ぽつり、

ぽつり、と一粒雨が降る。
気づいたのは私の右手だけ。
気になって空を見上げても、
青だけが広がって視界を覆う。
私はまた歩き出す。

ぽつり、と一粒雨が降る。
気づいたのは私のおでこだけ。
気になって空を見上げると、
青が私をからかうように視界を覆う。
私はまた歩き出す。

ぽつり、と一粒雨が降る。
気づいたのは私の首筋だけ。

ぽつり、ぽつり、と雨が降る。

私は君の手を引いて、
急いでお店へ入った。

ぽつり、

ぽつり、

ぽつり、と一粒雨が降る。

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-07-27

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