サプライズの火

サプライズの火

もえるぞー

サプライズの火をつけようとしている妖怪が現れた。
サプライズの火をつけようとしている悪魔が現れた。
妖怪と悪魔が火を持ってばったり会ってしまった。
「なんだ、おまえ」
「おまえこそ、なんだ」
「なんだとはなんだ」
「なんだってなんだ?」
「いやだから、おまえはなんだって」
「おまえからこたえろ」
「おまえがさきにこたえろ」
「なにいってるおまえがさきだ」
「おまえがさきだっていってるだろ」
悪魔と妖怪は火を持ってつかみあった。
「おまえ、おまえがさきだ」
「おまえが、さきにいえ、さきにいえ」
悪魔と妖怪は火を持ちながら、つかみあってぐるぐる回転した。
そのうち悪魔と妖怪の持っている火が悪魔と妖怪についてしまった。
「う、あつい、おまえが」
「あちち、おまえが」
そうしてつかみあいながらボーボー燃えはじめた。
「あちーあちち」
「あつつつつ」
それでも、つかみ合いをやめずにぐるぐるまわってる。
回転した火の炎が火の回転した輪っかになって、悪魔と妖怪は、新型悪魔妖怪、炎のわぐるまとなって、空へと飛んでいった。
人々はそれを目撃した。
「ああ!空に炎のわぐるまが!」
その日は不吉だとされ、みんな水をまいた。
    おしまい

サプライズの火

サプライズの火

  • 小説
  • 掌編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-08-06

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