能力者の想い

webは初めてなので、至らぬ点が多いですが、温かい目で見守って下さると有難いです。よろしくお願いします。

紫姫九十九の手記

『この手記を読んでいるのは私を討ち、私の同胞を支配した者か、それとも私の子孫か、今記している私には知る由もないがこの手記が人々の役に立つことを私は祈ろう。

この世の中には2種類の人間がいる。
紫姫神宮(シキジングウ)に遺された手記の言葉を借りるならば「選ばれた者」と「選ばれなかった者」だ。
私、紫姫九十九(シキツクモ)は自分がどちらなのかは分からない。ただ、父の遺言から憶測すると、私は前者なのだろう。

と、書き進め、ワタシは筆を置いた。

本来、ワタシはこんな言葉を使うような人間じゃなければ、こんな雰囲気を持つ人間でもない。
でも、父さんの代わりとして「選ばれた者達」を管轄する為にはワタシの本来の性格では駄目だと思った。
だから、ワタシはワタシの願いを私に託し、彼女に手記として後世に遺してもらうことにした。

それが全ての能力者を救うことに繋がると思ったから。』

以下…変哲のない手記が続く。

奏多と狩真

パラリ、パラリと私の部屋では幼馴染の狩真(カルマ)が私の家の神社に残された私のご先祖様の手記を熱心に読む音だけが聞こえてくる。
「ねー、カルマー。そんなの読んでて楽しい?」
「…別に楽しくはないよ。でも、カナのご先祖様って昔超能力者を管轄してた人なんでしょ?もしかしたら僕達の能力を無くす方法が載ってるかもしれないよ」
私の文句に対してカルマは表情を変えずに淡々と答える。
超能力者を管轄するだの能力だの、こいつら何言ってんだよ…って思うかもしれないね。でも、本当なんだよ。
…現に今、私の能力が発動されちゃったしね。
「うちの手記には載ってないと思うけどなー…パパ達も目を通してるし、カルマも何回も見てるでしょ…それに…」
私がカルマに対する返事を濁すと、カルマは手記を閉じ、私の顔を見ながら溜息をつきながら言った。
「…視たんだね?」
「うん…」
私の能力は俗に「千里眼」と呼ばれるもの。今、私の瞼の裏には今から1時間後を指す私の部屋の壁掛け時計と手記にめぼしい物が見つけられず項垂れるカルマの姿が映っている。
私の答えに対してカルマは苦笑いした。恐らく、カルマも視たんだろうな。「サイコメトリー」の能力で…


…私達はこの能力を忌み嫌うとまではいかないけど、苦手視していてよく無くす方法を探しているのだけれども今日のように能力で結末が視えてしまいお開きになるのが殆ど。

能力者の想い

能力者の想い

超能力者の先祖や、超能力を持った少年少女が出逢い、互いに交差し合い最善の道を導き出そうとするが…

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-07-29

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  1. 紫姫九十九の手記
  2. 奏多と狩真