学校の頃は鉛筆だったため使いなれないクルトガを持ち、

学校のしおりの端に絵を描いていた。
すると、他の人が自然と集まってくる。


__________
自分が絵を描き始めたのは三才ごろ。
兄弟もまだその時はいないし、
父親は自分を産んだ後離婚したため居ないし、母は仕事に行っていたため祖母の家で
絵を静かに描いて暇を潰していた記憶がある。

その為か、絵を描くのが癖になっている事もある。
自分はあまり人と遊んだり仲良くしたりする傾向がないため、
保育園の時はいつも一人で絵を描いたりパズルをしたり、植物の図鑑等を読んで生活していた。

_____________

絵を描く事は人で言う喋るようなモノでもあり、自分の得意な事でもあった。


田名網は僕の描いた絵を写そうとしたり、他の女子は誉めたりしてくれる。



僕は少しだけ気になっていたのは、
田名網と仲が良い早川という男子だった。



本音を言うと顔も自分好みでもあるし…
ゲームやゲーム実況を見たりなどの同じ趣味でもあるし…


友達として仲良くしたい一面もあった。



初めての授業。

新しいノート、係が運んでくる教科書、教科毎に違う個性豊かな先生達。


少しずつ慣れていこうと努力した。

クラスの悪ガキ共も大体分かってきて、はづきと仲が良い津金と言う苗字の絵を描く趣味が同じ友達も増えたり……



一年生の生活はごく普通の平凡でどこか楽しげな毎日でした。

ゲーム内

なんだかんだあって。



いつしか衝突してばっかの田名網と3DSのフレンドコードを交換していた。


どうもりと言う共通のソフト。
「今日6時から通信ね」
「けっ。仕方ねぇなぁ田名網」


喧嘩腰の自分はとりあえず家に帰って登録。すぐさま田名網と通信をした。

「テクゾーって…wあいつのネーミングセンスが分からんな」

ボソっと呟き、通信に入る。


そこにはもう一人テクゾー(田名網)とは別人の姿が。
「プププランド村のカービィ?」


自分は首をかしげる。
いろは村のみくは大混乱だ。


そしてカービィと名乗る人物は、
『あんたがしもやま?』

とチャットを打った。
『ん、そういうあんたは?』
すかさず返事を打つ。

するとテクゾーが
『はやかわってわかるだろ?』


あ、こいつが早川なのか。カービィ好きなんだ。幼稚だなぁ…w
『へー。カービィ……ww』
『うるさいなー』

梅雨に導かれた濃い恋

理科の授業では発言を結構している早川。
考え的には間違っている箇所もあるが、とりあえず『へー、こんなヤツいるんだ。』

位のノリで見ていた。


______6月に入り席替えの時期。



田名網とは一刻も早く離れたく、祈るばかりだった。


隣になったのは、席を移動しなかった早川。


奇跡だろうか。この時は『テメーとか』位だった。


席替え終わりの最初の授業は理科。


プリントの自習中どうしても席替え後特有の静けさに耐えきれず、わざと珍回答を書いて笑っていたら、



早川も笑ってくれた。
それどころか自分も面白いネタを考えようとしてくれて、それ以来毎日が楽しかった。



先生に怒られたりもしたっけ。

国語の授業中あくびをうつしあいっこしたり、保健の授業中は蚊を共に退治したり。


体育祭の日が早川の誕生日だったことは面白かった。


秋くらいが誕生日だと思っていた自分だが、6/21だったようだ。



ギリふたご座のB型と言う求めてない情報まで吐く彼は小柄でどことなく落ち着いた卓球部。趣味も同じだしゲーム内でもよく夜中まで遊んだ。


いつしか___自分は彼の虜になっていたのだ。
7月になりまた席替えの時期。
自分は前のドアに一番近い席になり、早川は自分の嫌いな女子の隣になった。


別れ際に思わず『ばいばーい』と書いた付箋を渡してしまった。

「ま、一応筆箱の中に入れとくよ」
早川は笑顔で筆箱の中に付箋を入れた。


それだけでも幸せだった。
これが、恋なのか?



恋と言う奴なのか?
自分は小学校の時から異性を恋愛対象として見たことがなく、一人の友達として見てきた。保育園の時も。


とても不思議で、とても落ち着かない。



彼にはきっと好きな人がいるだろう。
もしかしたら彼女がいるかもしれないよ。


そう言い聞かせつつ…………机を遠ざけていった。
_____________
PCの人気フリーホラーゲーム青鬼。
自分は小説が出ている事を知り、購入し愛読していた。


早川も青鬼が大好きだ。


自分が青鬼を持っている事に早川の友達の川口が気付く。



川口は早川に伝え、とんでもない早さでこっちに来る。
「青鬼って小説化したの!?ちょっと見せてよ」
「あぁ、いいぜ。折んなよ」


会話出来るだけでも幸せだった。

________________
しかし、そこに癒着していた自分を全ての始まりが止めたのだ。



一人の人物の存在で…。

黒と書いてヘタレと読む

ドア側の席になるとよくあるのが、
【人が通るためよく絵を見られる】と言うことだ。



絵を見ていちゃもんをつけて構わないのだが、あの時は違った。



黒崎。
愛称:黒。早川の友達だ。その為よくドアにたむろしていたのだが、

いつしか僕の絵を見るのが日課になっていったのだ。


「メアド教えてくんね?」
「えー、あぁ。いいけど。」

絵を描くのに夢中でそんなに話を聞いていなかった。


メアドを渡し美術部へはづきと瞳とはるさん(津金)と行って、美術部で新しく出来た
ムダに背の大きい友達で肌が白いえんドゥー【ヒンドゥーでも可】(遠藤)と腐女子の大トゥー(太田)と戯れ、帰って母と飯の支度をする。



その時、自分のスマホが騒ぎ出した。
[黒崎です(ー∀ー)]


の文字。
[えっとー、下山だよ(ェ_ェ)]
とりあえず返す。


すると2分後、
[単刀直入に聞くけどお前好きな人いる?]



「は?」
思わず口に出る。
[あぁ。一応いるけど…]


[俺の好きな人は…………]
知らないよ。第一お前の事なんてどうでもいいよ。

[お前だ!!下山!!お前だ!!悪いか!!]
と徒然と表記してあった。



意味がわからない。
君の顔自体どんな顔だったか覚えてない。違う小学校だったし違うクラスだし。



訳を聞いても馬鹿なのか、[好きだから!!]のような返事か、[?]と言うこっちが「?」な答えだった。



とにかくこの件は保留にし、早川をどうするかを考えることにした。
____________
夏休みに入り、彼の顔を見れない自分はポケーっとしていたが、

何故か『カービィ』との通信は毎日のように深夜まで行っていた。



遊べば遊ぶほど心が痛む。
早く、この思いを伝えないと。揺れ動く心に体は付いていけず、頭を抱えるばかりだった。


確実な黒をとるか………真実の早川をとるか………

協力してくれる皆

夏休みが終わり、学校が始まる。

ゲーム内のチャットで『髪を気ったら変になった』と言ってはいたが、早川の前髪は案の定変になっていた。


自分はまだ落ち着いておらず、とにかく生活に支障が無いように心掛ける毎日だったため、

『ほら、みろよ。髪の毛が面白い形になってるじゃないか。これで恋も覚めるだろうよ、覚めろよッ!!!!!』



必死だった。

______________
瞳とはづきに相談すると、喜んで協力してくれた。瞳は
「好きかどうか聞いてくる!!!」
「はぁ!?馬鹿かお前はッ!!!」
聞いても答えないらしい。当たり前だ。

しかし、
「でもねー、同じ塾だけど暇だから友達とミクの話題をしてたんだよ。そしたら早川が絡んできたよ。【あぁ、あいつ面白いよね】って。」


「なっ………そ、それはただ僕が面白いだけだよ…」
「素直になりなよ♪小笠原にも言っとくから♪」

小笠原は近所に住んでいる同じ小学校の早川と仲が良い卓球部だ。

性格もよく、頭もキレるいい控えめで奴である。
「あー……もう、任せるよ。」

はづきは日々の生活を見てアシストするようだ。


______________
最近は絵を描いていても描いていなくても、早川は自分の机に来るようになった。



完全に手を乗っけていたり、屈伏した状態だったり、体重をかけてたり。


自分は早川が近くに来るたんびに胸が張り裂けそうだった。



とある日の昼休み。

瞳は小笠原に僕の好きな人が早川だと言ったと言っていたが………



早川の姿が教室の中にいない。
しかし、近くに感じる。小笠原と共に。

ふと後ろのドア付近の廊下を見る。



何やら小笠原と早川が話していて。
小笠原が一方的に話している。
とても小笠原は珍しく憎たらしい笑顔をして早川に何かを伝えるようだった。


まさか。
まさか……………?


早川がこちらを見てニヤける。
自分でも自分の顔が真っ赤になったのがよーくわかった。


小笠原の奴…………w言ったな……w

でもなんで早川は笑ったんだろう。
______________
後日、瞳が
「小笠原が早川に伝えたらしいよ~。早川は『え~?マジで~?』って言いながらニヤけてたってさー。」


といっていた。

思い

10月の前半。


早川がいつも僕の机にいるので、
「早川と下山、両思いなんだろ?!」
「力(早川)、こくっちゃえよ!!!」



悪ガキの坂本と濱田は叫ぶ。
9月からは日常茶飯事だったが、



この頃余計酷くなっていた。
早川は
「別にいいじゃんか…」
と意味深な発言ばっかしで、その言葉は僕の心を余計悩ませた。



早くこくろうか?
だけど、プライドが許さない………


6日の12時過ぎ。昔は9時に寝ていた自分も、実は早川と通信がしたくて遅くまで起きていた。



『最近恋バナの話題が多いよな…』
いきなり彼は言い出した。
『まぁなー…』
僕も同じ反応だった。


『一つ、いいたいことがある………!!』
早川はそう打った。

前、自分がチャットを煩くしたがために、そのパターンで怒られた事がある。

きっとそれだろう。(ガチ)



『あー……うん…どんとこい……』
またうるさいと言われるのか。
仕方ないな。寂しがり屋だし。次からは孤独死する並みで静かにしよう。


そう思ってた。
『……ぜったいにおどろくなよな…』

早川らしくない口調で打っていく。
『おどろかねぇよ。わるぐちならはよ…』
『わるぐちじゃないよ』
『……ならよけいかんたんだろー…?』
僕は論破する。


『かんたんそうでむずかしいこと…』
…………は?
今となって事の重大さに気付いた。
こいつ………
でも嘘だ、嘘に決まってる。
『さ…ビビらずはやくいいなよ…』
『あー……でもこわいな…』


ふと自分の手が勝手に動いた気がした。



『でも、そうやってむずかしいことをいおうとするのはとてもゆうきがいることだとおもう。』

続けて打つ。
『キミのそういうとこ、すきだよ』



自分でも何を言ってるのか分かんなくなってきた。


『………………わかった、いう。』








『おれがおまえをすきだということだ』



枕に抱き付いた。
カメラなんて機能付いてないから良かったけど、泣きそうだった。


『……うん。いいんじゃない?』
『…へ?』





僕も応えないと。
『ぼくもキミのことがすきだったし』


『へ?』
『え?』
『は?』
『う?』

交互にチャットを打っていく。
『それって………りょうおもいってこと?』
『そうなんじゃない?』


その時の僕は、酷く落ち着いていた。
『すげぇ……』
『でもなんでぼくのことがすきなの?いつから?』


どうしても聞きたかった。これだけは。



____________
話によると、早川は僕に入学当初から一目惚れだったらしい。

絵も上手いし、面白い。ゲームもする。それにどことなくクールで美的だが、可愛いところもある。



と。
自分は膝を付いて、泣きそうだった。



結ばれた。
やった。


こんなことってあるんだ。

自分の本当の過去

付き合って1ヶ月。



しつこい黒をフった事により早川と付き合っている事が瞬く間に広まり、騒がしくなったけども、


お互い思いを伝えたためか、毎日が凄く楽しかった。僕が絵を描いてるとスッと様子を見に来てくれる。


案外寂しがりやな自分にはとても嬉しかった。


____________
そんなある日、いつものようにゲームのチャットを打って早川と会話していた自分。早川は一回データを消して『ゆうひ』と言う名前になっていた。

どうでもいいけど。
『へぇ』
これで終わる会話。自分は暇すぎて死にそうになり、誰も居ない母親の部屋にゲームごと行って、こっそりとそこにあった日記をなんとなく読んでみた。

【2000年1月~】日記には、そう記してあった。
「お、僕が生まれた頃の日記だ」



自分はハミングしながら躊躇なくページを捲った。


言葉が出なかった。



出したい。だけど出せないと言った方が早い。
「…………ーッ………ーッ」
歯から空気がすり抜けていく音がどんどん大きくなっていくのが分かる。



[なんとなく、興味があった、好奇心で]開いた日記に記されてあった内容は……中学生の自分へと深く突き刺さっていく。


自分の母親は同じだが今と父親は違うと言う事はよく知っている。
苗字は二回変わった事もリアルタイムで見てたし。



……………それっきり自分は父親という言葉が嫌いだった。
信用ならない。直ぐにいなくなってしまう。要らない。


だから自分は母親しか尊敬していなかった。



今の父親は小学一年生からの父親だ。
まだちゃんと信用してない。



でも。
この日記に書いてある事が本当なら___



自分は誰も信用出来ない。

忌み子

今は神奈川県だが、自分は愛知県で生まれた。それは知っている。

しかし、生まれてすぐ神奈川県に来たので、そこの詳しい記憶が無い。


まずこの日記を見て分かったことは、«自分の母親は死んだ»と言う事だ。


正直それ事態意味が分からない。いるじゃないか、現に自分の母親は。

しかし、読み進めて分かったのだ。
『私の姉は冥土に行く前にとんでもない置き土産を残していったようだ。それもよく似た。』


この一文を中学生の脳で解釈する。
『私の残念な双子の姉は死ぬ前に子供を産んでった。それもよく似た。』


こうなる。双子と言う理由なら「凄いお母さん似ね~」ととても言われるつじつまが合うからだ。



一通り見て分かったことがたくさんありすぎて涙が止まらなかった。



自分の父親はDV癖があり、よく自分の実の母親の腹を殴っていた。
腹なら傷が見えないから。


そして母親は妊娠し、自分の兄や姉になる赤子までヒトの形になる前に流産させていった。


自分を孕んだ時も父親は母親の腹を殴り続けたが、自分は出ることが無かったようだ。

『あんなに殴られてるのに、何で死なないのかしら』


そう書いてあったし。



そして自分は産まれた。殴られていた分が赤子の自分に影響を与え、左足のかかとの成長が遅れてしまい、形になっていなかった。



左足のかかとがおかしかった為手術したのは知ってたけど、父親が原因なんて聞いてない。

手術は成功し、今でも傷跡は残ってる。
母親は殴られていたダメージで産んだ境に赤子の顔を見れずに死んでしまった。


産むと死ぬ危険性は分かっていたらしい。だけど折角孕んだ僕は死んでも産みたかったとのこと。


嬉し涙と悲し涙がいりまじる。
訳が分からない。こんなにややこしい話なんて漫画にもない。


自分は今そんな過去の状況に陥っている。


父親はどうやら産む前に金目的で祖父を殺し、逮捕起訴。
忌み子はきっとここから来てると思う。


父親も母親も失った自分は孤児院に3日引き取られ、母親の双子の妹の今まで母親だと思っていた人に連れられ神奈川に来たらしい。



第一DV夫の子供を産むことに母方の家族は全員批判していたのに産んで現に今面倒を見なくてはいけない状況に為ったため…


冷たい態度を取ったり、紙とペンだけ渡して絵を描かせといたり、

他の兄弟(父親が違うのは同じだが母親は自分の母親の双子の妹)よりも厳しい差別を受け暮らしていた。


こんがらがる頭。止まらない涙。役目を果たさない声帯。痙攣して息がしにくかった。

何も受けていない器

自分の両手にある傷跡。
酒癖が酷くよく暴れていた祖父に幼き自分に自殺を強要された時についた傷だ。


色々思い出していく。
思わず日記から手を放し、自分の部屋に駆け込み枕を濡らす。



『なぁ、ぼくってひつようないのか?』


「ゆうひ」に送った。
『………いきなりどうしたんだよ』


そりゃあそうだ。
さっきまで普通に会話していた彼女がいきなりこんなことを打ってきたらそうなるだろう。



とにかく自分は孤独になりたかった。
その為に「ゆうひ」としてではなく、「早川」として言いたかった。

【自分は犯罪者の子供だ。本当の親は居ない。忌み子なんだ。】


淡々とチャットを打つ。先程知った全ての事を彼に打ち明けた。


「………っく…っく…あーあ。これで僕は誰にも愛されずに独り孤独に人生を歩むんだ。あーあ。あー………っく……………………畜生」


『ちちおやがほんとうのちちおやじゃないことをしってて』
『それだけでもおれにとってはきついのに』
『だからゆいいつははおやだけをみていきてきたのというのに……』
『そのははおやまでうそだったなんて……』



あれ。
彼は僕のことを放させようとはしなかった。寧ろ何故か慰めようとしている。

『おまえになにがわかるんだよ』


涙ぐみながらも突き放す。
『おまえはただのうのうとじんせいをへいへいぼんぼんと』
『あゆんできたからわかんねぇだろうな!!!』



『ぼくはどうやらだれにもあいされずにそだってきたようだ!!!』

『すべていつわりだったみたいだよ!!』
『もうなにもしんじることなんてできないよ!!!』


錯乱していた。漫画みたいじゃないか。
よく巷で言うメンヘラ等の人たちはドワンゴの某有名動画サイトでコメントする「もうお母さんと喧嘩してしにたい……」や、「両親が事故で死んじゃった……私も首つって死のう」

など。多分引きこもりで学校では静かな人が動画サイトだけでこういう書き込みをして鼬に浸るのをよく見ていた自分。


そして今、メンヘラの嘘の体験談が自分の現実になっているんだ。


『だれもあいされていなかったなんて…』
『おまえはいつもえがおでヘラヘラしてたけど』
『くろうしてたんだな…』


何同情してんだよ……………
『………なーんもしんじれるものがなくなったんだけどさ』
『ぼくは………………………………』


『ぼくはおまえをうらぎらないから』
『おまえもぼくをうらぎるなよ………』



【手が勝手に打った】って事にしてほしい。
やっぱ独りになりたいと言っても。



独りは嫌なんだろう。




昔っから自分って嘘つきだな。

独りに一人を足す

綺麗事吐いちまった。だけどこれが本音なんだよな。



『なにいってんだよ』
早川は返す。

『あたりまえじゃんかよ』
『おれはおまえのことが…いちばんすきだしよ…』


『だからおれにすべてをゆだねろ!!』
『たよりないけど!!おまえよりバカだけど!!めだたないけど!!』


自分を侮辱し出す早川。
『おまえ……いや、みくのかれしとして!!!』
『みくがだいすきなおれは!!!』


余計涙が出てくる。こいつは何をいっているんだ。

自分は漫画が大好きで俗に言う『オタク』だが。
こんなにクサい台詞を吐かれているのに。



涙は滝のように溢れた。


『おれは!!みくをしあわせにする!!!』


『……………こんなぼくをあいすの?』
『あたりまえだっていってるでしょ』


早川らしくもない反論。
『みくをぜったいにしあわせにする。うらぎるわけがないよ』



『………………………ありがとう、りき。』
『いやぁ、ほんとうによかったよ(⌒∀⌒)』



あいつの女子力は本当に高いな。力だけに。
『…りきりきりきりきりきー!!(`ν´)』



涙は止まらないけど、もう悲しみなんてなかった。

寧ろ笑えた。


『おれはみくのこいびととして……いきてくんだ』
『ならぼくはりきのこいびとだよ。』


自分は…………………いつしか口角が自然と上がっていた。

自分には一応友人はいたけども、心から通じ合え、自分の本性と身分を知っている人は力以外にいない。


もう__独りじゃない。




ただ、心配で怖かったのは
“この恋が薄れてまた独りに戻る事“

素直になれない自分

早川に助けられた時というもの、
それから毎日深夜に通信するようになり学校では率先的に僕の机に来てくれる。


たまに通信中にふと思い出して涙ぐむ時も度々あったが、

『おれはみくがいてくれてよかった』



『ごめんな、いつもめいわくかけて』
『いいんだよ、おれはなせてるだけでしあわせだし』



彼は口では言う勇気は無い静かな人だが、彼の言葉は深々と刻まれていく。

それ故、彼にも欠点がある。


周りを見る事が出来ないことだ。
早川は他の人と比べて優しいが、周りを見て行動することが出来ずたまに僕を放置することがある。


例えば新しいゲームを買ったり、
時間の約束事を言っておいてほっぽらかしたり。



彼は一つに集中することができるが、僕と決めた約束の時間の事を考えながら他のゲームをしたりと言うのが苦手なのだ。


一つに集中出来るのは素晴らしいことだが、欠点でもある。



恋をすることで教訓を見つけることが出来ることも、全て早川がいてくれたお陰だった。



でもまだ彼に惹かれた理由は自分ではちゃんと分かってないけど僕は早川の直向きで思いやりがあり、それでいて汚れた心を持たないあの真っ直ぐで澄んだ眼に惹かれたんだと思う。


こんなに貴重な人材を自分の彼にしていいのだろうか?

いつしか自分はそう考えるようになった。
こんなに汚れた自分に彼は関わろうとする。こう見えて結構涙脆いのだ。だから自分は片時も笑うことを忘れなかった。


転んだり、叱られたり、殴られたり、落ち込んだり。笑って誤魔化そう、笑えば欺ける筈だと。


心に嘘をついてきた。

みんな本当の父親がいるし、苗字も変わってない人が殆どだし。



貴重な人材には優秀で綺麗な心を持った女性がいいと思う。僕なんかじゃダメだ。



素直になれない自分は彼をたまに遠ざけようとするけども……………

彼は近付いてくるし、



正直自分も息苦しい。
自分が結局何がしたいのかも分かんなかった。


せっかく実った恋をこんな形で終わらせるのか?


それにきっと悪戯のように自分をいじってくる彼女にもいい加減ムカついて来ただろうしきっと嫌われてるんだろう……………



あいつがドMじゃ無かったらの話。

似た者同士

久しぶりにみなとみらいの某有名観覧車に早川を誘ってみた。


早川はいつしか言っていた。
『かんらんしゃにのりてぇな………』
『のればいいじゃんかよ』
『みくとだよ…だからゆめのまたゆめのはなしだとおもうけど………』

と。

ジャンプショップやカップヌードルミュージアムにも用があったし。



四回目のデート。

一回目は早川が誘ってショッピングモール。
二回目は僕が誘って横浜駅周辺をブラブラ。
三回目は早川が「ありの~」でお馴染みの映画に誘ってくれた。



観覧車に乗りたい。
早川は面と向かって恋愛話を話すのが苦手で要は僕と同じオクテで臆病なのだ。


この場合彼女がエスコートすればいい話だが、そんな勇気はない。ごめん。



カップヌードルミュージアムでマイカップを一緒に作り、ジャンプショップで関連グッズを買って、そのあとに遊園地に着いた。


800円のチケットを買う。
同時に買ったので細かい金が無かった僕は1000円を出したら彼は600円を出した。


「ちょっ、このやろwww」
「えーあぁ、ごめんごめん。まぁいいや」

「まぁいいやじゃねーよっ、200円wwww」
「気にしない気にしない」
「だぁあぁぁぁ……おまッ…こうなったら観覧車で暴れてやる、揺らしてやる、吐かせてやるッッ!!」

「勘弁してくれー」

この後結局まさかいきなり彼らしくもなく、
返してくれなかった200円は帰って来なかったので、観覧車で暴れる事を決意した僕は黄色い観覧車に二人で乗った。


彼は結構人前では強がりだが、内面は結構ビビり。
そんな僕も同じようなものだけど、ビビるのは母親からのLINEと唯一嫌いなセミだけだ。


自分は虫全般ゴキブリ等を含めて大好きなのだが、セミだけは触れないし大嫌いなのだ。


鳴くだけで鳥肌がたつし、夏の嫌いな理由のひとつでもある。

その為みなとみらいの並木通りは早川の腕を抱いて進んでいた。

「ちょっ、セミ位怖くないでしょ…」
彼は鈍感な僕でも分かるくらい顔を赤らめてタジタジしていた。

「無理無理無理無理無理無理ッ!!怖いよっ…怖いよっ…」

強がりな自分もこの通り。


セミから解放された自分は観覧車に乗って元気を取り戻すべく、対面で座って気まずい空気にならないように隣に座った。


観覧車内にはタッチパネルがあり、周りの建物の情報を見ることができた。


「くっwくっwくっw」
「可哀想に力君よぉww指が僕より大きいから端が反応しにくいんだよ~」
「…………じゃあ指貸してよ」
「ぇっ、やだよ」


あ。

返事して直ぐに気付いたが、多分彼なりの勇気だったんだと思う。

ほんのすこしの勇気

この観覧車にはジンクスがある。
【観覧車の一番上でキスをするとこのカップルは永遠に幸せになる】と。



どんどん近づく頂上。

緊張していく自分と早川。

気まずい空気になって、二人してタッチパネルを触りまくる。


「ちょっ、僕ここ見てたんだけどww」
「お、俺こっちがみたいんだけど」


「ぬー、見せろよーっ」

自分の座ってる位置はタッチパネル、早川、自分だった為、然り気無く早川の太ももに身を乗り出してタッチパネルを操作する。


「(さっき暴れるっていったし、こんなもんじゃすまされないかなー)」



無心だった自分は早川へと膝枕風にダイビングした。


自分は痩せ過ぎている体型のため揺れはしなかったが、それよりも下から見上げる彼の顔はまた違っている事に歓喜した。

「うわーっ、ビックリしたー」
棒に言う彼の顔はサンふじのように赤く染まっていた。

さっきのセミから僕を守ってもらう時よりももっと赤く。


「だって僕200円分暴れるって言ったよね~」

彼はわざと貧乏揺すりを始める。

「まぁそうだけど………」
「つか貧乏揺すりやめろww」

「はははww」


場がなごんだ。


『あと残り1/4です。降りる準備をしてください』
観覧車内にアナウンスが響く。


「このポーズ、店員に見られたらどうすんの?ww」
「そこまで長時間やらないよ……」


自分はスクっと立ち上がる。



………このままでいいのだろうか?
かといって汚れた体で彼を汚したくない。



でも、何だかんだ言って彼のことが好きなんだ。

大好きなんだ。



今の自分に出来ることは………………



そう。



勇気の無い自分がとった行動。
それは彼に優しく正面から抱き付くことだった。



他の人にとっては『なんだ、そんだけなら普通の事じゃん笑』や、『うけるー笑それ毎日の日課ー笑』等と言う人もいるだろう。




これが今の僕に出来る事だ。



「…………これしかできないかな」

あーあ。
こりゃ嫌われたな。嫌いな奴に抱き付かれるとか終わってるよな。分かるよ力。早く振りほどいて僕を殴って。

“汚れた手で触るな“と。



それなりの覚悟はしていた。
プライドを捨ててまでやった事だ。



静かに自分は3秒程目を瞑っていた。



「……」
早川は沈黙していた。

そりゃそうなるわ。
早く殴れ。




スルッ



彼は自分の背中に手をまわした。

なんだろう、バックドロップかな?



そして静かに抱きつき返してくれた。
「……………ぇ」


それだけでも幸せだった。

«ポンポン»



彼は優しく僕の背中を叩いた。


泣きそうだった。
分かったのだ。


彼は僕の事を愛してくれてると。
口では言えない彼でも、


思いはココにあると。


「…………サンキュー。」

僕は静かに手を放し、横に座った。
何事も無かったように欺きたかったが、


動揺が隠しきれなかった。
自分らしくもなく顔が真っ赤に染まっていくのがわかる。



その顔を今、彼にガン見されてることも。


さて、もうそろそろ降りるかと思って気を緩ませたら、

『只今風が強くなってますので、運転を一時停止しております。大変誠に申し訳御座いません。』


「………マジかよ…w」

思わず声が出る。
でも、どうでもよくなってきた。



静かに僕は出口が開くまで、
彼によっかかった。

________________

その後はお化け屋敷に行って早川をビビらせたあと、

バスに乗って帰る途中に、対戦ゲームをやって肩で寄り添い合い過ごした。

世界の汚れを見すぎた自分。 世界の理を知らない恋人。

これからもなんかあったら更新していくんで、よろでーす!

世界の汚れを見すぎた自分。 世界の理を知らない恋人。

この話は自分の経験談で、 皆さんに考えてほしい事は 【綺麗事ぬかすよりも言葉を伝える方が伝わる】 と言うことを知ってほしい。そして 自分にもまだ頑張れるんじゃないのか?と言うことを知ってほしいのです。 大人の人も僕と同じ年齢の人も共感して欲しいです。

  • 随筆・エッセイ
  • 短編
  • 青春
  • 恋愛
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-08-08

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. <プロローグ>春の別れ、春の出会い
  2. 慣れない場所
  3. 絵を通じて
  4. ゲーム内
  5. 梅雨に導かれた濃い恋
  6. 黒と書いてヘタレと読む
  7. 協力してくれる皆
  8. 思い
  9. 自分の本当の過去
  10. 忌み子
  11. 何も受けていない器
  12. 独りに一人を足す
  13. 素直になれない自分
  14. 似た者同士
  15. ほんのすこしの勇気