始まりと終わり
人の始まりと終わりについて書いてみました。
命
人はみんな泣いて生まれるよね。じゃあこの世からいなくなる時もなくのかな・・・・・・・。
窓から見える鳥、静かな部屋、この光景はもう2年ぐらい続いてるな。もう慣れちゃった。
そしていつも通りの時間に、先生が来る。そう私は二年前から病院に入院している。
私の名前は、佐々木美咲。中学二年生、がんで入院している。
先生は「がんといったら、みんな怖いイメージをもっちゃうけどそんなにひどい感じじゃないからすぐ退院できるよ。」っていってくれた。でもそう言われてからもう二年。
すぐっていつからいつまでの間なのかなぁ。もうすぐ退院できるのかなぁ。
中学生になってから一度も学校にいってないから、友達もいない。
お見舞いに来てくれるのはお父さん、お母さんや親戚の人だけ。
同室の人もいない。
「美咲ちゃん。」
「美羽さん。どうしましたか?」
美羽さんとは私と仲良くしてくれている看護士さんだ。
「美咲ちゃん。今日もさみしそうね。」
「まぁ・・・。お見舞いに来てくれる友達もいないから」
と、ちょっと笑って見せた。
「無理して笑わなくてもいいのよ。それでね。今来たのにはわけがあるの。明日からここのお部屋に真央ちゃんっていうあなたより一つ年下の子がくるから。よろしくね。」
「へえ。そうなんですか。仲良くできたらいいな」
私はちょっと期待しながら微笑みを浮かべた。
「そのこもがんなのよ。美咲ちゃんとおんなじね」
「そうなんですか。それならなおさら話が合うかもしれないですね。気の毒だけど。そんなのわたしもいえないか。2年も病院にいるのにねw」
ホント自分で話しててばかばかしくてわらえてきた。自分が頑張ればがんだってすぐ直るかもしれないのにね。
「美咲ちゃん・・・・・・・・・・・。あら、もう時間だわ。またね」
美羽さんは気の毒そうな顔をしてから病室を出て行った。
美羽さんが出ていった瞬間。目から涙がこぼれ出そうになった。
さっきの会話を思い出したからだ。自分がみじめになったのだろう。
涙はゆっくりゆっくりと流れ出てきた。その日は早めに寝た。
次の日
朝起きたら美羽さんが来た。
「美咲ちゃん。10時ごろ真央ちゃん病室にくるから、準備とかで騒がしくなるかもしれないけどよろしくね。」
「はい。大丈夫ですよ。」
「それじゃあ10時ごろ真央ちゃんと真央ちゃんのご家族と一緒にくるから。」
「わかりました」
今は昨日のことを忘れてちょっとわくわくしている。
あっもう10時だ。と思ったとき病室のドアがノックされた。
そうすると、真央ちゃんらしき人と美羽さんが入ってきた。
真央ちゃん、かわいいなー。まつ毛長いし、足すらっとしてるし、目もくりっとしてる。
と思っていたら、真央ちゃんが私のほうを見た。そして、
「こんにちは。今日からお世話になります。村岡真央です。」
と自己紹介をしてきたので、
「こちらこそこんにちは。佐々木美咲です。」
と微笑んだ。
そしたら相手も微笑み返してくれたんだ。それからごそごそと入院する準備を始めた。よく見ると真央ちゃんとお父さんとお母さんどっかでみたことある。ん?もしかして
「村岡渓人!?佐々木のぞか!?」
といった瞬間相手もちょっと驚いた顔をしていった。
「え・・ええ。母の佐々木のぞかと、父の村岡渓人です。」
なぜ私が二人のことを知っていたかというと、お父さんのほうの村岡渓人は歌舞伎俳優で、お母さんの佐々木のぞかは女優さんだ。
そういえば聞いたことある二人には13歳になる娘がいると・・・・・・。
と考えているとのぞかさんが、
「あなたもがんと聞いたわ。娘もがんなの・・・・・。お願いだから仲良くしてやってね。」
「いいえ。とんでもない。私がこんな凡人なので逆にに仲良くしていただけるかどうか・・・・・。」
「大丈夫よ。娘と一つしか変わらないんだもの。仲良くできるわ。」
「ありがとうございます。」
と長々と会話してるうちに面会の時間が終わっただのなんだの言って、美羽さんが連れて帰って行った。
お母さんたちがいなくなってどんな会話をすればいいかわからなくなってしまった私は、何も言えず20分くらい沈黙が続いた。先に沈黙を破ったのは真央ちゃんだった。
「きょ・・今日からお世話になります。」
「あ・・・はい。・・・・真央ちゃんのお母さんたちってとてもいい人たちなのね。それに美男美女。真央ちゃんもきれいだわ。」
「あっありがとうございます。」
そしてまたしばらく沈黙が続いた。30分くらい経ったら、真央ちゃんは声を殺して泣き始めたのだ。私もそうだったな。と考えてるうちに急に胸を締め付けられる痛みを感じたのだ。
「うっ・・・・・・・うっ・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・・・。」
私は苦しみだした。精一杯の力でナースコールを押した。
目が覚めたら美羽さんが心配そうに顔をのぞきあげていた。そしたらほっとしたような顔になって先生を呼びに行った。先生は
「がんが悪化してきていますね。お母さんたちを呼びましょう。」
すぐにお母さんが来た。お母さんは目に涙を浮かべながら大丈夫?大丈夫?となんども聞いてきた。私は「心配しなくても大丈夫。」と返した。
すると先生は急に深刻そうな顔をして、
「お母さん。美咲ちゃん。落ち着いて聞いてください。美咲ちゃんは、もって一か月です。それで、その命が長くなるように薬を使いたいのですが・・・・・・。」
「お願いします。娘を助けられるのであれば、薬なんてきくぐらいいっぱい使ってください」
「いいのよ・・・・・・・・・・。お母さん。私最後のときまで苦しんだ顔で天国にはいきたくないわ。先生・・。いままでどおり治療してください。」
「美咲・・・・・。娘が・・・・望むのであれば・・・・・」
次の日私は今までどおりの朝を迎えた。
「美咲さん。頑張ってください。私もがんばります。」
「ありがとう。真央ちゃん・・・・・。」
それから3週間、真央ちゃんといっぱいいっぱいおしゃべりをして楽しみながら過ごした。たまにお母さんが顔をだして、「ふふ」と笑いながら見てくれていた。
そして今日私はさいごのときをむかえる・・・・・・・・・・・。
「お母さん、真央ちゃん、美羽さん、先生さようなら。最後までありがと・・・・・・・う。うっ・・・・・はぁはぁ」
ピーーーーーーーーーーーーーーーーーー
病室中に鳴り響く音。お母さん達の鳴き声を聞きながら今私は天国へと行く。
生まれたときは泣いてたけど最後は笑っていたい。私の願いは私が実を結んで天国へと旅立てる。
お母さん心配しないで私はずっとお母さんの中にいるよ。だってお母さんには私の最後の笑顔が残っているんだから。
始まりと終わり
悲しい感じに終わったけど、駄作になってしまいました。すみません。