少年達が紡ぐ物語のようです その2
お馬鹿な奴って見てて面白いですよね。どうも長谷壱です。
原稿段階では顔文字までセットで付けようかと思ってたんですけどスマホ民なので妥協しました。
PC欲しい(切実)
今回も拙い文章ですが読んでいただければ幸いです。
いつも通りの日常
ブーン(彼が手を開いて走るときのポーズの名前)をしながら走っていると、前方に見慣れた友人の後ろ姿を見つけた。
心の中でにぃ、と笑ってからクラウチングスタートの構えをとり、走り出す。
全速力で走り彼の40センチくらい後方で跳躍し、
「くたばれドクオォォォォ!!!!」
彼の背中に向かって飛び蹴りをかます―――――
「ォォォォオ!?ぐはぁぁぁ!!!!」
はずだったのだ。
気づいたら、地べたに這いつくばっていたのは彼ではなく自分の方だったのである。
「…………」
「…………」
お互いに無言で見つめ合う。何の言葉も発さずに。
そして
「で、学習能力のないブーン君。何か言うことは?」
「ごめんなさい。そしておはようだおドクオ」
勝敗が決した瞬間であった。
「ったく、お前には本当に学習能力がねえのか?」
倒れた自分に手を差しのべながら呆れたようにドクオが告げる。
彼の名前は鬱田ドクオ。自分の幼い頃からの親友である。
「学習能力?生まれたときに母体に置いてきたお」
冗談を言いながらドクオの差し出した手を握り立ち上がる。
随分と派手なカウンターを喰らったが、幸いなことに制服に傷は見当たらなかった。
喰らい慣れてる分、受け身をとるのはうまいのだ。
「お前が言うと冗談に聞こえないから怖いんだよなぁ…」
「その発言は友人としてどうかと思うお?」
すっかりいつもの調子に戻り、談笑しながら歩く。
自分――――――内藤ホライゾンとは、こういう人間なのだ。
「しかし暑くなったもんだお。こんなに暑い日はラーメンでも食べたくなってくるお」
「お前は元気があっていいよなぁ、こちとら食欲わかねーぞ」
「元気だけがブーンの取り柄だお!そんなんだからドクオはガリガリなんだお」
「うるせえ元ピザ。デブに返り咲くぞ」
「黙れ小僧」
かれこれ雑談してる内に、気づいたら校門が見えてきた。
「さあブーン。いつもの勝負といくか!」
ドクオが近くの一際大きな木の側でスクールバッグを走りやすいように背中に背負う。
「望むところだお!」
自分も同じようにして鞄を持ち、木の側に向かう。
ここから校門までちょうど100メートル、自分とドクオは各々の走りやすいフォームに入る。
右腕に付けた腕時計を確認すると、あと5秒で40分になる。
心の中でカウントダウンをする。隣のドクオも同じようにしていた。
5、4、3、2、1―――――
ッタン!っと、同時に走り出す。
出だしは互角、いやドクオの方が気持ち速いか。
だが今日の自分はいつもとは違う。昨日までの自分ならきっとこのまま負けていただろう。
「―――!?」
走りながらドクオが動揺したのがはっきりとわかった。昨日とは明らかに自分の早さが違うのだ。
60メートル地点で並び、ゴール手前では自分の方が3歩ほど前にいた。
そして―――――
「ブーンの勝ちだお!!」
「クソッ!負けたぁぁ!!!」
自分の方が先に校門を通り抜けていた。
「しかし何なんだお前のその爆発力は…」
「おっおっおー、これぞブーンスペシャルだお!」
「これもうわっかんねえな…」
疲れた体に鞭を打ちながら歩き、下駄箱横の自販機に向かう。
横を悔しそうに財布の中を漁りながらドクオが付いてくる。
全く。とても気分がよい
「さあ、弱者ドクオよ。ブーンにいちごミルクを買うがよいwwwwww」
「へいへいわかりましたよっと……ケッ!」
小銭を入れ、いちごミルクを購入する。
ガタン、と音がして取り出し口からいちごミルクを取り出す。
ストローを差し込み、疲れた体に糖分を吸収する。
「いいゾ^~これ」
「勝ち気になってるお前ほど腹の立つものはないな」
「うるせえ負け犬教室行くお」
「クッソwwwwwwww」
またまた雑談を交わしながら靴を履き替える。自分達の教室は3階なので昇るのにとても苦労する。
特に運動した後だからだ。
3階に着き、突き当たりの教室のドアを勢いよく開ける。
「おっはよモルスァァァァア!!!!!」
殴られた。担任に。
「へっ殴られてやーんのブフォwwwぐぼぁぁ!!!」
隣のドクオも殴られてた。
「てめえら揃いも揃って10日連続で遅刻か。学習能力はねえのか?あ?」
担任の長岡ジョルジュが第2波の拳を構えてるのを見て慌てて僕達は頭を下げる。
「で?何で遅刻したんだ?」
鬼の表情で遅刻の理由を聞かれて言葉に詰まる。寝坊…ではないし、あと思い当たること…
「「黙秘権を行使しまゲハァ!!」」
理由がわからないからこう言ったのに、つくづく理不尽だと思った。
「まあいいお前らはよ席着け。もう授業始まるぞ」
言われて時計を確認する。さっき見たら40分たったのに、気づいたら9時を過ぎていた。
時間を確認してから僕らは席に座った。
すると後ろのクラスメイトが声をかけてきた。
「災難だったね、ブーンにドクオ。」
「災難だと思ってるのならまず笑うなお」
「ハハ、ごめんごめん。でも遅刻しすぎはよくないよ?」
「1回も遅刻したことないショボンがおかしいんだお」
「しないのが普通だと思うけどなぁ…」
言って呆れたような顔をしたのは、僕の親友でありドクオと同じ幼馴染みの緒本ショボンだ。
彼は僕の友人の中では一番の良識人であり、遅刻もしなければ成績が悪いわけでもない、良くできた人間だと思う。
まあ悪ノリするときはするので一概にまともな奴とは言えないが。
「うし、一時間目も始まることだし、ブーンは寝るから昼になったら起こしてくれお。」
「ん、りょーかい。その発想からしておかしいと思うんだけどなぁ…」
ショボンの小言を聞き流しつつ、自らの意識を手放し夢の世界に入る。
お昼御飯は何を食べようか、寝る前に考えたのはそんなくだらないことだけだった。
「しっかしドクオ。お前成績だけはいいんだからしっかり学校来いよ……一応学年1位だろ?」
ジョルジュが呆れたように告げてくる。
自分自身わかっていることだが、今更真面目にやろうだなんて考えは毛頭ない。
それに
「今は2位っすよ。1位はクーに取られちまったからな」
冗談目かして隣の席の生徒―――――素直クールを見る。
視線に気づいたクーは、少し笑ってからかうよに言ってきた。
「あの時みたいに、早く私を負かしてくれよ、ドクオ?」
「ぜってぇ追い付いてやるから待ってろよ?」
そういって二人で笑いあった。
正直学年順位なんて下らないと思っているが、相手がクーなら話は別だ。
俺にとってクーは友であり仲間であり越える壁でもある、特別な存在なのだ。
「……叱ったつもりがあてられちまったよ、全く…」
ジョルジュが呆れ顔で呟いて教室を出ていったが、何を言ったのか聞き取ることは出来なかった。
しかしクーが少し動揺したところを見ると、多分ろくでも無いことを言ったんだろう。
「ふう……やっぱ学校は退屈しねえな」
誰にも聞こえないような声でそっと呟いた。
少年達が紡ぐ物語のようです その2
キャラがたくさん増えると言ったな。あれは嘘だ。
今回はブーンの友人に少しスポットを当ててみました。
ショボンはホモキャラにしようかノンケにしようかとても悩んでますはい。
クーは個人的に好きなので活躍させてあげたいです
それでは読んでいただきありがとうございました。