ありがとう 

この物語は恋人が余命半年と宣告されて菜々と浩太の恋の話です

この世界はとてつもなく広い
この世界にはいろんな人や物、生物がいる
まだまだしらないことがたくさんあるだろう
この世界に生きる一人一人の人間は小さな存在だ
とても小さな存在だ
たとえばあの人が死んでしまっても世界は何事もなかったかのように回り続ける
10年前の話をしよう
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俺は加藤浩太、毎日俺の彼女佐藤菜々のため必死に働いている
「浩太!今日どっか飲みに行かねぇか?」
こいつは俺の親友の北村康平会社の同僚でかなり仲がいい
「おう!いつもの所でいつものメンバーでいいよな?」
俺はこの1週間に2回ほどある飲み会が楽しみだった
「じゃあお前菜々ちゃん誘っとけよ」
「わかった、じゃあお前は中岡誘ってくれ」
中岡と言うのは中岡みきの事で俺と北村康平と菜々、中岡は親友で飲みに行くだけじゃなくよく遊びに行ったりしている
「で?お前いつ菜々ちゃんと結婚するんだ?」
この頃俺は正直まだ菜々といろいろ問題があり一緒に暮らせる自身がなかったのであまり結婚ということは考えていなかった
「なんだよ?まだしないって お前こそどうなんだよ?」
俺と菜々は中岡が康平の事を好きだと言うことはわかっていたので密かに二人を引っ付けさせようとしていた
「「とぼけんなよ?中岡のことだよ」
その時康平も中岡の事が気になっていたのかいたのか顔を赤くさせ動揺したように言ったのは今でも覚えている
「別になんもねぇよ」
「聞いた話じゃ西川渉も中岡のこと狙ってるらしいぞ?」
西川渉とは会社の後輩でよく俺に喋りかけてくるやつ
「そんなの気にしちゃいねぇよ」
俺はかなり同様しているように思えなんだかかわいそうになったのは覚えている
「と、とにかく別にあいつのことは気にしてないからな」
そのまま俺は康平とは別れ自分の仕事を終わらせようと必死になっていた
「先輩!」
喋りかけてきたのは後輩の西川だった
「なんだよ?いま忙しいんだから後にしてくれよ」
その時の俺ははやく仕事を終わらせたいので西川なんてかまっている余裕はなかったのだ
「今日また佐藤さんと遊びにいくんですか?」
にやけ顔で言ってきたすこしいらいらしながら話を続ける
「だからなんだよ?」
「そこに中岡さんも来ますかね?」
たぶんだがこいつは中岡目当てでくるんだろうと確信した俺は
「今日は中岡は仕事の関係で来れないんだとよ
俺は絶対こいつだけは呼びたくないと考えて話を続ける
「え?そうなんですか?」
がっくりしたようでなんとかこの場を切り抜けられた俺だった
そして仕事が終わり俺と康平は菜々と中岡が待っているいつもの居酒屋に着いた
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居酒屋の扉を開けると焼き鳥の香ばしい匂いがただよっていて仕事帰りの客がわいわいにぎやかに騒いでいたその中で菜々と中岡を見つけて俺たちは席に座った
「おまたせ なんかたのんだ?」
俺は菜々の隣に座り康平は中岡の隣に座った
「ううん 私たちも今きたばっかりだから」
菜々のやさしい笑顔で一気に仕事の疲れが吹き飛んだ
「そうか じゃあ一応ビール頼んどくか」
康平が店員を呼び注文を終えると菜々がこんな話をしだした
「今度康平と浩太の休みの日にどっか旅行行かない?」
菜々がこんなことを言い出すのは珍しいこういう事を言い出すのは康平の役なのだ
「いいアイデア!俺らは今週の週末から休みだけどそっちは?」
俺はゆっくり休みたがったが菜々が言うんだったらしょうがないそれにこの四人で遊びに行くのは楽しいから
「私と菜々はもう明日から休みなんだ、だから行くとしたら週末ね」
「そうだなぁ じゃあどこ行く?」
俺はみんなに一応聞いてみたが個人的にはせっかくだから遠くに行ってみたかった
「私北海道行きたい!」
中岡の意見に俺はどっかというと賛成だが今は冬なのでちと寒いかな?なんて思ったりもしていた
「俺は京都がいいなぁ」
「私沖縄がいい!」
菜々が珍しく意見を出してきたので俺自身は驚いた
「浩太はどこがいい?」
菜々に聞かれとっさに俺の口からでた言葉は
「え?俺は・・・沖縄?」
だったそこに反応したやつが康平だった
「お前いま菜々ちゃんと合わせただけだろ」
すると俺は皆に笑われ結局沖縄になりその後は飲み会を存分に楽しみその日から俺は週末まで旅行の準備期間になった
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そして週末がやってきた
俺は待ち合わせ場所に向かおうとした時菜々から電話がかかってきた
「もしもし どうした?」
「今家の前まで来たから一緒に行こ」
窓の外を見ると菜々が家の前で立っていた
「分かった 今から外出るから待ってて」
俺はすぐに家を出て菜々のところまで行った
「忘れ物ない? 大丈夫?」
「ないと思う そんな気を使わなくていいよ」
菜々の言葉を聞いてもうそろそろ結婚してもいいかな?とか思ってしまった俺
「じゃあ行こうか」
俺たちは歩き出し今後の中岡と康平の話やおみやげの話をしていた
「そういえばさぁ沖縄提案したの菜々だよな?」
俺は不思議に思っていたことをおもいきって聞いてみた
「そう? 思いで作りでもしなきゃなぁとか思ってたりして」
「なんだよそれ」
その時俺はなんだか嫌な予感がしたがそのときはまだなにも考えていなかった
集合場所に着くともう康平と中岡がいた
「おせぇよお前ら」
「そんな事ないよ だって時間ぴったりだし」
ふふっと笑い出す中岡と菜々が笑い出す
「ほら!行くぞ」
「なんで急に仕切ってんだよ」
俺がツッコムと菜々と中岡が笑い出した
飛行機で何時間か飛びやっと到着し先に宿泊先で荷物をまとめた時の事
「104号室と105号室の二つの部屋をご用意しております」
実は俺たちが提案したのが康平と中岡を一緒の部屋にしたらうまくいくんじゃないかと考えた
「え?二つ部屋あるのか?」
俺は驚く康平に笑いが止まらなかった
「言ってなかったっけ?ごめん康平!」
「え?じゃあ俺は中岡と?」
きょとんとした顔で3人に問いただす俺はここでも笑いが止まらず菜々に怒られたのを覚えている
「そうなるね」
顔が赤くなる二人に俺はまた笑い菜々に怒られる
「じゃあ荷物まとめられたら部屋から出てこいよ」
そういい残した俺と菜々は部屋に入っていく
その部屋で康平と中岡はどうなったかは分からないが俺と菜々は10分ほどで準備が整い先に部屋を出ていた
いつまでたっても部屋から出てこないのでしばらく売店で時間をつぶすことになった
「いろんな物があるな」
「なにか家族に買っていかないとね」
いま思うと何気ない事で会話していたなぁと思う
「おう!待たせたな」
やっと出てきてくれて出発することになった
「最初どこ行くの?」
まったくプランを立てておらず5分ほどガイドブックを見ることになり結局は水族館に行くことになった
そして沖縄の旅行はついに最後になってしまい最後の夜のことでだった
「沖縄とても楽しかったね」
話をふってくる菜々
「あぁ なんだが名残惜しいよ」
静まり返る部屋の中
「なんだよ 急に静まり返って」
「あのね 話があるの」
俺に改まって言ったときなぜだか正直聞きたくなかった
「・・・なんだよ?」
「帰ったら・・・」
「はっきり言おうぜ?」
「帰ったら結婚しよ」
俺はその言葉を聞いて正直ほっとした俺の勘違いだったようだ
「それいま言うか?」
笑いながら聞き返す
「・・・うん」
「あぁ結婚しよう」
俺はあまりにもうれしくて菜々に寄り添おうとしたその時
「よかった・・・・はぁはぁ、ゲホ うっ!」
激しく息をして今にも吐きそうなセキを何回もする
「おい!菜々!なんだよ!どうしたんだ?!」
だが菜々はもう俺の言葉なんて聞こえてないような感じだった
やばいやばいやばいやばい
どうする?とにかく旅館の人に連絡して
「女将さん!救急車!菜々が咳き込んで苦しいってとにかくやばいよこれ!」
女将は救急車を呼び菜々は病院に運ばれた
中岡、康平と俺は病院で呆然としながら検査が終わるのを待っていた
菜々の親に連絡を取ると菜々の両親はこの事を知っていた 昔からの病気だったそうだ
「そうですか」
それ以降のことは医師から報告があると言われた
「おい、検査終わったそうだぞ?」
足をおもむろに動かしながら病室に行く
「あの、命に別状はないですよね?」
声を震わせながら聞くと医師から告げられた言葉は余命半年という言葉だった
「そんな・・・」
俺と康平はなにも言えず中岡は泣いていたのを覚えている
医師から話を聞き俺たちは菜々の所に向かった
その時覚えているのは病室に入った瞬間だけ菜々は悲しそうな表情をしているように見えたがいざ目が合った瞬間は笑っていたそう俺が仕事帰りにみるあの笑顔と一緒だった
「菜々・・・」
中岡は泣きながら菜々に抱きつき泣いている
「どうしたのよ? なんで泣いてるの?」
菜々はたぶん俺の予想だが心配させたくないから無理に元気そうな顔でいるんだなと思ったのが印象的だった
「さ!帰ろうよ」
俺たちは荷物をまとめようと旅館に入りその時の二人の部屋のことだった
「浩太、なんかゴメンね 心配させて」
俺はなんて言えばいいのか分からなかった
「あぁ・・・」
「・・・あと本当に半年なのかな?」
俺は悲しいあまりなにも言えず固まった
「お願いがあるの」
「なんだ?」
俺は振り返り菜々の顔をみながら聞くと菜々は涙を流していたその瞬間俺の目からも涙が零れ落ちていた
「あと半年・・・ずっと一緒にいて」
涙をながしながら俺はうなずき菜々を抱きしめ泣いていた
「あぁ、ずっと ずっと一緒にいよう」
「もうなんでそんな泣くのよ」
俺たちは約10分そのまま泣きながら壁にもたれながら泣いていた
そして旅行が終わり帰ってきた空港でのこと
「じゃあ 俺たちこの辺で」
中岡と康平と別れて俺たちはまた歩き出す
「で、これからどうする?」
菜々は少し考えた様子で俺に言う
「私のお父さんに一回会ってみて」
「これからか?」
あたりは真っ暗でとても行く時間ではないと思ったがいくことになり菜々の家のドアを開けると菜々の妹が一番に出てきたかなり小さいかったので覚えている
「ちょっと待っててね お母さん呼んでくるから」
そうすると俺は取り残されて妹と遊ぶことになった
しばらくすると菜々とそのお母さんが出てきてくれた
「こんばんわ 夜遅くにすみません」
この時おれはかなり緊張していて菜々によるとかなり動きがぎこちなかったようだ
「そんな緊張しなくていいのよ」
ふふっと笑われてその後は楽しく会話が続けられた緊張もかなり解けてきた時だった
「菜々、少し二階に行っててくれるかしら?」
「え?どうして?」
俺はその瞬間また緊張し始めて背筋がまっすぐ伸び手は膝の上で正座をしていた
「ちょっと浩太君と話したいの」
そうすると菜々は二階に上がり俺とお母さんだけになった
「こういう話はあの子には聞かれるとちょっと面倒なことになりかねないからね」
「え?、どういうことですか?」
「またあの子心配するからね・・・お父さんを」
話が読めない俺はそのまま黙って話を聞くことにした
「実はねあの子の病は遺伝性の病気でうちの主人もかかっていてね この前菜々の兄さんがね検査に行ったときには以上はないと言われたんだけど菜々には2年前には症状が出始めていたの」
「じゃああのおとうさんは?」
「あの人の場合だと症状が浅くて入院する程度なんだけど菜々だけが症状が深くてね・・・」
俺は聞いて漠然としたなんで菜々だけなんだ?と
「そんな・・・・助かる方法はないんですか?」
俺は汗をたらしながら聞くが母はクビを横に振り何もいわない
「そうですか」
そして俺はあることを決意したこの間の旅行の最後に言われた事を
「お母さん」
「なに?」
俺は言うのが怖かったが迷わず言った
「菜々と・・・菜々と結婚させてください」
はっきりとその言葉を言うと母は俺の顔をみて言った
「ゴメンね 私じゃ判断できないの・・・今度主人にあった時に言ってくれないかしら」
その言葉を受け俺は正直ほっとした断られると思っていたから
「分かりました、今日はこのあたりで帰らせていただきます」
「そう、いつでも父に会いに行ってね 週末まで入院してるから」
そう聞いた俺は菜々と相談してか明日にでも行こうと決めた
「それでは夜遅くにスイマセンでした」
そういい残した俺は二階を除くと菜々がこっちを見ていて手を振ってくれた
その日の夜は疲れきって帰ったらすぐベッドに倒れこんだそして気がつけば朝だった
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その夜俺は夢を観たんだ、今でも覚えてる
病院で救急で運ばれる人がいる・・・誰だ?
見覚えのある顔、菜々だ
「しっかりしろ!菜々 がんばれ!!」
「ゴ、メン・・ね 二人で・・・幸せになれなくて」
「なに言ってんだよ!? これから俺たちは幸せになるんだよ!」
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中岡と康平が赤ちゃんを一人ずつ抱いている
「無事に生まれたな」
康平が中岡にうれしそうにいった事から二人は結婚して子供が生まれたんだろうと思った
「えぇ 一時期どうなるかと思ったよ」
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目が覚め気分は最悪だった
「あと半年・・・」
俺はそうつぶやき洗面所で顔をあらう
携帯の着信音がなり菜々かと思い携帯をひらくとそうそこには西川だった
内容に関しては今日どこかで食事しましょうという内容だった
ちょうど腹も減っていて特に今日は予定がないのでいくことに決めた
「先輩!遅いっすよ」
いつもだったらこの言葉にまだ5分前だよとツッコミを入れるのだが昨日の疲れがたまっていたのでやめた
「悪いな、でおごってくれるんだろ?」
すこし西川のテンションに合わせ聞いてみた
「遅刻してきてそれないっすよ」
どうしても今日はおごらせてほしい気持ちになり俺は粘った結果
「しょうがないっすねぇ 今日だけですよ」
とりあえずおごってもらえることになり早速近くの店に入り食べ始める
「先輩、率直に聞きますけど中岡さんと北村さんってどうなってるんですか?」
「どうって?」
「なんか進展あったんですか?」
その時の俺はその頃の康平のことはあまり聞かされていなかったので「別になんもねぇよ」と話を流した
「所でお前本当に中岡がいいのか?」
西川の口がにやっと動き突然語り始めた
「当たり前じゃないですか!」
その後2時間ほど西川の中岡に対する愛情を聞かされた俺はぐったりしていた
「でその時の中岡さんね・・・先輩?」
そんなぐったりしている俺をみて西川は「どうしたんですか?の一言だったそれに対し俺は用事があるという嘘をついた
「そうですか・・・残念」
という反応が返ってきて後は西川が支払い俺たちは別れた
その後帰る途中で病院を見つけ、なにげなくのぞいていると一人の中年くらいのおじさんがいるのが分かった
「あれ?・・・もしかして浩太か?」
後ろから喋りかけてきたのは康平だったあまりに驚いたので俺は「うわぁ!」と言って転んだ
「なんだよ! あ~びっくりしたぁ・・・」
康平は「うける」といい笑っていた
「いつまでも笑ってんじゃねぇよ こんな所で何してんだ?」
康平自分の父親の見舞いで今日ここに訪れたそうだ
「あの元気なお父さんが病気なのか?」
俺は一度康平のお父さんに出会ったことがありなぜか一緒にマラソンをすることになり走ったが先にばてたのは俺だったのだ
「まぁな、せっかくだからお前も来いよ」
せっかくなので俺もお邪魔させてもらうことになり病院の中に入ろうとしてあたりを見渡すがさっきのおじいさんがいない病室に帰ったか、と思い康平の父のところに病室に行った
「父さん、見舞いに来たよ・・・大丈夫か?」
「おう!来たか康平この通り元気だぞ!」
予想以上の元気さで本当にこんな人が入院できるものかと一瞬この病院を疑った
「お久しぶりです 覚えていますか?加藤浩太です」
一応自己紹介した俺は信じられない物を目にした
「浩太ぁ! おう! 久しぶりだなぁ、おら今からいっちょ走ろうか!?」
本当にあなたは病人ですか?と聞こうとしたが面倒なことになりそうなのでやめた
「いえ、僕は遠慮しときますね・・・はは」
「なんだぁ げんきねぇなこのやろう!」
はははと笑っていたが内心怖かった
「じゃあおじさん俺飲み物買ってきます」
俺は三人分の飲み物を買いに出かけたするとさっきのおじさんだ屋上にいるしかも今にも落ちそうになっている
「いっ!?」
俺は全速力で屋上に上りおじさんの所に向かった
「おじさん!! 大丈夫ですか!?」
助けようと前のめになりてを伸ばした瞬間おじさんは手を話してしまったのだ
俺はおじさんの右手をキャッチしそのまま屋上に戻した
「はぁはぁ・・・おじさん自殺なんてだめですよ」
俺は息を切らしすこし怒りながら聞いた
「違うわい 私は高いところが好きだからぎりぎりまで立っていたら間違えて落ちてしまったのだよ」
俺は内心なんだこのおっさんと思いながら見ていた
「助かった ありがとう・・・」
命を救うのはこんなにうれしいことなのか?おじさんの目を見ているとものすごく楽になれた
「いえいえ 怪我ありませんか?」
「まぁ目立ったところはないがな」
それを聞き俺は安心して「もうこんなことしちゃだめですよ」といい立ち去ろうととした
「君の名前を聞かせてくれないか?」
俺は立ち止まり振り返り「加藤浩太です」と言い残しその場を立ち去った
帰ってくると康平の父が
「遅いぞ!何しとったんじゃ?!」
と俺は怒られた・・・その後病院を出た康平と俺はまたあの四人で飲みに行こうとしたその時中岡から康平にかかってきた
「おんなじこと考えてるなこれ」
と笑いながら康平は電話を取る
「おう!、お前も飲みに行こう・・・え?!」
康平は驚いた表情で俺を見る
「どうした?」
まだ状況が読めない
「菜々ちゃんが・・・」
俺はすぐ病院に向かった
「くそ!なんでさっきの病院じゃないんだ!」
そういいながら俺と康平は走り出した
「おい!康平タクシー使うぞ!」
そういいタクシーに飛び乗り「中央病院まで」とタクシーを飛ばしてもらった
「無事でいてくれよ・・・・菜々」
「あと半年もつんじゃないのか!?」
「そうだよ!まだ半年あるんじゃないのか!?・・・くそ!」
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病院に着くと俺は全速力で走ったら菜々が救急で運ばれているのが分かった
「菜々!!!!」
叫びながら菜々の元に向かうと菜々は荒く息をして苦しそうだった
「しっかりしろ!菜々 がんばれ!!」
「ゴ、メン・・ね 二人で・・・幸せになれなくて」
「なに言ってんだよ!? これから俺たちは幸せになるんだよ!」
その言葉を最後に俺は看護師に止められ「菜々!!菜々!!」と叫び続ける
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俺と康平、中岡はなにも喋らずひたすら菜々が出てくるのを期待し病室の外で待っていた病室の中ではいろんな処置が施されていた
「菜々・・・がんばれ・・」
と俺が小声でつぶやいていると康平は「信じてまとう」と言ってくれた
そんな康平のやさしさに俺は涙が出てきそうになり康平を見上げると向こうから誰かがやってくる誰だ?見たことのある顔・・・・あのおじいさんだった
「浩太君」
俺はイスから立ち上がりおじいさんのもとえ走った
「どうしてここへ? まさか病気が悪化したとかないですよね!?」
おじいさんはにっこり笑い
「君はやさしい人間だ・・・人を思いやる力がある、やはりこんな老体が生きていても仕方あるまい、娘はこんな人を選んでくれてありがたいわい・・娘の事はよろしく頼むぞ」
「なにを言ってるんですか? もしかしてあなた菜々のお父さん!?」
「ほっほっほ・・・まぁな 幸せにな!」
そういっておじさんは菜々の病室に向かって歩き出す
「ちょっとおじさん!?」
俺はおじさんの腕をつかみ必死に止めようとしたが驚いたことに俺の右手はおじさんの右腕をすり抜けたのだ
「な!?・・・え?」
俺は腰を抜かしその場にしりもちをついた
「おい!浩太 お前大丈夫か!? なに一人で喋ってるんだよ!? いまふざけてる場合じゃないって分かるだろ!?」
俺は混乱しなぜだかその後は眠ってしまったらしい
「どうしたの!? 浩太くん! 浩太くん!」
「浩太!浩太君! こうた! こうたくん こ・・うた こ・・・・・」
3日後の朝に俺は起こされた
「浩太・・・浩太」
それはやさしくて、あったかくて、きれいですぐに目が覚めてしまった
「うう、ん・・・は! ここは!? 菜々は!?」
俺は目が覚めてあたりを見渡すだが菜々の姿は見えないそれでも俺は聞き続けた
「菜々は!? 康平!菜々はどうなった!?」
「落ち着け浩太!」
俺は我に返り静まりかえった
「現状を説明するぞ?ここは菜々が入院していた病院だお前が気絶してから3日たち昨日お前を検査したところ異常はなしだった」
「俺のことなんかどうでもいい・・・菜々は?」
俺は小さな声で康平に聞くが康平はなにも答えず目をつぶった・・・
「答えろよ!康平! 菜々は!?」
俺は康平の胸倉をつかみ激しく問いただす中岡が黙って外を向いたままなにも言わない
「浩太君・・・」
俺は振り返り中岡のほうを向く
「中岡!! 答えてくれよ!」
中岡のほうにゆっくり歩き出す
「浩太!!」
康平が大きな声で俺の名前を呼んだそして俺はもう一度康平のほうに振り向く
「あともう一つ報告がある・・・」
「なんだよ?・・・」
俺は声を震わせ問いただす
「菜々ちゃんのお父さんはお前が気絶したあたりに亡くなったそうだ・・・葬式は明日予定されてるから行って来い」
「うそだろ!? 命に別状ないって・・・」
俺は真実を突き止められなく呆然としてもう一度問いただす
「菜々は? 菜々は!?」
胸倉をつかみ聞くと康平は
「菜々は・・・・菜々はぶっ」
康平は突然笑い出すので俺はわけが分からなくなった八つ当たりに「なに笑ってんだよ!!」と康平にいったその時誰かに肩を叩かれた
「誰だよ?」
俺は振り返ると目を疑った
「浩太・・・」
後ろにいたのはなんと菜々だった・・・何度も目をこすり菜々を見る
「なによ? 幽霊かと思ったの?」
俺は「菜々!」と叫び抱きついた
「なによ苦しいよ すごいでしょ? 完全に治ったらしいよ病気の細胞が全部死滅しちゃったんだって」
菜々はいつも通り笑い俺を抱きしめてくれている
「ぷっ! ははっはははっはははっは!」
康平が笑い出し中岡もふふっと笑い出した
「よかった、ほんとによかった!」
「でもね・・・お父さんが・・・」
菜々を含めその場にいる全員が険しい表情になり俺は最後にお父さんと喋ったことを話そうとしたとき
「そういえば俺さ!」
一瞬外が見えたときにまたお父さんの姿が見えた
「しー」
父さんは人差し指を立て口に手を当てて笑いながらこっちを見ていた
「どうしたの?」
菜々が振り返り外のほうを見ようとするが父さんの姿は見えないようだった
「いや・・・やっぱりなんでもない、たぶんさ俺思うんだけどさ菜々の父さんは楽しくやってるよ」
「なんで分かるのよ?」
中岡が俺にツッコンだ時俺は「なんとなく」って言って理由はいわなかった
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その後俺たちは病院を出ていつもの居酒屋で菜々の無事に生きられた会を行った
「いやぁでもほんとに菜々ちゃんが無事でよかったなぁ」
「ほんとに、余命半年って言われてたのにいきなり余命1日になって次はもう私たちより健康って言われちゃったもんね」
全員が笑い出して雰囲気が和み俺は本当に皆が笑いあえるのが本当に幸せに感じた
「で、私ねこの前死ぬ直前に生き返って思ったんだ・・・あぁ生きてるって本当にすばらしいって」
「いや普通その考え方だぜ?」
俺と康平は同時にツッコンだと思ったら中岡と菜々が同時に笑った
でも本当にこの夜はとても楽しかったのを覚えているその後の帰りに俺は菜々を送って行った
「はぁ~~~今までより体が軽いよ」
「病気ってどんな感じだったんだ?」
「ん~どんな感じって言われてもなぁ~~」
菜々はたぶん自分ではそんなおもっていないが治った後の菜々の声はかなり大きかった
「ねぇ!」
「なんだよ急に?びっくりしたぁ」
「あの時いったこと覚えてる?」
俺はなんの事か分からず考えていた
「やっぱり私の病気のことでぜんぜん覚えてないね」
そのときの俺は今思い出した
「あ~~」
「思い出した?」
菜々は笑いながら俺に言うと菜々は俺の前を歩き出す
「どうする?」
俺は菜々の肩をつかみしばらく沈黙する
「ふっ」
菜々は笑い出す
「・・・結婚しよう」
「うん!」
そのあとのことは想像にお任せしよう
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一年後のこと俺と菜々は無事結婚し双子の子供が生まれたんだそして病院で菜々が退院するときに康平と中岡が来てくれた
「無事に生まれたな」
「えぇ 一時期どうなるかと思ったよ」
中岡と康平は双子を両方づつ抱き楽しそうに喋っている
「名前はどうするんだ?」
「お姉ちゃんのほうが愛で妹のほうが咲のつもり」
「そうか、幸せになれよ?」
俺と菜々はその言葉に対し「当たり前じゃん」と一言言った
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それから10年がたち俺たちは普通の家族で菜々とその子供の体には全く異常がなく幸せだった
これからはいまの話をしよう
あの日から10年がたったいま娘は10歳今日は記念日だ
「パパ~ご飯で来たよ~」
娘の愛と咲が俺を呼びにくる
「おう、そうか」
俺はそっけなく返事しリビングに向かった
「じゃあいただきます」
咲が料理に手をつけようとしたときに俺は「待ちなさい」と止める
「今日はあれ言わなきゃだめだろうが」
俺は笑いながらそういい「まず菜々から」といい菜々は「はいはい」と言いながら答える
「この世界は広い、私たちは小さな存在だ」
「でも小さい存在は小さい存在なりに」
「精一杯生きている」
「この事に感謝し俺たちはこれからも楽しく、元気に、精一杯生きよう」
「では!」
「いただきます!!」
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この世界はとてつもなく広い
この世界にはいろんな人や物、生物がいる
まだまだしらないことがたくさんあるだろう
この世界に生きる一人一人の人間は小さな存在だ
とても小さな存在だ
たとえばあの人が死んでしまっても世界は何事もなかったかのように回り続ける
僕たちはこれからも楽しく生き続けよう

ありがとう 

ここまでよんでくれて本当に感謝します
ありがとうございます!!!!
いかがでしたか?

ありがとう 

あなたは恋人が死んでしまった経験はありませんか?

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-12-31

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