Xへの手紙

Xへの手紙

あなたの名前がわからないので、
仮にXとします。
先生が書けと言ったので
私は今これを書いているけど、
あなたのせいで今日の授業全部が
ホームルームになりました。
ひどいと思います。
緒方先生の筆入れを壊したX、
あとになればなるほど
出てこられなくなると私は思います。
緒方先生がていねいに作った、
あの、和紙でできた筆入れに
穴を開けて、ひどいと思います。
あとで三木先生がこれをみんなの前で
読むと言っています。
Xは最低の人間だと思います。
自分の非を認めないで
自分勝手だと思います。
私がそういうことをした時は、
必ず「ごめん」と言います。
言葉に出すことで
怒らせた相手にも
気持ちが通じるし、
とても便利な言葉だと思います。
「ごめん」
だけど私は今Xに「ごめん」と
言われても許したくありません。
今日はプールもあったし
図工もありました。
もう少しで完成だったのに、
Xのせいです。
責任を取って下さい。
Xもこの手紙を書いているということは、
どうやってみんなをだましそとか
考えてると思います。
こんな人が学級にいてほしくありません。
私はXを絶対に許しません。


Xへの手紙

Xへの手紙

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-07-30

CC BY-NC-ND
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